完熟はまだまだ先や夏葡萄
味覚とき道草中の夏葡萄
二年前のY君の葡萄園
一昨年と記憶しているが、学校時代同じ釜の飯を食った運動部の仲間で、中野市竹原のY君の葡萄園に友人三人で、彼が丹精込めた、粒の大きな種無し葡萄で、このところ急に人気が出ている、「ジャイアントマスカット」と「しなのパープル」を試食させてもらった。新品種とあって、いままでにないほどの、大粒で香りよく甘い葡萄は初めてでしたので、三人で顔を見合わせるほど美味しかった。その甘さも「巨峰」と違ってしつこくなくサラットした甘さだった。ふいに、思い出したように、彼のところへ電話すると、彼は咄嗟に「ハセぼけたのかと」と言い、葡萄の最盛期は七月の中ごろから始まると笑われた。それを耳にした私は本当にぼけてのではないかと一瞬戸惑った。完全に収穫時期を間違えたのだった。そこで私は「そうだったっけ」と言い、間違いに気がついた。彼はつかさず、ハセ仕事から離れて気楽になるとぼけてしまうぞ気をつけろと叱咤されてしまった。彼は「りんご園」を潰し、葡萄専用農家に転じ、一時は、この竹原地方で有名となった「巨峰」を造っていましたが、巨峰から将来性に掛けて「シャイアントマスカット」と「しなのパープル」に勇気を持って転換したようだ。こんな思い切ったことも、後継者の息子さん御夫婦が協力してくださるからだと思った。今、農家の担い手不足で、農業の衰退が心配の時代であるが、この中野市の竹原地方の葡萄農家では将来性があるのか、多くの農家に後継者が居ると聞いている。彼に営農の景気はどうだと聞くと、彼は転換転換で借金だらけだと笑ったので、私は、借金できることは将来が明るいからだよ、お互いに年だから、身体に気をつけろと自分の身を勘案して忠告しておいた。
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ジャイアントマスカット シナノパープル