或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

ゴッホ展

2013-09-25 06:25:53 | 300 絵画
この前の日曜日に広島県立美術館で開催されていたゴッホ展へ。サブタイトルは”空白のパリを追う”。この企画展は7月22日から開催されていて、地元の新聞で累計入場者数等の情報が掲示されていたので、人気があることは分かっていた。だけどいつかはと思いながらずるずるしてしまい、結局最終日の前日になってしまった。滑り込みセーフといったところ。

15時ぐらいに現地について美術館の駐車場に止めようと入口付近へ近づくと、すぐに満車の看板が目に入った。やっぱりなと。近くの一般駐車場も同様に満車。結局歩いて10分近くかかる離れた駐車場で空きをなんとか確保。いざ館内へ入ると、想像程ではなかったけど、かなりの人混み。ひょっとして、この美術館でこれだけ混むのは初めてじゃないかと思ったりして。

いつものように、列をなしてゆっくり数珠つなぎに並んでいる客の後ろから早足で作品をチェック。ほとんどがアムステルダムにあるゴッホ美術館の所蔵品だった。だけど自分がかつて10年以上も前に現地で見て記憶に残っている作品は、自画像の数点のみ。作品は1886年から1888年までのパリ時代の作品で、いわゆるそれより後の有名な作品群と比べて地味な感じ。

印象に残った作品は「森の小路」や「セーヌ河岸」、あるいは小さな自画像や弟であるテオの肖像画等、いくつかあったのだけど、中でもぐっときたのが「アブサンのグラス( Cafe table with absinthe)」(1887年)。この頃は、いわゆるゴッホの明るい色彩と大胆な筆致とは対照的で、繊細な作品が多い。特にこの作品は、被写体とマッチして素晴らしい雰囲気を醸し出していて。

改めて認識したのが、ゴッホの画風の急速な変化。オランダ時代は別として、特に1886年あたりから亡くなった1890年までは特に。その意味では、パリ時代というのは狂乱の前の静けさといったところか。会場にはパリの地図も展示してあって、モンマルトルでゴッホの住んでいたアパートを訪ねたことを思い出した。ということで、久しぶりに絵画を楽しめたかな。