現代版徒然草素描

勝手気ままに感じたままを綴ってみましょう。

知識と知恵の関係

2009-06-10 17:17:18 | 本と雑誌

 最近、私の言っていることを代弁してくれそうな本が出版されたので紹介しおきましょう。題名は【健康力・戦国武将たちに学ぶ】という題で,医学ジャーナリストの植田美津江さんが書いたものである。読んでいないが、およそ見当がつく、知り合いやメーカーの営業に何十年も前から言い続けてきたことである。【万全の体調で望まなければ戦には勝てなかったのだ。】早寝、早起きを家訓にしたり、禁酒をしたり、食生活に気をつけたりしたものと現代の風潮を比較しているのではないかと考えられる。

武将たちの健康法は昔から守られてきたこと言われてきたことであり【知恵】の大切さを改めて感じ取ってもらいたいといっている。情報だけが先走ってしまいがちな現代と比較すれば、知識だけで頭でっかちになっている現代と比較すれば、彼らは日々其れを実践し、経験でろ過が済んでいるのだから知恵の領域まで高められているのである。自分に合っていなければどこかで違ったものに切り替えているだろう。情報は体系化されなければ知識にはなりえない。知識は経験等で濾過されなければ知恵にはなりえないということである。事実の因果律が知識であり、価値の因果律が知恵であるという図式が成立すればその間を繋ぐのは経験及び実験というもので橋渡しをしなければならないことになりはしないのか。

【彼らは明日命を奪われるかもしれないからこそ自分の健康には人一倍気を使ってきたのだ。現代人が自分の健康を専門家やメディアに任せてしまっていることに対して警告の書である。】もっといえば、おそらく、第二次世界大戦までの軍人の食べてきたものを調べれば多くの健康的な素材が理解できるはずであるが、日本の大戦はちょっと当てにならない所もある。兵站線を無視して展開したということも考えられるのだ。

それでもさまざまなものが利用され工夫されていたのである。乳酸菌生成物質は食中毒の防止、傷の化膿防止に中国戦線で利用された経過がある。ヤギの牛乳を発酵させてものはインパールにおいて、航空母艦の爆撃機のパイロットたちの疲労回復にタウリンが【当時の爆撃機は爆弾を投下するにせよ、魚雷を撃つにせよ急降下して攻撃をしなければならなかった。その際にGが懸かるので非常に疲れる。】ドイツ空軍は高空でのおなら防止に日本の納豆を等々である。

いずれにしても、もっと古い時代から少なくとも中央であろうが、地方であろうが、日本であろうが、外国であろうが、権力の中枢にいた人たちの食べてきたものを調査すればさまざまな知恵が隠されている。アレキサンダー大王は【ニンニク他】、クレオパトラは【真珠を酢につけて】、楊貴妃は【ライチ、ビタミンC、三種類の薬用酒、桂花陳酒、楊貴妃は冷え性を持っていたらしい。白色美人という説もある。】、小野小町は【鴨肉のコラーゲン】インカ帝国は【アンデス人参、マカ、キヌア】、ドイツ帝国【ジャガイモ他】は何を食材として、戦いの中でどんな食品を選び利用してきたのか。

最近、韓国のテレビドラマ【チャングムの誓い】の中にもたくさんの食材が利用されているだけでなく、その理由もまたシナリオの中に含まれているので参考になる。何よりも知恵という段階に到達しているものであるといえる。

 注 兵站線 軍事作戦上物資などの供給可能な範囲までは兵力展開可能であるとする。支援部隊の能力のことをさしている。

   【参考文献、食材力 林輝明監修 河出書房新社刊】

   【参考文献、健康力・戦国武将に学ぶ】

   【参考文献、チャングムの誓い 総合テレビで放送されていた内容。】