北海道美術ネット別館

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■東川フォトフェスタ ストリートギャラリー (8月2日で終了)

2009年08月11日 21時21分21秒 | 展覧会の紹介-写真
 「東川に来ています」
のエントリ
にも書きましたが、今までコンパネだった展示装置がことしからぐっとグレードアップしました。

 とても見ばえがします。

 最優秀賞にはNikonのカメラが贈られるなど賞も豪華なので、チャレンジする価値はじゅうぶんあると思います。


           

 新型パネルを使っていない人もいました。上の画像は山岸せいじさん「夜の太陽」。
 デジタルカメラで撮った空などの画像を細長くトリミングして配置しています。


           

 置田貴代美さん「見てきた風景」。
 故郷の空知管内浜頓別町で撮ったカラー写真ですが、左のパネルの8枚が北海道らしい大自然の風景で、右のパネルの8枚が町内の市街地でシャッターを切った写真。
 この右の8枚がいいんですよ。まるで、ウィリアム・エグルストンみたいで。
 エグルストンの写真でいうと、うち捨てられた米国西部のドライブインとか、ほこりっぽい新開地の街並みが印象的です。カラフルな石油タンク、人気のない公営住宅など、北海道の人口の少ない地にありがちな光景は、どこか米国の地方に共通するものがあります。
 それは、「いかにも」な廃墟でもなければ、郷愁を誘うモノクロ写真でもない。わたしたち北海道民の、伝統から切断された生活のすぐ先にある、ものさびしい光景と言えるでしょう。それらが、自然と対比されることで、「北海道のリアル」があぶり出されているのです。


 吉里演子さん「そこにいて」(モノクロ15枚)と谷川奈緒さん「新世界」(同16枚)。
 あまり性急な単純化は避けなくてはなりませんが、濃密な人の気配は、やっぱり関西だよなーと思ってしまいます。
 北海道の若手が、人間とのコミュニケーションを避けるかのように、だれもいない光景のスナップを撮るのとは対称的に、関西からは、人間の体温が感じられる写真が出品されているのでした。

 文化センター内のインデペンデント展と、双方に出品している人も多かったです。
 そのうちのひとり、臼田健二さんは、野草などが持つ濃厚な生命の気配を、ややアンダー気味のモノクロプリントで引き出していました。


2008年


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