現代版徒然草素描

勝手気ままに感じたままを綴ってみましょう。

グレッシャムの法則

2009-07-06 09:43:29 | その拡大解釈

グレッシャムの法則は貨幣経済ばかりに通用する法則ではない。人間はなるべくなら苦労しなくて多くの身入りを求めるものである。バブルと言う現象もまたこの心理が働いているものと思われる。乗り降りのタイミングが要求されるだろう。乗り方と下り方を間違えれば大きな損失を抱え込むことになる。

おおよそ、経済においては、投下資本利益率、いわゆる、資本効率が優先されるのだろう。少ない資本で大きな利益を得るに越したことはない(利潤極大の法則と言う。)。こんなことが不正や、産地偽装の背景になっている。そんな反省からさまざまな法的規制を掛けなければならなくなってきていることになる。

商品においても同じような現象がおきる。まして、不景気ならばなおさらである。安い商品に目が向いてしまうのだろう。いた仕方ないとは思えるけれど技術の伝承や職人たちの育成はままならなくなって来るだろう。(少年老いやすく、学なりがたし)の技術版になる。学のところを技術、職人と入れ替えてみていただきたいのです。私にしても、試作品を作るだけでも多くの予算や時間が要ることになる。工夫しながら少ない予算で何とかしているけれど、・・・・。

今治タオルはタオル本来の機能を追及することで(吸水性と肌触り)ブランド化に成功しているらしい。安い中国製に太刀打ちできることになる。

情報の世界でも起こりうる可能性がある。極、平均的な生活を営む上では高度な情報は必ずしも要らないことになる。苦労してまで、最先端の情報をチェックする必要は無い。(何年か前に、一寸難しい原稿を出版社に応募したことがある。「内容が一般向けじゃない。」とアドバイスされました。愛だの、恋だの、不倫だの、犯罪をテーマにした人間くさいものや推理小説のほうが受けがよいということである。彼らにしてもセールスするのも楽なのかもしれない。)(ヒットラーのあの言葉がよみがえってこないでもない。)

政治の世界でも大衆迎合した方が選挙のとき票が集まりやすいだろう。国の在りようと目指すべき方向を示すことが求められているけれど、・・・・。名の売れた人たちを立候補させたりしている。(くれぐれも勘違いしないで欲しい。彼らが全部駄目だとは言っていない。)ポピリズムと言われているようだ。

注 グレッシャムの法則「悪貨は良貨を駆逐する。」に代表される貨幣経済の法則である。