先日、本屋で
「百貨店物語」という文字に
惹(ひ)かれて
思わず買うてしもうた。
「おぉ、百貨店かぁ。
もう何年も行っとらんが」
中でも面白かったのが、
夫馬信一(ふま しんいち)
さんが書かれた
「屋上遊園地-夢のあとさき」
という特集。
そういや、
広島の百貨店・福屋の屋上に
遊園地があって、
そこで遊んだ記憶があるのう。
↓夫馬信一さんの著作については、こちら↓
「百貨店の戦後史: 全国老舗デパートの黄金時代」amazon
「渋谷上空のロープウェイ 幻の「ひばり号」と「屋上遊園地」の知られざる歴史」amazon
今日は、
むかしの福屋にあった
「子供天国」という屋上遊園地
についての話でがんす。
最初に、日本における
百貨店の屋上遊園地の歴史について、
簡単に説明しておこう。
日本の百貨店の屋上遊園地は、
今から120年前の1903(明治36)年、
日本橋の白木屋が屋上の遊戯室に
シーソーや木馬を設置した
のが始まりといわれる。
屋上遊園地が
全国で一般的になったのは、
1920年代後半から30年代にかけて、
大正の終わりから昭和の初めころ。
その屋上遊園地も
太平洋戦争が始まったことで、
「贅沢(ぜいたく)は敵だ!」
と閉鎖を余儀なくされるが、
戦後間もなく復活する。
高度経済成長とともに
新しい百貨店が続々と誕生。
そこには屋上遊園地と
大食堂(レストラン)があるのが
当たり前であった。
そんな時代の屋上遊園地で、
わしは遊んだんじゃの。
以下、広島市中区にある
広島の百貨店・福屋八丁堀本店
1階に展示してある
「福屋90年のあゆみ」
から紹介していこう。
↓福屋八丁堀本店については、こちら↓
「八丁堀本店」広島の百貨店 福屋
「子供天国」と呼ばれた
福屋八丁堀本店屋上は、
さまざまな遊具が並び、
多くの家族連れでにぎわったという。
「子供天国」というネーミングが
時代を感じさせる。
1964(昭和39)年、
創業35周年を迎えた
福屋八丁堀本店の屋上。
(北西方向から見たところ。
手前側を市内電車が走る)
屋上中央に遊具が見える。
1979(昭和54)年、
創業50周年を迎えた
福屋八丁堀本店の屋上。
(北東方向から見たところ)
屋上左手側に遊具が見える。
手前に見える東洋座ビルが
福屋東館となる。
このころの東洋座ビルには
東洋座と名画座の
ふたつの映画館があり、
今は八丁座 壱(いち)
弐(に)の2館で営業している。
↓八丁座については、こちら↓
広島の映画館八丁座・サロンシネマ
(以上、撮影日:2019年10月6日)
そんな屋上遊園地も、
今では絶滅状態。
理由はいろいろあるが、
ひとつはレジャーの多様化。
屋上遊園地だと
遊んでも1時間くらいだが、
テーマパークだと1日、
中には2日くらいかけて
遊べるところもある。
もうひとつは消防法の改正。
屋上の面積の半分を避難区域に
しなければならなくなったため、
大型遊具の設置が難しくなった。
(撮影日:2023年5月1日)
福屋八丁堀本店の屋上は
2016(平成28)年から、
屋上パブリックガーデン
八丁堀SORALA
として活用されている。
今日は、
百貨店の屋上遊園地
について話をさせてもろうたでがんす。
ほいじゃあ、またの。
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