晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

遊里のこと(5) 4/21

2010-04-22 | 歴史・民俗

2010.4.21(水)曇

 採鉱、冶金の作業、行程が地名になっている例は多い。代表的なのが鍛冶地名である。たたら製鉄に大鍛冶、小鍛冶は付きものである。金属採鉱、加工地を探る代名詞のような地名だが、一部崩壊地、浸食地を示す場合もある。(「とちぎの地名を探る」塙 静夫)
たたら、鉄穴流しも地名として沢山残っている、多々良、多々羅、神流、神奈など様々である。
 また、鍛造で鉄を打つことを「鼓」と言うそうだ。「鼓」には打つこと以外にも扇ぐという意味もあって、鼓拝(こはい、ふいごのこと)を動かして火をあふると言う意味があるそうだ。(「真言密教と古代金属文化」佐藤任他)
 わたしは市島市の西山酒造が造る小鼓というお酒が一番好きで、ひょっとすると製鉄に関連のある命名かなと調べてみたがそれらしい情報は得られなかった。ただ地図を広げて、市島市中竹田から12Km南に行き丹波市の旧春日町から県道69号線を東に辿り栗柄峠を経て、続いて県道97号線を辿ると、鼓峠というのがある。周囲には赤土谷、小金ヶ嶽などというところがあり、製鉄の地を思わせるが、詳しいことは調べていないので解らない。そのまま県道を東に辿ると、草山温泉から京都府福知山市三和町に到り、「鉄と俘囚の古代史」(柴田弘武著)にいう、菟原中別所がある。また、草山温泉から県道711号線を東進すると、鎌谷という地区を通り、国道9号線に合し4Kmほど京都に向かうと京丹波町井脇別所が存在する。更に京都方面に進むと右手に鼓山という小高い山が望める。9号線と並行して走る府道444号線の付近には千原、山内、鍋山といった、金属地名らしい地名が続き、塩谷の大古墳があり、その向かいに由リという地名があるのだ。Img_5897

塩谷古墳群、この手前府道を越えた付近が由リである。

 金属を精錬することを吹くという。吹の付く地名は数多くあり、代表的なのは岡山県の吹屋である。Img_5424 Img_5510

吹屋の銅鉱山坑道と街並み


 中上林の睦志から舞鶴に抜ける峠を小吹峠という。舞鶴側は大正時代まで操業していた舞鶴鉱山である。小吹峠とは精錬もしくは風の”吹く”からきている地名では無かろうか。
 このように採鉱や冶金の行程から来ている地名は枚挙にいとまがない。選鉱を意味する淘る、汰りから”ユリ”地名が発祥していても不思議ではない。つづく
《遊里のこと(4)は2010.4.19》

【作業日誌 4/21】
じょんのびの木の芝生草引き

今日のじょん:今朝は合羽着るほどではないけれど、雨模様だった。もちろん着せるつもりは無いのだが、頑としてサークルから出てこない。いつもはあんなに喜ぶ散歩なのに、、、、。賢すぎるのも困りもんだ。Img_4325

コメント
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