晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

日置のこと(24) 穴虫-4 9/8

2013-09-08 | 上林地名考

2013.9.8(日)曇り

 丹波国分寺西の穴虫が小川氏の説には少しそぐわないなと思いつつ、本家本元の奈良県香芝市の穴虫の地図を覗いてみる。穴虫は思いもよらぬ大きな地域で、大阪の通勤圏として大規模な住宅の開発が行われていることがわかる。その中で二上山からの尾根の森が切れ切れに残っているところがある。近鉄大阪線二上駅と南大阪線二上山駅の間のやや東寄りの地域だが、その東が穴虫東で西側に穴虫西と書かれている。と言うことはその中が穴虫地名の元々の穴虫があるとも考えられる。その森の中には大坂山口神社という神社があり、森はその神社の森なのだろうか。
 大坂山口神社に穴虫の由来を探るような事項は見つからない。ただ、この南に畑という大きな地域がある。日置の近くには畑があるという記事を書いてきた矢先だったので、近くに日置があるのではと地図を眺める。すると東に4,5Kmあまりに広陵町疋相(ひきそ)というところがある。「知られざる古代」で太陽の道上の日置地名としてあげられているところだ。
P1060796
P1060798

 


丹波国分寺では牛松山から朝日が出て(左)行者山(右)に沈む。行者山は西にあるのに朝日山と呼ばれていた。そのわけは後ほど。

結局亀岡の二ヶ所の穴虫ではその地名の由来を確信することはできなかった。ただどちらも重要な建物、国府や国分寺の西にあることだ。
 穴、アナと言う言葉が単に西を表す言葉であったらどうだろう。ここまで読んできた太陽の道や日置氏、日神祭祀の本などの中によく東の語源について述べられている。
 東の語源は日向(ひむか)、日の出の方向に由来するというものである。西はどうかというとこちらは曖昧で、澤潔氏は「イニシ(去方)」→西という風に言われている。
イヌは西日本の言い方で行く、去るの意味がある。シと言うのが方向を指すか否かわからないのだけど(太陽が)去る方向という意味にとれないでもない。
 東西を表すのに沖縄語、ウチナーグチは明解である。東はアガリ、西はイリ、つまり太陽が海から上がるのを東、海に入るのを西というのだから。
 「語源大辞典」(堀井令以知編)は日向シ→東でシは風の意味か、としている。これでシの意味がはっきりする。シは風の意(アラシ、コガラシなどもその意味か)でヒガシも元々は風の方向を表すものだったという事である。そうすればニシはどういう意味かというと、シは風の意か、ニについては不詳と書いてある。
 なんだこの辞書は、と怒る方もおられようが、わたしはだからこそこの辞書に信頼を置いている。知らないことを知らないと言う学者はそう居るものではない。たいがいの学者は知らないことは黙ってしまうものだ。つづく

【今日のじょん】連日の雨にじょんもうんざりしているが、実はもっと困ったことがあるのだ。
P1010065



ドッグランどが完成して2日にあやべ市民新聞に広告掲載、6日には取材記事がカラーで掲載されたのだ。本来なら持ちに待ったワンちゃんがワンサカ訪れるはずなんだけど、この雨じゃとても無理、その上雑草だけは恐ろしく蔓延し、なんとも憂鬱。晴れたらみんな来てくれよな。
P1010072P1010073

 
 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする