味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

真理瞑想行について---2

2012-02-17 12:08:45 | ブログ

タイトル---真理瞑想行について--2。第1155号 24.02.17(金)

 第1154号に続きます。

〈したがって、真理瞑想行では、人間の生命に与えられている法則という、普通の人の知らない貴重な人生案内が主眼とされている。厳密にいうと本来の真理瞑想行では、与えられた問題を、誰にも教えられず、自分なりに考えて、それが正しい真理に合致するまで何年でも考えさせる、というのが本当の方法である。

 私はインドの山の中でその修行をしてきたが、その間に与えられた問題は、たとえば、「心とは何だ。お前の現在の心はお前の本当の心か」あるいは「人間とは何だ」ということを考えていくというものだった。日頃そのような研究をしている人でも、一つの問題に三月や半年はかかるものである。しかし、現在そんなことをしていたのでは、一つの問題を解くどころか半分も解決することができないであろう。そこでこのように変則的な方法ではあるが、あなた方が悟る代りに私からお伝えするのである。

 ただこの方法は、苦心してみずから悟るものでないために、いいなぁと思いながらも、時としてせっかく得たものが無に化すおそれがある。ですからあなた方も私のように、自分の肉体に重い病いを持ち、その病いと闘いながら、親からも国からも離れてただ一人、ヒマラヤの山奥で端座瞑目して真理と取り組んでいるのだというおごそかな気持ちで聞いていただければ、それは、天風から自分に告げ知らされたのではなく、あなた方の魂が、あなた方の心にそれを悟らせているのだと考えていいでしょう。そうすれば、自分が苦心して悟りを開いたのと、その結果は五十歩百歩、たいして違わないことになる。〉p24

.

 私はかねがねテープを聞き、その教えをいいと思っていますが、さてあなたは如何でしょう。ここまで書きながら、親切に教えてくれているのに敬服する次第です。平和と繁栄を満喫していると、これが本当の世の中だ、いつまでもこのようにあるのだ、と錯覚していまいそうではないですか。そうではないと思います。今は経済状況はよくないにしても、たしかに豊かであります。

 話は変わりますが、インターネットを開いてみると、ロシヤの軍事専門家が20分で日本を消すことができると報じています。爆撃機にミサイルを積んで攻撃したとしてのことであろうと思います。今の平和ボケした日本人は、そういうことがあるものか、と思っている向きがありますが、国際社会の生きる競争というものは必至なのです。

 私があえて、ブログに書くのもお互いしっかりしましょうや、という呼びかけなのです。テレビをつければ画面という虚像の世界で生きる子供たちが朝から晩までキャーキャー言っています。これらもいいのですが、万一に備えての危機管理はしかとしたいものです。

.

 天風師は40歳過ぎた頃喀血して余命半年くらいと宣告されたのです。その後、インドへ渡りいろいろ修行して、自らも天意を酌み、努力し95歳位まで生きたそうです。そういう実体験をふまえ私どもに生きる術を提供しているのです。謙虚に聞き、豊かなる人生とすべく努力したものです。人様のしあわせと自分のしあわせのために。


政治の要諦と乱立乱倫。

2012-02-15 12:25:27 | ブログ

タイトル---政治の要諦と乱立乱倫。第1153号 24.02.15(水)

 科学技術を含めた高度に発達した文化が人々を巧言令色にする時、人生不可思議の観念を覚えずとも、未知の世界への憧憬と同時に欣快の念を懐くものです。それは元より宇宙の進化の中に生きる人類の真情に適するからでありましょう。

 

 現代の政治は余りに僞巧に満ち、良識ある人々をして処世の真諦たるを覚えないでありましょうし、そのそらぞらしさに返って反発し、政治文化の要諦を疑問視する向きもあるようです。人類のための政治文化は自然の純化でなければならないと思うし、人々を向上せしめるものでなければならないと思考するものです。

 今日政治学者や社会思想家などの言論は、果たして国民に親しく道情を惹起させえるでありましょうか。いわゆる、性を俗学に位置づけ、慾を俗世にまき散らしている政治家が多すぎるのではないでしょうか。

 このように頽廃化した世情に義憤を懐き西郷南洲翁は、次のように喝破したのであります。

 〈文明とは、道の普く行わるるを賛称せる言にして、宮室の荘厳、衣服の美麗、外観の浮華をいうに非ず。世人(政治家)の唱うる所、何が文明やら何が野蛮やら些とも分からぬぞ。〉(『南洲翁遺訓』第十一章)

 政治集団が確たる理念のなきまま烏合の衆となりゆくのを国民は苦々しく思い、橋下氏率いる維新政党を選択する機運にあると言っていいでしょう。


人間力を高める空手道。

2012-02-12 11:40:11 | ブログ

タイトル---人間力を高める空手道。第1149号 24.02.12(日)

 昨日は厳寒の中、30名で稽古をしました。一部で一本の杭の合唱をしましたら、三雲悠くん、森永礼君が、前回同様、顔を紅潮させて、喉がこわれはしないかと思われるくらいの声で歌ってくれました。5歳の脳には、生涯「一本の杭」のメロディーが宿っていくことだろうと思います。5歳児の熱狂ぶりに2.3年の先輩たちは、笑いながらうたいました。

 合唱後、三雲圭君を立たせて、次のように「一本の杭」の説明をしました。

 あなた方は『南洲翁遺訓』とか古典の言葉を勉強しています。これらは将来大変役立つのです。「一本の杭」とは「素晴らしい一人の人間である。すばらしいお手本である」という意味です。圭君とそしてあなたがたの将来の姿なのです。

 この言葉は荘内南洲会理事長・小野寺先生によると、日本一の教育者だと言われた菅原兵治先生が創られた言葉です。だから遠い将来のためにも、毎日の稽古をまじめにしてください、とお話しました。

 3月3日には荘内南洲会の先生方が参ります。その時もかねてと同じように、元気をだして頑張ってください。

 その当日、木場昌吾師範、啓介師範兄弟が、約束組手を行います。それを真剣に見てください。そしてあなた方もそういう技術を身につけるよう頑張ってください。二人の技術は、これが空手道だ、というものです。ただ型だけをして大会で優勝したという程度のものは、長い人生には役に立たないのです。

 木場師範兄弟は、私の勧めにより読書するなど、学問にも熱中しています。学校での勉強はほんの一頁なのです。文武両道の道場で、高度な空手道技術を修得すると同時に、あわせて学問を積み重ね、人格者となり、仕事にも熱烈に打ち込み、健康で長生きをすするよう頑張ってください。こういう修行が人間力を高めるというのです。15年もすれば、自分がびっくりするような人生が展開されるのです。

 このようにお話しました。真面目にきいてくれる子供たちの将来は輝かしいものが展開できると思いますので、保護者の皆様も、ご支援がたお願いします。昨日、後方に坐していた母親様は、『南洲翁遺訓』の長いのを口ずさんでいました。子供を送ってきて、外でおしゃべりしている人は、そういう精神が子供に必ず投影するのです。人生は真剣でありたいものです。

 後数年もすれば、みんな自動車・単車などの免許を取得するでしょう。免許とりたての頃は悪気がなくてもスピートを出してみたいと思うものです。でも一寸したことが、人を傷つけたり死亡事故につながったりします。だから、人を傷つけてはいけないという強い使命感を持って欲しいものです。こういう話にも子供たちは真剣に耳を傾けてくれました。


諸文明の没落の原因。

2012-02-11 11:24:51 | ブログ

タイトル---諸文明の没落の原因。第1148号 24.02.11(土)

 諸文明の没落の原因を探り求めて、研究班が出した結論は、あらゆる文明が外からの攻撃によってではなく、内部からの社会的崩壊によって破滅するという基本的命題であった。トインビーもそのように警告している。

 

 崩壊の原因が、欲望を肥大化させ、労働を忘れて消費と娯楽レジャーとギャンブルに明け暮れるようになり、節度を失い放縦と堕落への衰弱の道を突っ走っていった。

 まさしく今の政治家が、天下取りのために、票ほしさのために、国民を誘導している状況そのものであるような気がしてならないのです。

 だから私は、青少年に我慢の哲学の教本・『南洲翁遺訓』の原文を暗記させているのです。テレビがあれがおいしい、これがおいしいと言えば、後先考えず飛びつく、そういう甘えの構造を受けた子供ほど可哀想なものはないでしょう。

 西郷隆盛は漢詩「外甥政直に示す」で、次のように詠んでいます。

 

 貧居傑士を生じ、勲業多難に顕わる。 

 雪に耐へて梅花麗しく、霜を経て楓葉丹し。

 如し能く天意を識らば、豈敢えて自ら安きを謀らんや。  


健全なエリート育成の教材に『南洲翁遺訓』を。

2012-02-07 15:24:48 | ブログ

タイトル---健全なエリート育成の教材に『南洲翁遺訓』を。第1144号 24.02.07(火)

 2月5日、第1139号で、山内昌之東大教授の論考「国家とは何か」が読売新聞に掲載されました。それをご紹介した次第でした。その時、「健全なエリート育成を」と題して、鹿児島出身の財成家・松方正義氏のプロフィールを紹介しています。

 そういう提起は大事なことだと思います。そこで、そういった機関での教材に『南洲翁遺訓』を取れ入れて欲しいものです。例えば三年間の教育期間内に『南洲翁遺訓』全てを暗記させるということも大事だと思うからです。現今の教育に見られる解答技術を習得させるだけでは、人物とはなり得ないからです。清廉にして腰のどっしりとした人物の養成こそが求められているのです。市民運動家では駄目なのです。

 因みに私の空手道場である私塾では幼児たちに、第一章から暗記させているのです。教育のしかたによっては子供たちはたちどころに覚えてしまいます。

 山内教授は「政治家の人材供給源に私塾の松下政経塾」がある、と紹介していますが、当該政経塾出身で代表する人物とは誰なのでしょう。卒業した諸氏を拝見するになるほどという人物がいるでしょうか。

 『南洲翁遺訓』は、京セラ稲盛名誉会長も経営上の視点からも役立つとして、採用しているのです。『南洲翁遺訓』は宗教、イデオロギーを超越して、誰からも絶賛出来る内容なのです。

 

 30年『南洲翁遺訓』を学んできた私は、 

 『南洲翁遺訓』とは、

 

 ----西郷隆盛の人物像と、西郷隆盛の肺腑から出でた言々を、荘内の藩士たちが咀嚼し、練りに練って、命に代えて、荘内精神の奥義として世に吐露したものなのであります。

 このようにブログ第1132号(24.01.30)に書いた次第です。