或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

Time Alone

2013-09-10 05:24:51 | 200 ジャズ
今年の夏は嫌になるくらい異常に暑い日が続いたのだけど、それを乗り越えるためには音楽しかないなということで、けっこうCDも買っていて。そのほとんどがラテン系でボサノバが中心。しかも全部が女性ヴォーカル物。通勤時、家からJRの駅まで、さらには駅から会社まで、それぞれ約15分の徒歩は、汗が滝のように噴き出るつらい時間だけど、少しは紛れたかな。

そのCDの中で、最もヘビロテになっていたのが、イリアーヌ(Eliane Elias)の「Dreamer」(2004年)。ストリングスをバックに、自己のヴォーカルとピアノソロがフィーチャーされた、イージーリスニング系ボサノバ。実は買う前にこのアルバムは知らなくて、以前に記事にした「Eliane sings Jobin」(1998年)のようなアルバムが他にはないかなと探していてたまたま見つけた。

出だしの"Call me"のアコースティック・ギターとの絡みからがすでにツボ。彼女の作品は、初期はジャズピアニストとしてのインスツルメント物が多く、その後けだるい声質が受けてヴォーカルが入り始め、近年では、その美貌もあってダイアナ・クラールと同じ売れ筋路線を歩んでいるように見えることも。だけどブラジル出身だけに、ラテンの匂いが強いのが彼女の特徴。

この作品も、全体的には売れ筋狙いと言える造りだけど、彼女の音楽性が品格を維持していて素晴らしい。それだけなら、「Bossa Nova Storyes」(2008年)とか他のアルバムでも言えるのだけど、違うのは全体を通して伝わってくる雰囲気。リラクゼーションというか、肩の力の抜け具合が全く違う。ジャケも良いですね。作品の雰囲気とマッチしていて。

それで、どの曲も秀逸なのだけど完全にノックアウトされたのが彼女のオリジナルである”Time alone”[YouTube]。 ”とろける”という言葉があるけど、まさにこの曲ためにあるって感じ。このゆったりと落ち着いた雰囲気にマッチする写真はないかなと考えて、すぐに脳裏に浮かんだがハワイ。ダイヤモンドヘッドを照らしながら海へ沈んでいく紅の夕陽は最高だったなあ。

Dreamer
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