街騒の始まる前の秋の朝
街騒と書いて「まちざい」と読む俳句特有の言葉である。
はじめは読み方が分からず、「がいそう」などと読んで見たが、何とも俗っぽくて俳句らしい品位に欠けるような気がしていた。
街騒はその名の通り街中の雑踏(車の音、道路工事の音、行交う人の足音などを思わせる言葉で、どちらかと言えば人為的な言葉だ。従って早朝の散歩で撮った「街騒」の始まる前の静かな朝を「秋の朝」と詠った。だが、私の持っている「俳句用語辞典」にはこの街騒という用語はない。多分「街の騒めき」をつめて作った造語ではないかと勝手に解釈した。以前どなたかの句集に「街騒」の句があったような気がしている。早速ネットで調べると「街騒を遠音に端居心かな」(野田ゆたか)さんの句や「町騒に遠き寺苑の仏桑花」(松本可南)さんの句などあった。「仏桑花」はハイビスカスの別称で夏、鮮やかな紅白や白色の木槿に似た花をつける夏の季語である。
ハイビスカスを挿さむか君の黒髪に
ハイビスカス(ネットから)