(承前)
毎年5月中・下旬になると、美しいピンク色の花が斜面を覆い尽くす観光名所「芝ざくら滝上公園」の一角に、札幌出身の有名な彫刻家、本郷新の手になる胸像が立っていることは、あまり知られていないのではないでしょうか。
裏面に、略歴が刻まれています。
戦後の文章なので読みづらくて解釈に悩むところはありません。
彰 徳
翁は明治四十一年弱冠十九才にして高知県より
本 . . . 本文を読む
(承前)
滝上町は「童話村構想」を掲げてまちづくりをしており、公共施設にもメルヘン調の建物があります。
そのせいか、橋の四隅にも、こんな彫刻がありました。
グリム童話に出てきそうな男女の全身像で、この手のものとしては大きく、50センチぐらいはありそうです。
4カ所とも同じもののようです。
橋の両方向のたもとや、公園の入り口などには、人物や動物の小さな彫像が取り付けられていることが . . . 本文を読む
先に述べたように、2021年7月末にオホーツク管内滝上町を訪れ、野外彫刻を探してきました。
今回、新たに何点かを確認してきましたので、紹介します。
まず、滝上町市街の中では西寄り、国保病院の正面に立っている碑です。
肖像レリーフがはめられているので、野外彫刻のなかにかぞえられると思います。
翁は明治四十四年栃木県より
村医として来住開拓医療に従事する
と共に村会議員に推され 分村 . . . 本文を読む
7月31日、西興部村と滝上町に行った際、途中で立ち寄った興部町の興部公園で、モニュメントを見てきたので、ここで紹介します。
興部公園は、マチの中心部から橋を渡ってすぐ右手にあります。
右側に、斜め上に上っていく道があるのでそれに入り、すぐに、右手に入る脇道を上っていくと、左手に興部神社、右手に駐車場や公衆便所が見えてきます。
「蒼穹」は、駐車場から、緑の丘をぶらぶら歩いていくと、ほど . . . 本文を読む
(承前)
筆者が足を向けたのは、中央橋を渡ってすぐのところにある「エコーセンター2000」内の市立図書館です。
「作者・題不詳 (網走市豊栄)を見て、彫刻とアートの永遠性について考えた―寒い連休(4)」の謎を解く資料がないかと考えたのですが、すぐに、豊栄中学校の閉校記念誌が見つかりました。
最後の校長となった本堂茂雄氏が巻頭に寄稿した「豊栄中学校の閉校にあたって」という一文には、次のよ . . . 本文を読む
(承前)
「2021年6月24日は2カ所」シリーズの6回目にして最後です。
「釧路の野外彫刻(44)」の続きでもあります。
前田正名(1850~1921)についてネット検索すると、「コトバンク」には各種辞典の引用がたくさん出てきます。
それらはいずれも、明治初期のフランス留学や、帰国後に農商務省の幹部として産業振興に活躍したことが記述の中心をなしています。
しかし、阿寒湖畔に設立し . . . 本文を読む
(承前)
旭川の木彫作家、藤井忠行さんが、北見市温根湯温泉の「温泉ゆめ広場」に2011年に設置したもう1点の大作は「どまーに」です。
2本の太い柱と、両者をつなぐ横板からなる巨大なゲートと、斜めに地面に突き刺さる10個の小片(といっても相当大きい)からなる作品。
こちらも、古い幹が圧倒的な存在感を放っていますが、周囲に配された10個が、作者によって子どもに見立てられてい . . . 本文を読む
(承前)
本町4丁目の停留所から温根湯方面行きのバスに乗りました。
所要およそ1時間。
北見市の真ん中あたりから、西の端っこまで、おおむね国道39号をまっすぐに走る路線です。
「西の端っこ」といいましたが、温根湯温泉のさらに西側に、塩別しおべつや大和といった地区があり、さらに石北峠までが北見市の市域なのです。
かつては温根湯から「厚和こう わ 」行きのバス路線がありましたが、いまは走 . . . 本文を読む
(承前)
北見市北光の北光八幡神社境内にあるもう一つの碑のレリーフです。
こちらは、北見ブックレット第13号「北見の彫刻・彫像MAP」によると、作者が「門田修充」となっており、次のように書かれています。
門田は、1945年(昭和20年)高知県本山町生まれ。大阪芸術大学卒、同講師。
高知県展立体作品部門審査員で県展功労者。国内外の美術展に多数出品している。
澤本は、北光社の2代目社長 . . . 本文を読む
(承前)
北見市北光の北光八幡神社の境内にある碑のうち、二つにレリーフがついているので、見に来ました。
冒頭の画像、左側の塔は、盆踊り用のものではないかという気もしますが。
まず、坂本直寛です。
左手の碑です。
名は「なおひろ」ですが「ちょっかん」と呼ぶ人も多いようです。
「北海道大百科事典」から引きます。
1853(嘉永6)~1911(明示44)年 牧師。土佐(高知県)出 . . . 本文を読む
(承前。画像は関係ありません)
ところで、北光社でバスを降りて、北光八幡神社境内の碑(レリーフ付き)を紹介する前に、短い記事を挟んでおきます。
バスの車窓をぼんやりと眺めていたとき、上常呂小学校の校庭に、白い野外彫刻があるのが見えたのです。
あまりにとっさのことで、写真を撮ることもできませんでした。
といって、ここでバスを降りて、1本後のバスにまた乗って旅を続けることは、すぐに . . . 本文を読む
(承前)
置戸町中央公民館の壁にかかった作品の最後として、オホーツク管内美幌町の画家、安田完さんの100号ほどありそうな油絵を紹介しておきます。
安田完さんは、春陽展、道展、オホーツク美術展の会員です。
荒縄やむしろでぐるぐる巻きにされた人物を描いた作品と、やや戯画的な筆遣いで聖書の場面に題材を得た作品の2系列があり、いずれにしても、人間の根源を問うような実存的な厳しさが伝わってくるの . . . 本文を読む
(承前)
オホーツク管内置戸町は、訓子府町の西側、常呂川をさらにさかのぼったところにある山あいのマチです。
訓子府から置戸までは路線バスでも18分と、北海道にしては近いです。
実は筆者は、置戸町内に点在するパブリックアート・野外彫刻については、ほぼコンプリートしています(それらへのリンクは、つぎの記事を参照してください)。
にもかかわらず、足を伸ばしたのは、同町在住の松井淳紀さんから . . . 本文を読む
(承前)
ちょっと順番が前後しますが、道道50号北見置戸線と道道335号訓子府停車場線の交叉点にある「ポケットパーク」を紹介しておきます。
2枚目の画像でいうと、手前が道道50号北見置戸線、奥を左右に走っているのが道道335号訓子府停車場線で、右に行くと旧訓子府駅になります。
メインストリートと駅前通の十字路にあるこの広場は、ユニークな形の塔(時計と温度計つき)がそびえ、地面には水が流 . . . 本文を読む
(承前)
訓子府町レクリエーション公園の続きです。
同町が武蔵野美大とのコラボで取り組んでいる「くんねっぷアートタウン・プロジェクト」の一環。
同大の若手教員松尾ほなみさんが訓子府に滞在して制作したのは、前項の李旭・細井えみかコンビの前年、2018年です。
農機具よりも前の時代、北海道の農家には欠かせない存在だった農耕馬がテーマの、わかりやすい石彫です。
ドサンコなので、サ . . . 本文を読む