サイレント・リボリュションが始まっているのだろうか
この言葉は新しい考え方や概念を言い表しているものではない。すでに40数年前
に耳にした言葉である。the greening of america(日本語
訳、緑色革命、著者チャールズ・A・ライク)の中ですでに使用されている。
アメリカ創生から始まって少なくともニューデール政策までの時期の人々の意識構造
を意識1として、それ以後ベトナム戦争くらいまでを意識2とし、それ以後の若者の
意識構造を意識3と分析した新革命論ということになっている。
40年前に出版されているので意識4の世代が生まれてきていると考えるほうが合理的である。
新聞やニュースで報道されている若者の何とか離れという現象である。車離れ、酒
離れ、活字離れ、タバコ離れ、恋愛離れ等々である。そして、それらの現象は世界不
況も大変だが、いろんな業界が頭を痛めているようである。実に団塊の世代以上の青
春そのものであった価値基準であったはずである。パラダイム(領域、括り)がさま
ざまな分野でシフトしているのだろう。若者たちの意識調査をすれば、彼らのうちの
3人に1人はお酒を飲まないらしい。異性との付き合いも3割近くが「面倒、わずら
わしい。」ということらしい。(参考文献、中日新聞、中日春秋、21-1-17)
まさに物質文明や社会の根幹にかかわる事柄である。緑色革命の意識3の意識構造の中でさえこのような若者の行動原理について触れている。ましてもう一世代進んでしまっている。ライクの言葉を借りれば「マルクスやマルクーゼの教義によらない革命が起こっている。武装蜂起を前提としないサイレント・リボリュションということになる。」と指摘していたようだ。
現代風に表現すればエントロピーを高めない生活スタイルといえるのかもしれない。命を燃やし取り組むべき課題が少なくなったのか、見つけ出せなくなってきているのかもしれない。「物質文明が必ずしも幸福にいたる道ではなかった。」と肌で感じ始めているのだろうか。成熟社会の内部に潜む意識構造といえるだろう。(参考文献、来るべき成熟社会の構造)ひょっとすると、彼らの生活スタイルのほうが未来を先取りしているのかもしれない。(参考文献、宇宙船地球号の経済学)
グリーニング オブ アメリカを手にとって読んでいただきたいが、絶版になっているかもしれない。出版社が再版で出していただければありがたいのだが、・・・・・。
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