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北海道美術ネット別館

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■橋本つぐみ写真展「幸福を選む」 (2018年8月2~7日、札幌)

2018年08月06日 16時49分08秒 | 展覧会の紹介-写真
 札幌圏の大学写真部で活動していても、卒業後も写真を続けていく人は決して多くない。正確にいえば、1990年代から21世紀初頭にかけてはいたが、デジタル化が進んだこの10年ほどは少なくなってしまったという印象がある。
 藤女子大写真部はモノクロフィルムでスナップを撮るという、札幌圏でも独自のスタンスで活動している。近年は、卒業後も継続して撮影していた人は減っていると思うが、このたび、橋本つぐみさんが卒業後3年にして、初の個展を開いた。

 会場を見渡してまず感じるのは
「学生時代と作風がほとんど変わっていない」
ということ。
 入り口から向かって左側と正面がモノクロ、右手がカラー。
 冒頭画像のカラー16枚は「また似た誰かを僕は探している」という表題がまとめてつけられている。

 小樽・銭函地区で撮った何気ない路地や波打ち際。
 歩道橋。
 ピンぼけの満月…。
 いまどきの「女の子写真」と違って露出がアンダーめの写真も多い。
「どうしても、モノクロのときのくせで、暗い方に合わせてしまうんです」

 どれも人の姿はなく、孤独でひりひりした心象風景となっている。

 ちなみにタイトルは、女性グループ「さよならポニーテール」の歌詞からとられているとのこと。


 モノクロは「忘れてしまって」(4点)、「夢の中で誰かを探して」(3点)、「かたむすび」(2点)など計24枚。
 こちらも、夜の街角などのスナップが中心。
 作業は大学写真部の部室を日曜日に借りて行った。

 目を引いたのが「神様のこども」(2点)。
 光あふれるなか、人々が海水浴を楽しんでいる1枚。
 ぼんやりとした光の調子はフィルターをかけたためかと思いきや、HOLGA(トイカメラの一種)で撮ったそうだ。
 ほかにもHOLGAを用いたモノクロ写真は何枚かあるが、これがいちばん雰囲気が出ていた。


 ちなみに「選む」は「選ぶ」と同じ意味。橋本さんがいろいろなことをメモしているメモ帳にあったことばで、どこから書き写したかは覚えていないという。
 日常に起きるささやかな感情の振幅をフィルムに残す、藤女子大写真部らしい姿勢があらわれたタイトルだと思った。


2018年8月2日(木)~7日(火)午前10時~午後7時(最終日~午後6時)
アートスペース201(札幌市中央区南2西1 山口中央ビル6階)


□「幸福を選む」ツイッターアカウント @Koufukuwo_eramu

reply 竹中春奈 橋本つぐみ二人展 (2015)





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