ゴーン会長の逮捕に対して、日本では連日のように彼による新たな私的流用の件が報道され続けていますが、欧米メディアでは今回の逮捕自体が陰謀であるとか日本の司法制度自体に対する批判の記事が多いようです。私は数日前に日本の彼を批判する一方の報道ぶりに違和感を感じると書いたばかりなのですが、欧米の擁護一辺倒の報道ぶりにも違和感を感じますね。
欧米からの批判は主に2点。これぐらいの軽い刑で逮捕拘留というのはいかがなものかという点と、弁護士との接見などの裁判制度に対するもの。
ゴーン氏が最終的にどの容疑で起訴されるのかも確定していませんが、報道されている範囲でみれば重罪と言えそうなものはなさそうです。有価証券報告書への不正と言っても、その事自体でゴーン氏自身が利益を得たいうものでもなく、過去のIT企業の創業者が同じ容疑で実刑判決を受けたのとはケースが違うと思います。こういう状況下で、次々に新たな容疑で拘留延長を続けているのは確かに疑問な点もあるのでしょう。
ただ、裁判制度についての批判はいまいちピンとこない。欧米の基準から考えれば違うのかもしれないが、法を破っていない人間をでっち上げで逮捕はしていないし、拘留等についても法律に則って行われているものです。何故、彼らが疑念を持っているのかと言えば、世論でぶれる韓国や政治で動く中国など近隣諸国と一緒くたにされている蔑視があるのではないでしょうか。
日本の司法としては、外国が何を言おうが法に則って粛々と取り調べを行っていくしかない。これだけ長期の拘留を行っている以上、それなり以上の不正はあるのだろう。すべては検察の判断が出て以降の話だ。
