やさしさや寓話のごとし鴨の礼
何時も送っていただき感謝に堪えない「みちくさ新聞」の斎藤さんからのハガキに感動の投稿記事を載せていただきました。
「定年後に農業をしている。稲の伸び方から。6月だったと思う。田の畔草を朝刈っていたら、目の前から大きなカモが舞い立ち、2,3メートル先にふわっと降りた。びっくりして足元を見ると、草の中に巣があり、鴨の卵大の卵が数個並んでいる。飛び立ったのは母鳥で、私が近づくのをじっと我慢して卵を守っていたに違いない。私は「ご免、ご免」と母ガモに声をかけ、静かに家に戻った。家内にも近づかないよう注意した。ひと月たった早朝、庭を見回り、、玄関に戻ると、1羽の鳥が立っている。静かに2、3メートルまで近づくと、目と目が合った。やがて鳥はゆっくりと羽を広げて飛び立っていった。私は気づいた。ふっくらした体と羽の縦縞から、例の母のガモに違いない。」あの時はありがとう。もう草を刈ってもいいよ」と伝えに来たのだ。その足で田に向かうと、巣は空だった。人生70余年こんな体験は後にも先にもない。」(朝日新聞2006年7月1日)
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