千曲川沸きだしそうな極暑かな
今度のPCにマウスで捲りながら読む著作権の切れたと思われる「ネット小説」のソフトがある。写真は今、静かなブームとなっている「小林多喜二」の「蟹工船」です。若い時は体制派を自負していましたので、反体制的な「蟹工船」をあえて読もうとしませんでしたが、年を重なるとともにこんな社会小説も良いかなと思うこの頃です。読み始めですが読破して機会がありましたら感想をブログにしたいと思っています。
叶ふなら掴んでみたゐ鴨の雛
早朝、千曲川支流の一級河川皿川の川沿いを歩いておりますと、孵ったばかりと思われる小さな可愛い鴨の子4匹が親鴨にぴったり離れずにあた辺りを警戒するように泳いでいた。通し鴨(残り鴨)の一家だろう。その時はカメラを持ち合わせなかった。以来、毎朝この鴨親子追っかけているのですがなかなか会わずにいた。10日ほどたった今朝、やっと待望の親子鴨に会えた。赤ちゃん鴨は少し成長したのかお母さん鴨から離れて行動をとっていた。親鴨は絶えず赤ちゃん鴨を心配そうに「遠くの危険なところへ行ってはいけないよ」注意を促すように鳴いていた。鴨親子の愛情が伝わってきて暖かい気持ちとなる。
みちびくやその眼差しの夕焼けて
何時も歩く街はずれに「英岩寺」という古刹がある。この寺は川中島合戦の折、この地で没した上杉方の武将「鬼小島弥太郎」の墓がある。墓地にある「飯塚家」の墓の横に写真の「筆を擱く鐘遠くより夕焼けり」と達筆で刻まれた句碑が目にとまった。碑の裏を覗くと、私が中学時代に習字を教わった「飯塚将先生」の碑であった。文面を読むと先生は書道家であり俳人、歌人でもあった。先生は東京芸大に内地留学され、書道界に大きな実績を残したと記してある。知らぬほど無責任なことはない。先生は私どもと同じ町内にお住んでおられた。碑にも書かれていますが「真実精励、純情多感」に芸術に生きて56歳の若さで亡くなられた。碑の最後に「門弟等一同」と記してあった。合掌
今朝こそは負けずに目ざめ夏つばめ
私のような写真と俳句のブログが今「フォト俳句」としてブームになっているようだ。以前NHKのテレビでもとりあげていた。信毎新聞にも俳人「坊城俊樹」さんの句評が付いた「フォトx俳句」がシリーズとなっています。写真は今朝の新聞の「フォトx俳句」で右下の須坂市の東島賀代子さんの掲句「窓越しに挨拶交わす初夏の朝」に坊城俊樹さんの句評が次のように乗っていた。
窓越しの挨拶となるとふつうは人と人との挨拶を思う。この場合は窓を開けてみたら、電線にとまっている燕にふと遭遇した。あたかもそれが初夏の早朝の挨拶と思えたのだろう。燕がぷいと横を向いているのもかわいいとあった。飾り気のない素直な句だと思う。
露天風呂梅雨の香りと川の風
緑陰の丸い背中に湯のけむり
久しぶりに湯滝温泉へ出かけた。夏は野天風呂が一番、ゆったりと流れる千曲川の冷やかな風はあたたまった身体に最高の天地。脱衣室で挨拶を交わした中年の方に何処からですかと聞いてみると豊橋からだと言う。どうもオートバイのツーリングで、昨夜は野麦峠付近の湖畔でのテント泊まりだったようだ。雨に打たれて眠れない夜を過ごしたという。「いいですね楽しいことが出来て」と言うと、彼は失業中だという、8日間の計画の旅で、帰ったら新規一転仕事探しですよと明るく答えていた。何か特殊なスキルがあるようで心配なさそうな口ぶりだった。
雨に濡れその身を清む提灯花
このところ血圧が下がり気味で、夕方のなると90/50位になる。少しふらつき気味になるので、心配になり急遽主治医に診てもらうことにした。覚悟していましたが、四時間近い待ち時間となった。主治医は「心配はないですよ、このくらいの血圧はかえって動脈硬化進めないで良いですよ」の診断に安堵感が漂う。時間が取れずに、ブログの話題さがしに新聞の「建設欄」を除いていますと「読書や散歩して梅雨をたのしみたい」という題で長野市の御婦人の投稿が目に留まった。雨の音を聞きながら本を読んだり、友人に手紙を書いたりするのも何となく心が落ち着いて雨の日が好きだと言う。また雨の日の散歩は「アジサイ」や「ホタルブクロ」のなどの花の色が一層映えて楽しいものだとあった。歳時記では蛍袋の花は「提灯花」とも言う。
咲ききつて散るにまかせる立葵
先日、戸狩温泉の戸狩セピアホールにて「花結2009」と題していろいろなイベントが開催していた。会場の手前に、少し盛りが過ぎたと思う立葵の群生に出会う。会場に「飯山有機の里研究会」が「モミガラ」を利用して信大の教授と共同開発したバイオ有機肥料で収穫したキュウリと玉葱を販売していた。早速キュウリを買ってその場で丸かじりして見る。その甘さに驚いた。スタッフの中に知人がいたので無理を言って、モミガラの有機肥料を分けて頂いた。化学肥料から確実に有機肥料への移行の時代を感じ取った。
郷の朝打つ鐘の音や涼しけり
梅雨の最中とはいへ日中は暑い日が続く、そんなため、ウォーキングを朝に切り替えて10日位になる。何時も寺町通りの中途にさしかる六時になると音色が微妙に違いう鐘楼の音が三ヶ所から聞こえて来る。県の史跡「正受庵」の鐘と「大聖寺」さんの鐘が分かるが、。もう一つの鐘の音が何処のお寺か分からずにいる。鐘の音を耳に、清々しい朝の空気を吸ってのウォーキングに、この街に生活することに、喜びと感謝の気持ちが湧く日々である。