晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

遊里のこと(3) 4/17

2010-04-17 | 歴史・民俗

2010.4.17(土)曇、晴

 インターネットなどでユリを調べると、丹波地方の方言だという書き方がしてある。そのためだろうか、地名に関する本などでも扱っていない。山名や山岳地名に関する本は数冊持っているが、ユリ地名というのは出てこない。地図サイトで検索しても丹波地方にあるだけで、その他の地域にはほとんど出てこない。やはり丹波地方に独特の地名なのだろうか。
 歴史上由利氏と言う豪族があるが、この地方に特に関連があるようには思えない。秋田県の由利本庄市は由利氏ゆかりの町である。Img_0605

2006年9月11日由利本庄市を訪れる。郷土資料館に立ち寄っただけである。

 以外なのは花の百合の名前の由来である。いろんな説があるようだが、大きな花弁が揺れる様子から”ゆり”というのがかなり有力なようだ。
遊里のこと(1)で書いたとおりユリの地名の語源も揺れることから来ているようだ。
三和町史に次の通りある。
「岼のユリという語形は、ユレル(揺れる)ことからきており、山地の小平坦地・海岸の平らかな砂地・風波で砂がゆすりあげられた 所・地層の隆起で大地がゆりあげられた所・阻伝いの細道などがあたり、 丹波地方の山の狭道の方言ともいわれる。」
 この文章は一見なるほどと思わせるが、実は不可解な文章である。百合の花は揺れてユリと呼ばれてもおかしくない。しかし揺れることと山の平坦地や阻伝いの細道、山の狭道とどう関係があるのだろう。大体、阻伝いとはどのような場所だろう。阻害の阻だから、行く手を阻まれたところ、行けないところで渓谷や河川の両サイドの急峻な壁などを言うのではないだろうか。つまり黒部下の廊下の日電歩道のような、いわゆるへつり道ではないだろうか。それだとわたしが言っている尾根に沿った緩い道、トラバース道とも似かよってくる。Img_4252
 
へつり道、山口県長門峡(2007.4.15)


 砂が揺すり上げられた地形、地層の隆起で大地が揺り上げられた地形というのはなんとなく意味が分かるようだが、(1)で紹介した桑名市汰上(ゆりあげ)や名取市閖上(ゆりあげ)などのことで、丹波で言うユリとは系統が違うような気もするのである。
 揺ると言う動作は農作業では箕(みー)を揺ることが代表的である。穀物からゴミを取り除く作業で、かつての農作業では重要な作業である。無造作に入れた穀物が作業をすることで波打ち、やがてきれいに平らな状態となる。この様子はなんとなく山間部の平らな地形とか波のような緩やかな尾根筋を想像することは可能だ。しかしユリ地名は山間部にあるのだから、山間部特有の揺り作業は無いものだろうか。つづく
《遊里のこと(2)は2010.4.16参照》

【作業日誌 4/17】
コノテヒバ2本植え付け

今日のじょん:夕方おかーに怒られたら、えらいいじけてしまった。元々情けない顔だけにいじけると、本当にみじめそーでかわいそうになってくる。「しゃーないなー」と砂肝をやると、ケロッとして飛び出してきた。「くそー騙された」Img_4305

コメント
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