今日は伊坂幸太郎の作品「グラスホッパー(Grasshopper)」(2004年)の紹介。いわゆる裏家業モノのミステリー。伊坂節が随所に見られるけど、彼にしてはいつになく“うんちく”が少ない。だからスラスラ話が進むんだけど、なんだかやけに普通で当たり前ぽくって真面目に書きすぎてる感じが否めない。
グラスホッパーというのは英訳すると昆虫の“バッタ”類のこと。冒頭に、「これだけ個体と個体が接近して生活する動物は珍しいね、人間というのは哺乳類じゃなくて、むしろ虫に近いな」、なんて話が出てきて、いい感じの前フリがされてます。
面白かったのは、ギャグの2連発。けっこうメインで登場する“自殺屋”の鯨と議員秘書の会話の場面。鯨の唯一の愛読書、ドフトエフスキーの「罪と罰」について、その議員秘書が、「その本って、題名を逆さに読むと、「唾と蜜」(ツバトミツ)になるんですよ」なんてね。シリアスな雰囲気を十二分に醸し出しておいてからのこのギャグ。ここで外すかよって感じ。(笑)
それとその後議員秘書がまさに自殺する直前に、「チャーリー・パーカーって好きだったんですよ、有名な曲で“ナウ・ザ・タイム”ってありますよね、いいタイトルですよね、“今がその時”って」なんてね。こんな場面で使うかよと、こちらもなかなかの決まり具合。(笑)
それまでの流れと違う雰囲気が感じられたのが物語のエピローグ。なんか妙に穏やか。広島の高層ホテルの最上階にあるレストランが出てきて。いつもは仙台が多いのに、今回はどうして広島?おそらくこのホテルはリーガロイヤル広島。なんかちょっぴり親近感が沸きました。
上の写真はそのモダンジャズの元祖チャーリー・パーカー。下のアルバムは本の中で引用された晩年の代表作「Now's the time」(1953年)。学生時代にバンド仲間からプレゼントしてもらったLPを持ってます。しかもサイン入り。今頃みんなどうしてるかなあ。
グラスホッパー
Now's the Time
グラスホッパーというのは英訳すると昆虫の“バッタ”類のこと。冒頭に、「これだけ個体と個体が接近して生活する動物は珍しいね、人間というのは哺乳類じゃなくて、むしろ虫に近いな」、なんて話が出てきて、いい感じの前フリがされてます。
面白かったのは、ギャグの2連発。けっこうメインで登場する“自殺屋”の鯨と議員秘書の会話の場面。鯨の唯一の愛読書、ドフトエフスキーの「罪と罰」について、その議員秘書が、「その本って、題名を逆さに読むと、「唾と蜜」(ツバトミツ)になるんですよ」なんてね。シリアスな雰囲気を十二分に醸し出しておいてからのこのギャグ。ここで外すかよって感じ。(笑)
それとその後議員秘書がまさに自殺する直前に、「チャーリー・パーカーって好きだったんですよ、有名な曲で“ナウ・ザ・タイム”ってありますよね、いいタイトルですよね、“今がその時”って」なんてね。こんな場面で使うかよと、こちらもなかなかの決まり具合。(笑)
それまでの流れと違う雰囲気が感じられたのが物語のエピローグ。なんか妙に穏やか。広島の高層ホテルの最上階にあるレストランが出てきて。いつもは仙台が多いのに、今回はどうして広島?おそらくこのホテルはリーガロイヤル広島。なんかちょっぴり親近感が沸きました。
上の写真はそのモダンジャズの元祖チャーリー・パーカー。下のアルバムは本の中で引用された晩年の代表作「Now's the time」(1953年)。学生時代にバンド仲間からプレゼントしてもらったLPを持ってます。しかもサイン入り。今頃みんなどうしてるかなあ。
グラスホッパー

Now's the Time
