或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

Dinner with friends

2009-02-13 06:22:20 | 350 映画
家族が外出している隙を狙って男が1人でDVDを鑑賞すると言ったら、おそらくアダルト系なんじゃないかとヘンな誤解をされそうだけど、そうではなくて。このあいだ見たのが「Dinner with friends」(2001年)。きっかけは、フュージョン系のピアニスト兼アレンジャーであるデイブ・グルーシンが音楽を担当した割と最近の作品だと知ったから。確か1年ぐらい前だったと思うけど。

その時にまずサントラ盤を購入。本来なら映画を観た後が良いのだけど、当時日本ではDVDが発売されていなかった。音楽は期待通り極上だった。彼の得意パターンのひとつであるソフトで洗練されたジャズが中心。音楽だけでも十分に納得できる内容。だからこそよけいに早く映画を見たいという欲求にかられて。DVDの新譜をTUTAYAで見つけたので即レンタル。

その時に宣伝用のコピーやネットの情報から、これは内容的にカミさんと一緒じゃまずいなと。というのも倦怠期にさしかかった2組の夫婦が主人公で、そのうちの1組の離婚を通して夫婦の愛情とは何かを考えるというのがテーマだったから。

見終えた感想だけど、自分のカンも捨てたものじゃないなと。映画の完成度は極めて高かった。脚本も演技も堅実で隙がなかったし。グルーシンの音楽の絡み方も絶妙、とくにラストで主題曲の"I'm in the mood for love"が流れてくるあたりはグッときたし。そうそう、自宅の居間で主人公の男性がしみじみとグランドピアノを弾くシーンが、アップライトしか持っていない自分には羨ましくて印象に残った。だけど問題なのは映画のテーマ。こんなのをカミさんと一緒に観たら、それこそ針のムシロ状態。

夫婦は長い年月を経ても、互いに愛し合い思いやる中で絆が深まると言いたいようで、どこかのお寺で住職から法事の後の道徳教育として聞かされたと思えば、それは別にどうってことはないのだけど、映画ではその前提として妻への献身的なセックスと完璧なまでの夫の浮気の否定が女だけの立場で語られているのがどうも。自分的には、いわゆるクーリッジ効果に対する動物としての男と女の意識の違いを単に映画化しただけの作品だと理解したけど。なーんて口が裂けても言えないか。

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