晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

日置のこと(27) 日置氏の正体は? 9/12

2013-09-12 | 上林地名考

2013.9.12(木)晴れ

 以前に「日置氏の正体は?」という記事を書いた。(2010年1月10日~11日参照)この記事が検索サイトからのヒットが実に多いのだ。日置氏や日置に関する関心や興味が多いことが解ると同時に、誰もが納得のいかない状態にあるということも想像できる。
 「日置氏の正体は?」の記事は、「古代の鉄と神々」(真弓常忠氏)Vs.「知られざる古代」(水谷慶一氏)のこと、つまり鉄の道と太陽の道の争いである。
 この記事を書いた当時、わたし自身は鉄や金属が古代歴史の流れの中心にあったと考えていたので、真弓氏の主張に傾注していた。つまり太陽祭祀の道なんて夢物語で、権力はひたすら金属の発掘、開発に突き進んでいたと考えていた。
 ところが歴史というか人間の営みというのはそれほど単純なものでなく、ましてや国家を建設しようかという人間にとっては事はそれほど単純でないということだ。
 そして当時の自らのスタンスは常に科学的であって、スピリチュアルなものを排した説となるよう心がけていた。
 金属というのはきわめて科学的な物質である。発掘をして精製して製品にする。その製品が食糧の増産はもとより、権力の維持発展に大きく貢献する。もちろんその生産の過程で宗教的なものは随所に現れるのだが、それは単に付随した所作と考えてもいい。
 逆に太陽信仰に基づく謎のラインなどというのはスピリチュアルそのものだという考えが、その当時あったことは隠せない。
P1040911

 

同じラインを「太陽の道」「鉄の道」と主張している。

  しかし今一つの大きな転換がある。それはスピリチュアルなもの、呪術的なものに対する考えだ。もちろん現在の考えとしてはそういう考えに属するものではないが、古代の社会においてそういったものが社会を支配する要素であったことは誰もが認めることだろう。おそらく教科書にだってそう書かれているだろう
 ところが史学にしても考古学にしても呪術的な部分には目を背けているのが現実ではあるまいか。そういった分野に目を向けているのは学者ではなく、素人の巷の研究者である場合が多い。中には度が過ぎてオカルトチックな内容になっているものもあり、宗教団体のパンフレットのような論文もある。
 古代の政(まつりごと)は祭政一致というのは誰もが認めるところである。
考古学の論文などを見ていると、祭の方には随分無頓着なのに、出土物で用途がわからものなどには必ず「呪術や祈祷に使われたものだろう」という結果になっている。一体誰がどのような祈祷で使ったものか考察はされない。解らないものは宇宙人が持ってきたと言っているのと同じである。
 現代人には信じられない呪術的なものスピリチュアルなものであっても、古代人にとっては重要な要素であったことを理解しないと、古代の謎は解けないと思うし、その解き方は科学的でなくてはならないと考えている。
 3年前に書いた記事では、太陽の道を否定的に書いているが、現在では太陽の道はあり得ると思うし、実は鉄の道も同時にあるものと思っている。
 そしてそれらは同じ権力、同じ氏族、集団によってなされたものと考える。
そのことを少しでも証明するために、「日置のこと」を書いていきたい。つづく

【作業日誌 9/12】
ジャガイモ(男爵)植え付け
大根播種準備

【今日のじょん】モモ姉さん来じょん
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出してくれ~

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ヒコヒコ。いつもいっしょやないけ~。
 

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雨読 神々のメッセージ他二冊 9/11

2013-09-12 | 雨読

2013.9.11(水)晴れ

 「神々のメッセージ 古代祭祀線への挑戦」(堀田総八郎著)中央アート出版社1995年4月初版 古書

 「続 知られざる古代 龍王のきた道」(水谷慶一著)日本放送協会昭和56年8月発行 古書

 「濃飛古代史の謎 水と犬と鉄」(尾関章著)三一書房 1988年発行
 

 古代測量技術の方法や日置に関する事柄を調べたくて上記三冊の本を読んだ。順に紹介してみたい。

 「神々のメッセージ」
 古代測量に関する読み物をいくつか読んだが、いずれも歴史家であったり、郷土史家であったりで専門の技術者の手になるものは無かった。堀田氏は機械工学科卒の理系の方で、ヨットの航海術をもとに古代の測量や航路の研究をなされている。そういう意味で科学的に理論展開されていると思えるのだが、エセ理科系のわたしには理解できないことが多く、幸い船舶免許や測量士免許をもち、風水にも詳しいうってつけの知人が居るので、本書を読んでもらった。理解できるまで読んで解らなかったら尋ねようと思っている。
P1040912P1010090
古代測量について色々読んだ中の一冊。



 「続知られざる古代」
 「謎の北緯三四度三二分をゆく」は小川光三氏のいわゆる太陽の道をドキュメンタリー化した大作で、太陽の道の証明のための実験や考察が大変興味深い本だ。現在二回目の読書をしているが、それは初めて読んだときとこちら側のスタンスが全然違うからだ。それはともかく、本書はその続編なのだが、元の太陽の道とはつながりがあるような無いようなつかみどころの無い感がする。朝鮮半島に於ける寺院や墓所の設置が太陽の祭祀に関わりがあるというような主旨だと思っている。
 わたしの読書の動機は、太陽の道や日置に関する地域に不思議と龍、竜の付く山が多く、龍王というのがなにか関連するのかと思ったことである。結果、その関連は何も解らなかったのだが、それはわたしの読解力のせいかもしれない。
 いずれにしても再度本書を開くことはないだろう。
P1010091



二冊一緒に買ったのだが、続編を読んだのは3年後か。

 「濃飛古代史の謎」
 澤潔氏が「西丹波秘境の旅」のなかで、「若狭湾西岸にある日置が、この線上にあるのは不思議な一致と言わなければならない。」と書かれ、その前段に北緯三四度三二分、太陽の道の説明がある。そこに参考文献として本書が載せられていたのである。ちなみに宮津の日置は北緯三五度三六分でまるで話がちんぷんかんぷんなわけだ。なにか宮津の日置を通るラインについて本書に書かれているのかもと思って読んでみたのである。
 太陽の道について一般的なことが書かれているだけで、宮津の日置については何も書かれていない。誠に残念な結果であった。
 本書は古代豪族ムゲツ氏に関する考察を主に書かれたものであるが、実に様々な分野から資料を集められ、どこどこにはこういうことが書いてあるというまるで資料の索引のような内容である。総満艦飾的な資料の羅列からは氏の考察や主張が見えてこない。参考書としてみるにはいいが、何かを得ようとして読む本ではない。買わなくて借りて良かったP1010026



サブタイトルは魅力だが、、、、。

作業日誌 9/11】
芝張り続き
畑植え付け準備

【今日のじょん】
天気が良くなってやっと来じょんワン現る。もみじちゃんもうすぐ四才、かわいいですねえ。
P1010086

ルンルンルン

P1010087
出してくれ~


P1010088
連れてきたで、ヒコヒコ。

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