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北海道美術ネット別館

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■芸術団Jam. 29 (2018年8月2~7日、札幌)

2018年08月06日 22時18分00秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 道教大を卒業した同期生のグループ展。毎年開かれている美術展としては、道内屈指の長寿となりました。
 当初はもっと大勢の出品者がいましたが、この十数年は、加藤裕一、木村真哉、宮崎亨、八子晋嗣の4氏に顔ぶれが固まっています。


 人間の情念をえぐり出すような絵や、醜悪さを暴き出すような絵を描き、見る人に強い印象を与える宮崎さん。
 仕事が忙しく、今回は大きな絵画は出品していません。
 ドローイング23点が1列にならび、その下にはさまざまな短い文が、戦前のような古いフォントで記されています。

 左端は「MADE IN OCCUPIED JAPAN」。
 「メイド・イン・ジャパン」といえば輸出品に記されますが、戦後GHQの統治下にあった時代は「OCCUPIED」の語が付け加えられました。
 宮崎さんは、はっきりと明言はしませんが、占領が終わって60年以上たついまも日本は米国の精神的な占領下にあるのではないかーという疑念や批判をこめているのだと思います。 



 加藤さんの立体「続・成長するカタチ」。
 紙粘土という素材の特質上、これだけ穴のあいたかたちを一気に作り上げると、自重で崩壊することは確実です。
 少しずつ粘土を継ぎ足していくことで、複雑な形状ができあがりました。
 白い珊瑚のようにも見えます。




 木村さんは「風座の構成」「躍肢ー青き陽炎」の絵画2点。
 輪郭線を強調したシンプルな構図の女性像ですが、背景などはよく重ね塗りがされ、画面が単調に陥ることを避けています。
 

 
 八子さんはユニークな木彫を作ります。
 「カミシバイズム」展では、複数の声色を使い分けて、見事な紙芝居の実演を披露します。

 今回も、楽器の役目も果たしたり(「宙に満ちる音」)、シフトをひねると取り付けられた貝殻がぐるぐるまわったりする作品が出品されています(「宙と海の記憶)。「だからなんなんだ」という言葉が口から出かかりますが、まあ、そんなことはどうでもいいのです。楽しいんだから、オッケーです。
 「宙に満ちる音」は、音叉をたたくと澄んだ音がする仕組みですが、意外と音が小さいです。しかし、八子さんなので、こういうつめの甘いところも、かえって魅力だったりします。

 小品の「世界を足蹴にする男」などは、小さな人物像が精巧に作られていてすごいな~と思うのですが、宮崎さんによると、じつはトロフィーから取り外してきたものだそうです。


 なお「芸術団Jam.」は来年、30回目の節目を迎えます。
 記念展を計画しているそうで、いまから楽しみです。


2018年8月2日(木)~7日(火)午前10時~午後7時
アートスペース201(札幌市中央区南2西1 山口中央ビル6階)

芸術団Jam.19 (2008年)
芸術団Jam. 14 (2003、画像なし)
芸術団Jam.13 (2002、画像なし)
芸術団Jam.(2001、画像なし)


New Point vol.7 (2010年)※宮崎さんと八子さん出品


□宮崎亨 情念の芸術(ツイッター) @odoroking

第44回 北海道教職員美術展(2014、画像なし)
宮崎亨展「なぜ生きる」 (2012)
自由美術北海道グループ展(2008年)
新道展企画 第52回展受賞者展(2007年)
自由美術/北海道グループ展(2007年)
New Point Vol.4(2007年)
宮崎亨展(2003年)


中村哲泰おやこ展 八子晋嗣 中村修一 八子直子 (2009)
第36回札幌市小学校教員展(2006年、画像なし)
八子晋嗣立体彫刻展(2004年)
New Point (2004)
お正月展 (2002、八子さんの画像なし)





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