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或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

もし僕らのことばがウィスキーであったなら

2005-11-18 06:12:19 | 650 酒
めっきり冷え込んできましたね。夏にあれほどスプモーニとかリキュール系のカクテルを飲んでいたのに、いつのまにかウィスキーや日本酒に変わってる。夜がふけて自分の部屋で静かにジャズを聴きながら、アーモンドかピスタチオをつまんでシングルモルトウィスキーを飲む。そういう季節。

今日は村上春樹のエッセイ紀行&写真集「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」(1999年)の紹介。なんかどこかで聞いたようなコピーでしょ?誰が考えたんだろう?このタイトルだったら普通は読まないんだけど。(笑)

内容は彼と奥さんのシングルモルトウィスキーの蒸留所めぐりが中心。いわゆる聖地巡礼ってやつ。しかもスコットランドのアイラ島ってことで、アイラモルト好きの私としては見過ごせませんでした。実はAmazonで単行本の中古が150円だったこともあって。これが大きいかも。(笑)

読み終わった印象は意外に良かった。エッセイだとあのまわりくどい表現が少なくて読み易いし、奥さんが撮影した写真がいいアクセントになってる。スペースの使い方なんかもお洒落でいい感じ。これを読んでシングルモルトを飲み始める人もいるんだろうなあ。

それで読みながら飲んだのが、本の中でも紹介されていた上の写真のラフロイグ15年。前に10年物のシングルカスク、いわゆる樽出し品を紹介しましたが、この15年物はより熟成されたぶんコクがある。聴いたのがコルトレーンの初期の名盤「Soultrane」(1958年)。荒削りなところが男性的なラフロイグにピッタリ。ちょっぴり至福の時間を味わいました。

下の写真は”Scotlandview”からのアイラ島のフリー画像。建物の2枚はラフロイグの蒸留所です。


もし僕らのことばがウィスキーであったならもし僕らのことばがウィスキーであったなら

SoultraneSoultrane

ニッカ オールモルト

2005-06-15 22:29:10 | 650 酒
久しぶりにウイスキーの話です。私のウイスキー紹介で初めての国産品でニッカのオールモルト。純粋なシングルモルトではなく、ニッカ独自の製法で造られている廉価版。

なんでこの銘柄かというと、最近TVで見る度にドキっとしてしまうCMがこれ。女優の石田ゆり子が登場する、「女房酔わせてどうするつもり?」という名コピー。まったりとした映像や音楽がいい感じ。清純派のイメージが強い彼女がこんなセリフを?っていう意外性もあって、とにかく見る度になんか緊張するんです。それと「女房を酔わせる」って感覚が、あまりに現実離れしていて新鮮なのかもしれません。(笑)

石田ゆり子は、例えば合コンかなんで、みんなには人気かもしれないけど私は絶対に手を出さないタイプ。まあ知的で華奢なお嬢様系はパスって感じでしょうか。そんなイメージの彼女が、そこそこ年をとってからの今回のCM。何故かわかんないけどやられちゃいました。(笑)

調べてみると、15年前の1990年にこの銘柄が誕生したそうで、その時のCMのリバイバルとか。もうそんな前だっけ。曲は当時と同じスターダスト・レビューの「木蘭の涙」。当時の女優は中野良子だったらしい。いや懐かしいけど全く記憶にないなあ。でも彼女ならはまり役だったはず。

この銘柄は昔よく飲みました。本場のシングルモルトにハマる前に。それでしばらくするとマイナーチェンジがあって、飲んでみると味が落ちてた。これはいけないと、近所の酒屋にあった旧品のストックを2~3本まとめ買いした記憶があります。

今回ダメもとで、さらなるマイナーチェンジ?のオールモルトを買って飲んでみました。ただし写真の180mlの携帯ボトルを。結果は黙っておきましょう。だって値段が値段ですし、最近は本場の美味しいのを飲みすぎてますから。(笑)

木蘭の涙木蘭の涙

Talisker

2005-04-13 22:20:47 | 650 酒
今日紹介するのは、最近一番愛飲しているタリスカー(Talisker)10年です。私が持ってる写真のボトルは旧ラベル品で、テイストは、口に入れると最初は荒々しくスパイシーですが、フィニッシュは、きりっとしてフルーティーさもあり、全体としてまとまっていて美味しいんです。

このモルトの特徴は、水で薄めてもあまり味が変わらないことです。ですから健康を考えてストレート(モルト業界ではニートと言います。)を控えている私にはとても具合がいいですね。

このモルトはスコットランドの北の果ての、スカイ島に一つだけある蒸留所で製造されています。下の地図でみるといかに北にあるか分かりますね。(クリックすると拡大します。)この島に日本から観光に行く人はさぞかし少ないだろうなあ、なんて思いながらネットを見ると、意外にも結構いらっしゃるんですね。かくいう私も”シングルモルトおたく”の端くれなので、実は一度行ってみたいんです。(笑)

ただ写真とかを見る限りは、荒涼な風景が延々と続いてます。ですから車での移動は、眠気との戦いでかなりタフになるかもしれません。

ということで今日は荒々しさの中にも味がある、ウォルター・ビショップJr.の初リーダーアルバムで、最高傑作の誉高い「Speak Low」(1961年)を紹介しておきます。典型的なハードバップピアノですが、コルトレーンのアルバムでは録音のせいかおとなしい、ジミー・ギャリソンのベースがやけに豪快で、ピアノとうまくマッチしてます。

スピーク・ロウ+3スピーク・ロウ+3



Oban

2005-03-27 22:10:06 | 650 酒
今日紹介するのはオーバン(Oban)14年です。ハイランドモルトとしては初めての紹介ですね。

名は体を表すといいますが、このボトルのラベルは、派手さはありませんが渋くてセンスが良く気に入ってます。テイストも、ラベル同様にすっきりとした味わいで、強烈な個性はないのですが、樽の匂いがほのかに香り、バランスがいいですね。

購入したのは、確か八重洲地下街のリカーズ・ハセガワだったと思います。ここって新幹線のホームに近くて、東京からの帰りに立ち寄るのに便利ですよ。先日久しぶりに立ち寄ったのですが、良かったことがひとつ。新たに”試飲用ボトル”が置いてあって、ストレート1杯100~200円でいろんな銘柄を試飲できるんです。

この時はグレンモーレンジのシェリーウッドフィニッシュを100円で試飲しましたが、バーに行けば間違いなく1000~3000円ぐらい取られるので、超割安だと思いました。”雰囲気はイマイチだけど、豊富な種類とレア物が置いてある激安立ち飲みショットバー”といったところでしょうか。新幹線でほろ酔い気分で熟睡したい方にはピッタリです。(笑)

”渋い”つながりで、レイ・ブライアントのピアノトリオのアルバムを紹介しておきます。彼のお母さんは黒人教会のピアニストで、彼の音楽の根底にゴスペルが流れているのが聞いて分かりますね。派手さはありませんが、夜のお酒のお供にピッタリです。今年「富士通スペシャル 100 GOLD FINGERS」で来日するらしいですが、できたらコンサート会場じゃなくて狭いジャズクラブで聞きたいピアノです。

レイ・ブライアント・トリオレイ・ブライアント・トリオ

Singleton

2005-03-08 22:23:42 | 650 酒
久しぶりにシングルモルトの話です。ブログを始めた頃、これまで紹介した6本のボトルの写真しか撮ってなくて、この休みにようやくまとめ撮りしました。(笑)

今日からは中堅どころの紹介を始めたいと思いますが、そのトップバッターは写真のスペイサイドのシングルトン10年です。

実はこのモルトは現在もう製造されてません。言わば”アンティークモルト”ですね。バランスが良く、個性もあり、品の良いモルトなんですが、入手困難なので市場で価格が高騰して、今では1本1万円ぐらいしてるみたいです。

シングルトン(Singleton)って、「男なんていなくても一人で立派に生きていける女」っていう意味があるらしいです。映画でもヒットした「ブリジット・ジョーンズの日記」で主人公が使ってたとか。私も見ましたが英語力不足?で全く憶えてませんね。話は変りますが、どうもこの映画の主人公のようなガンガンくるタイプの女性って苦手なんですよね。(笑)

今日は”アンティーク”つながりで、廃盤になったかもしれない?アルバムの中から1枚紹介しておきます。

今は亡きドン・グロルニック(Don Grolnick)<1996年死去>の 「Hearts and Numbers」(1985年)です。彼はマイケル・ブレッカーのバンドのピアニストとして長い間活躍していましたが、初リーダー作品がブレッカーも参加しているこのアルバムです。

音楽はとても個性的で、独特のメロディーラインとコードワーク、そして緻密な曲の構成が特徴です。当時のニューヨークを代表する洗練された知的フュージョンという点で、彼の最高傑作だと思います。

発売された当時、馴染みのバーに行く度にリクエストしていたのを思い出します。

ブリジット・ジョーンズの日記ブリジット・ジョーンズの日記

 
Hearts and NumbersHearts and Numbers

Complete Guide to Single Malt Scotch

2005-02-21 22:18:15 | 650 酒
前回まで6種類の銘柄を紹介してきました。思い返してみるとどれもみんな個性がはっきり分かるメジャーなブランドでしたね。今後は中堅ブランドを中心に紹介していきたいと思います。

ということで今日はちょっとブレイクです。シングルモルトを飲んでみたいと思っても、最初はどの銘柄を買ったら良いのか、なかなか選ぶのが難しいですよね。そこでシングルモルトに関する書籍の定番を2冊紹介します。

最初は”シングルモルトのバイブル”と呼ばれている、米国の評論家マイケル・ジャクソン(有名な歌手とは別人です。)の「Complete Guide to Single Malt Scotch」 です。友人の米人がお土産に買ってきてくれました。洋書なんですが製本が綺麗で眺めるだけでも楽しめます。実は今回Amazonで調べてびっくり。というのも現在販売されている5th Edition(2002年版)以前の版はプレミアムがついていて、ちなみに私の持っている3rd Editionは中古で1万円以上してますね。もっと大切にします。(笑)

もう1冊は”日本版バイブル”で、土屋守の「モルトウイスキー大全」です。これからシングルモルトを勉強したい方にオススメです。

それで"本(book)"つながりで、女性ボーカルのアルバムを紹介しておきます。カーメン・マクレーの「Book of Ballads」と「Great American Songbook」の2枚です。彼女は”米国版美空ひばり”とでも言いましょうか、ジャズボーカリストの中でもテクニックはピカイチで、その金属的な声質に特徴があります。前者は若々しい張りのある声が楽しめ、後者はロスでのライブ盤で、選曲の良さと共に、リラックスした雰囲気の中に、ジョー・パスのギター等との絡みも絶妙で、歌のうまさが存分に味わえます。

Complete Guide to Single Malt ScotchComplete Guide to Single Malt Scotch

改訂版 モルトウィスキー大全改訂版 モルトウィスキー大全

ブック・オブ・バラーズブック・オブ・バラーズ

The Great American SongbookThe Great American Songbook

Lagavulin

2005-02-07 22:36:57 | 650 酒
今日は昨晩飲んだ写真のラガヴーリン16年です。

このブランドはシングルモルトを飲み始めて結構早い時期に購入しました。というのも”UDVクラシック・モルト・シリーズ”と呼ばれ、業界の最大手のUDV社が所有する蒸留所の中から選ばれた6本に入っていて、10年以上前のブームになっていない時でも、米国の免税店で簡単に手に入ったからです。

6本の中で個性の強いアイラモルトはこの1本だけだったので、私の中にその強烈な印象が刻み込まれました。色は濃色の琥珀色で、味もスモーキーでヘビーです。でもフルーティさもあり、ラフロイグほど薬品臭くなく、良いバランスだと思います。

ラガヴーリンは、シングルモルトを飲み始めるとやがてこの酒に行き着くと言われ、銘酒の中の銘酒と呼ばれています。実は私の友達の米人が昔プレゼントしてくれた、マイケル・ジャクソン(有名な歌手とは別人です。)の"Complete Guide to Single Malt Scotch"という本の中で確か最高のスコアがついていたので、「へえー、そうなんだ。」と納得した記憶があります。

今日はラガヴーリンにふさわしいジャズの名盤中の名盤を紹介しておきますね。(笑)

ジョン・コルトレーンの代表作2枚です。両方共バラード中心で、聞き易く、しかもしっとりとした中に強烈な個性があり最高です。

BalladsBallads

John Coltrane & Johnny HartmanJohn Coltrane & Johnny Hartman

Macallan

2005-01-24 22:23:54 | 650 酒
今日は月曜日なのでシングルモルトの日です。(笑)
ここ数年あまり飲んでなかったので、どの銘柄を持っているか忘れていて、それを思い出すのが楽しかったりしてます。(笑)

昨晩飲んだのは、写真のスペイサイドのマッカラン12年(43度)です。

この銘柄はサントリーが扱っているし、日本で一番有名かもしれませんね。ほとんどの利き酒コンテストで1位となって、ハロッズの「ウイスキー読本」では「シングルモルトのロールスロイス」とまで讃えられている最高峰らしいですから。

私が好きなのは華やかなシェリー酒の香りです。マッカランは、スペインでシェリー用の樽を自ら買付けて現地でわざわざシェリーの発酵に使ってもらい、その後でモルトの貯蔵に使ってるらしいんです。なんかこだわりがありますよね。

それでマッカランに似合うジャズは何かな?と考えて思い浮かんだのが小曽根真です。彼のピアノは音がとってもキレイなんです。品があって艶やかで、控えめだけど華やかです。今ピアノの音色そのものに個性を持つピアニストは少ないので、彼はとても貴重だと思います。

紹介するアルバムは、①初期(1986年)の「Spring is here」[ジャケット写真なし]、②円熟期(1997年)の「The Trio」、③最近(2001年)の「So many colors」のピアノトリオの3枚です。①はジョージ・ムラーツのベースとロイ・へインズのドラムがとっても良くて一番のお勧めなんですが在庫切れ。③はまとまりはないのですが、数曲今までにない新しい音楽性が感じられます。そういう意味では②が一番オーソドックスかもしれません。

スプリング・イズ・ヒアスプリング・イズ・ヒア

TrioTrio

SO MANY COLORSSO MANY COLORS

Laphroaig

2005-01-17 22:23:25 | 650 酒
私がシングルモルトの記事を書くのはだいたい月曜日です。それは基本的に土日にしかウイスキーを飲まないからです。

40才を過ぎて酒に弱くなったせいか、翌日に残ったり、夜中に体が火照って目を覚まし睡眠不足になることが増えました。それでそれまでは結構ストレートで飲んでいたんですが、最近は濃くても水と同量ぐらいにしてます。

昨晩飲んだのは写真のラフロイグ10年カスクストレングス(57.3度)です。

ラフロイグは10年ぐらい前にその個性的な味にハマりました。当時はレギュラーの43度品を飲んでいたんですが、その独特の薬品と海藻の臭いの虜になり、一時期これ一辺倒でした。丁度欧州出張を始めた頃に、アムステルダムのスキポール空港で見つけて以来、行く度にこればかり買って帰ったような気がします。

そんな時たまたま樽出し(カスクストレングス)品を見つけて購入したんですが、飲んだ瞬間にその個性にノックアウトされました。なんたってレギュラーの倍以上のインパクトがあるんですよ。勿論私が飲んだウイスキーの中で一番です。

もし飲んだご経験がないようでしたら、話のネタにバーかどこかで一度チャレンジされることをお勧めします。効きますよ。(笑)

そうそう、”インパクト”つながりでラフロイグにぴったりの、ジョン・コルトレーンの最高傑作じゃないかと思ってます「トランジション」を紹介しておきますね。こちらも効きますよ。(笑)

TransitionTransition

Glenlivet

2005-01-10 23:41:35 | 650 酒
昨晩遅く名古屋から広島に疲れて帰ってきましたが、ようやく落ち着き、今写真のグレンリベット12年を飲んでいます。

グレンリベットは私が確か最初飲んだシングルモルトだと記憶しています。年を取って昔の記憶がホント消滅し始めていて定かじゃないんですよね。情けない。(笑)
個人的には、独特の蜂蜜というかバニラというか、その甘い風味が好きです。

なんでも創業者ジョージ・スミスという人が、1824年にこの蒸留所をスコットランド初の政府公認蒸留所としてスタートさせたそうで、グレンリベットの歴史そのものがスコッチ・ウイスキーの歴史となっています。当時その名声にあやかろうとして多くの蒸留所が「グレンリベット」を名乗っていたことから訴訟を起こし、1880年に唯一、定冠詞「THE」を付けて「ザ・グレンリベット」と名乗る事が政府に認められたという由緒あるブランドです。

グレンリベットは値段もお手頃で風味も洗練されていて飲み易いので、入門用には最適だと思います。

それと”入門”つながりで、ジャズピアノの入門にピッタリの、ビル・エバンスのCDを紹介しておきますね。夜長にシングル・モルトを飲みながら聞くにはしっとりとして最高です。

Portrait in JazzPortrait in Jazz

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