晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

遊里のこと(4) 4/19

2010-04-20 | 歴史・民俗

2010.4.19(月)曇

 炭焼や伐採、植林の山仕事の中で、揺るということは思い当たらない。もっとも年少のころに父母の手伝いをした程度だから詳しいことは解らない、ただ、ユリ道というのは聞いたことがあった。
 揺るという作業や名詞がないものかと困っていたときに、自転車旅行で佐渡に渡った際に、博物館の絵図で鉱石を板か皿で揺すって選鉱している場面を思い出した。すかさず「日本の鉱山文化」(国立科学博物館発行)の絵図面を繰るのだが、なにしろもの凄い数の絵図がびっしり詰まっていて、内容が解らない。ルーペを取り出して探しても今ひとつ確認できない。諦めかけていた頃、インターネットで九州大学デジタルアーカイブ、鉱山精錬資料というこれまた膨大な資料が公開されているのを見つけた。これは絵図なども拡大して一こまずつ見ることができるので大助かりである。「金銀採製全図」の勝場(せりば)の図に板の上に臼で摺り下ろして泥粉状になった鉱石を載せ、水の中で揺すっている様子が載っている。佐渡で見たのはきっとこの図だったのだろう。泥粉状の鉱石を汰板という中央の窪んだ板に載せ揺する。この作業を板取といい、ユリ取りとも書いてある。選鉱されたものを汰物(ゆりものと呼ぶのか)という。Img_4322 Img_4321
 
石見銀山の資料館で買った貴重な本だが、絵図が小さすぎて見えない、読めないで残念な本だ。


 また「吹屋の図」には「陶物いたし候図」(ママ)というのがあり、笊をつかったゆりの図がある。陶物は淘物と同義であろう。
 いずれにしてもこの作業を”ユリ”と称していたことは間違いない。そしてわたしは丹波の各地に残る”ゆり”地名の謂れはここにあるのではないかと思っている。そのことによって、かつての鉱山、冶金の中心地だと思われる、綾部市北部の山岳地帯、奥上林及び畑口川流域にこの地名が偏っていることのひとつの理由となるのではないか。つづく《遊里のこと(3)は2010.4.17》

【作業日誌 4/19】
冬用タイヤ交換

今日のじょん:最近朝のハンドクリーナーにはまって、このざまだ。こうなるとおとーに朝の挨拶もしに来ない。情けないったらありゃしない。Img_4318

コメント (1)
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