或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

続・ヒロシマ

2006-11-02 06:24:39 | 010 書籍
ブログ友達のきみ駒さんが、“たらいまわし企画第28回”を担当されていて、お題は「あなたの街が舞台となった本」。お誘いの言葉に甘えての番外エントリー。あなたの街と言えば、出身地であり今住んでいる広島。ネタ探しに図書館へ行ったら“広島コーナー”というのがあって、大半が原爆関係。やっぱり広島イコール、ヒロシマ、原爆、おまけでヤクザなのかなあ。

自分はどうも政治とか哲学、イデオロギーには無縁で、楽しくて気持ち良ければいいじゃん、という典型的なノンポリタイプ。だから好きな音楽でも、平和とか人種差別反対とか、メッセージ性が強いと、ちょっと引く。まあ両親が被爆していないから、そういう立場でいられるのかも。

勇気を出して読んでみたのが、図書館推薦?の4冊。作者とタイトルの後が時代設定。
①中編小説 長野まゆみ 「八月六日上々天気」(1995年) 昭和16年から昭和20年まで
②舞台脚本 井上ひさし 「父と暮せば」(1998年) 昭和23年
③漫画 こうの史代 「夕凪の街 桜の国」(2004年) 昭和30年
④短編小説集 田口ランディ 「被爆のマリア」(2006年) 平成17年

どれも、それなりのインパクト。時代設定、アプローチが各々違うから面白かった。②と③が原爆を内側から、①と④は外側から捕らえている。②と③は、読み手にはけっこう辛い。逆に①は、原爆投下前までを書いて、その後をあえて書いていないところが斬新。爽やかなんだけど、読後になんとも言えない哀しさがある。④はかなり異色。怖いぐらいに冷徹で醒めた感性。よほどトラウマがあるのかなあ。カミさんなんかにしたらヤバそう。まあ顔がタイプじゃないから有り得ないか。

今回だいぶ毛色の違う作品群を読んで思ったのは、伊坂幸太郎なんかを好んで読んでいる自分は、やはり“享楽的”だなあと。まあずっとこの路線で生きてきたし、この路線でいくしかしようがないことを再認識しました。

八月六日上々天気八月六日上々天気   父と暮せば父と暮せば

夕凪の街桜の国夕凪の街桜の国   被爆のマリア被爆のマリア