或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

北九州市立美術館

2009-10-10 07:05:52 | 300 絵画
九州プチ観光の2日目は小倉。前日の夕方に久留米から高速バスで1時間半かけて移動。まさかこんな路線があるとは。最も低料金だったし。翌日の日曜日の午前中に北九州市立美術館へ。ここは郊外に本館、市街地に別館という2館構成。ホテルの近くからバスに乗り西方向へおよそ30分。そこから無料シャトルバスで数分山を登ると、眼の前に巨大な白い建物が。

失礼だけど立地といい外観といい、よくあるどこかの宗教団体の施設っぽい雰囲気。著名な建築家の設計らしいけどスケール感がありすぎて美術とは馴染まないような。時が経てば経つほど廃墟の匂いが漂う、そんな殺漠とした景観に少し違和感を覚えたかな。だけどサプライズだったのがここからの眺め。響灘を一望できてヘンな展望台よりも断然素晴らしかった。

やけに幅の広い階段を登りきると受付が。そこで入館料を聞いてビックリ。常設展が150円で、企画展と合わせて千円ちょっと。どういう設定なんだと思いながらまず常設展へ。愛想の良い受付のご婦人の案内で中へ入ると、いきなりドガが描いた「マネとマネ夫人像」(1869年)が。真打ちが最初とは。マネには今年のパリ旅行から特別な興味を持ち始めているので別の記事にするつもり。それ以外で印象に残ったのは小出楢重の「卓上蔬菜」(1927年)ぐらい。なるほどね、展示作品が少ないのか。

次ぎに企画展の"源氏物語千年紀 石山寺の美"へ。琵琶湖のほとりにある石山寺は、紫式部が源氏物語を起筆したと言われていることで有名。国宝や重要文化財が目白押し。印象に残ったのが江戸時代の絵師である土佐光起(とさ みつおき)が描いた上の画像の「紫式部図」。色使い、筆使いが実に旨く品がある。後で判ったけど、前日に福岡市美術館で観て気に入った「源氏物語図屏風」も彼の作品だった。日頃TV番組の「なんでも鑑定団」ぐらいしか接点のない日本画を堪能したかな。

思うに、建物の立地や規模と比較して常設展が貧弱すぎ。わざわざ郊外の美術館に来た甲斐がない。企画展が充実していただけに、よけいにバランスが悪すぎる。少なくとも半々ぐらいの展示にすべきじゃないかと。ちょっと文句を言い過ぎか。


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