無言館泥濘にジャングルに死せり (けさの一句より)金子兜太
卯の花腐し志擱く無言館
夏の日や悔しい一語無言館
平成九年に開館して間もない時期に「無言館」を訪ねた。上田市のまわりを山々に囲まれた塩田平と呼ばれる田園地帯の丘陵地の頂に、浅間山を背景にして、先の太平洋戦争で志半ばで戦地に散った画学生30余名、300余点の遺作、遺品が展示されている。
信濃デッサン館の館主窪島誠一郎(作家水上勉の長男)が、美術学校の仲間を戦争で失った画家野見山暁治さんとともに日本各地の戦没画学生のご遺族のもとを、敗戦後50年を迎えた平成7年5月から2年間探し訪ね遺作を蒐(あつ)めたという。 信濃デッサン館の分館として、平成9年5月2日に開館する。「けさの一句」は有名な「金子兜太」さんの句ですが、この句に季語がないことに気が付く「泥濘」でいねい(ぬかるみ)は季語かと思い調べると、私の歳時記には載っていない。ジャングルは季語でもなさそうだ。もっと詳しいく書かれた歳時記にあるのかも知れない。解説の「村上護」さんは「死に場所は「ぬかるみ」や「ジヤングル」というのは悲惨の極みを象徴する。その心根をずばりと吐いた力強い一句だと称賛している。
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