常念が見える部屋から

ここから北アルプス常念岳が眺望できます。
季節の移ろいに写真を添えて発信します。

小鹿に逢う

2010年07月18日 | 季節の便り
唐突に梅雨が明けて連山が晴れた


朝から青葉の底に目まいがするような青空が広がった。
牧柵見回りの朝は早い、相棒と二人約2キロの山道を巡視した。
伸びて電線に触れている雑草を刈り払い、破られた箇所があれば修復する約1時間の行程である。
最後に電圧(4千ボルト)をチェックして終わる。
巡視途中で親子鹿に遭遇した、山麓を縫うように敷設された高圧線の内側(里側)に小鹿が、山側に親鹿がいた。
通電が止まる夜明けをまって高圧線を潜り、緑豊かな里に越境したのだろう。
人の気配に気づいた母鹿が警戒音を発した。
簡単に抱きかかえられるほどの小鹿が、母親に駆け寄ろうと猛然とダッシュしたが、電線に触れはじき返された。
小鹿の体当たりで倒れるような柔な柵ではない。
親鹿は心配そうに再度鳴いた。
呆然としていた小鹿は、気をとりなおしたように、牧柵に駆け寄り、今度は軽快に電線のすき間を抜けて不毛の山に帰って行った。


コメント
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