或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

Village Vanguard Recordings

2013-02-04 06:09:16 | 200 ジャズ
昨年末頃から執りつかれたように女性ジャズヴォーカルばかり聴いていたのだけど、今年に入ってふと気になって購入したのがビル・エヴァンスのボックスアルバム。両方共にNYにある有名なジャズクラブ”Village Vanguard”のライブ。ひとつは彼のピアノトリオのひとつのピークを捕らえた演奏として有名な1961年のセッション。もうひとつは亡くなった1980年のセッション。

前者で言えば、この日の演奏として既にリリースされている名盤「Sunday at the Village Vanguard」と「Waltz for Debby」の2枚のCDはもちろん保有していて愛聴盤になっているのだけど、2枚に分かれていて、しかも同じ曲目の別テイクが連続で収録されていたりで、編集のセンスが悪いと感じていた。だから今回のような”ぶっ通し”なら、少し違った雰囲気が味わえるかなと。

いざCDが届いて聴いてみると、これが想定以上に素晴らしくて。基本的には、曲の順番が当日のプログラム通りになっただけ。だけど雰囲気が全然違う。あたかも自分が当日この店で酒を飲みながら聴いているような、そんな感じ。客の声、グラスの音、あまりの心地良さに、先週は帰宅して毎晩シングルモルトを飲みながら、バックにはこのライブ演奏を流していたかな。

ライブで言えば若い頃だけ、コンサートホールへジャズを聴きに行っていたのは。ある時期からはピッタリ止めて。ちょうどブルーノートとかライブハウスができ始めたのでよけいに。とにかく大きなステージよりも、雰囲気だけならライブハウス、さらに言えばもっと狭いジャズクラブを好むようになって。そんな良さが全面に出ているのがこのアルバム。いや、素晴らしい。

それで最晩年のセッションの方なのだけど、バックを含めて現代的な演奏になっているのがよく分かる。おそらく一般のリスナーは圧倒的に1961年の演奏を支持するのだろうけど、自分にとってはこれも捨て難くて。それにしてもつくづく思うのは、リリシズムっていう言葉は彼のピアノのためにあるんだなと。ということで、毎晩癒してもらって、なんだかとても幸せ。

Complete Village Vanguard Recordings 1961Complete Village Vanguard Recordings 1961

The Final Village Vanguard Recordings 1980The Final Village Vanguard Recordings 1980