(承前)
釧路の幣舞橋を渡り、出世坂を上ったところにあるぬさまい公園(幣舞公園)です。
ここは、公園の中よりも、公園の斜面に設置された巨大な花時計のほうが有名だと思われます。
同公園にある中野五一「松浦武四郎蝦夷地探検隊」と、中江紀洋「地殻交信機」についてはすでに2008年、紹介済みです。
ほかにも、原田康子文学碑があり、この記事で紹介する立体物があります。
一つめは「花を持つ天 . . . 本文を読む
(4はこちら。承前)
道立釧路芸術館で羽生輝展を見た後「遠軽→北見→釧路。2021年10月9日は3カ所(2)」で書いた通り、ちょっと寄り道して、飲食店街の仲を歩きまわり、野外彫刻を探しました。
先述したとおり「漁師」は、苦労せず見つかりました。
見たとおりの作品で、魚2匹の尾の近くを両手でつかみ、誇らしげに掲げている漁師がモチーフの、1992年の作品です。
明示されていませんが、 . . . 本文を読む
(承前)
少し話を前に戻します。
オホーツクきっての名門、北見北斗高校の正門を入って左側に、二つの碑とこの胸像が並んでいます。
意志の強さと親しみやすさを兼ね備えたような風貌。
さすが中野五一(1897~1978)だと感じます。
このブログにも何度も登場している彫刻家の中野五一については、伊谷半次郎像の記事に略歴を記しておきましたが、富山県高岡生まれ、小樽育ちで、一時は北見に . . . 本文を読む
(承前)
旭川市中央図書館を正面から出て右に進むと、ロータリーがあります。
ロータリーの反対側あたりの歩道にある山内壮夫の野外彫刻についてはすでに紹介しました。
ロータリーに入るすぐ前の、歩道と車道の間に、金属でできた彫刻ともオブジェともいえそうな、高さも形状も共通する三つの立体が立っています。
図書館前というよりは、道北経済センター(旭川商工会議所)の向かい側というほうが適切な立地 . . . 本文を読む
(承前)
旭川市中央図書館の中に置かれている彫刻の紹介の4点目。
これも2階にあります。
両手を頭頂部に上げて、全身をゆるやかにカーブさせている裸婦像。
手の細かい描写がおおまかで、脚部も省略ぎみですが、まあそこは「人魚」ですから…。
脚の代わりに波のようなかたまりが底部に置かれているのがユニークです。
顔は目を閉じ、口元を上げて、やさしいほほえみを浮かべているようです。
. . . 本文を読む
(承前)
旭川市中央図書館の館内の3点目。
前項の山内壮夫「うずくまる」とおなじく、2階に設置されています。
二つの部分からなる作品で、向かって右側にはやや重たげにうつむくように咲くヒマワリ。
左側には、両ひざを軽く曲げて、そのヒマワリの花をのぞき込むようにまっすぐ見つめる男の子がいます。
男の子は両手を両ひざに当てて、半ズボン姿。ちょっとだけ右膝のほうを深く曲げており、まるでヒマ . . . 本文を読む
(承前)
岩見沢生まれで、新制作協会や全道展会員として活躍し、札幌や旭川に数多くの野外彫刻が残されている彫刻家、山内壮夫やまうちたけ お (1907~75)が39年(昭和14年)に作った作品。
旭川では4点目の紹介となります。旭川で最初に紹介した「三人」の項で、山内壮夫や、彼と旭川のかかわりについてくわしく書いているので、そちらもお読みください。
戦後はヘンリー・ムーアらの影響を受けた、 . . . 本文を読む
(承前)
旭川市中央図書館の中に入ります。
したがって、厳密に言えば「野外」彫刻ではありません。
この人物像は1階カウンターの近くにあります。
旭川叢書『あさひかわと彫刻』によると、田村審火 た むらしん か は1900年(明治33年)、旭川生まれ。
東京美術学校(現東京藝大)西洋画選科に入学し、北村西望に師事して彫刻を学ぶ。
1924年(大正13年)、第5回帝展に初入選。
. . . 本文を読む
(承前)
常盤公園の最後に紹介するのは、人物彫刻です。
岩村通俊は、北海道大百科事典に次のように書かれています。
1840(天保11)~1915年(大正4) 開拓判官、初代北海道庁長官。土佐藩(現高知県)宿毛すく も 出身。戊辰 ぼ しんの役に奥羽に転戦、1869年(明治2)東久世長官の下に開拓判官となり、函館を担当、ガルトネル事件などを処理した。また場所請負人を廃止し、各地に海官所を . . . 本文を読む
(承前)
山口牧生は1983年、第14回中原悌二郎賞を受賞しました。
旭川叢書の『あさひかわと彫刻』によると、受賞作の「15度」は、第8回神戸須磨離宮公園現代彫刻展に出品され、受賞したときにはすでに作家の手元にはなく、かわりに設置したのがこの作品です。
同書に作者の言葉が引用されています。
少年時代、五寸釘を大地になげうって突きさす遊びをしました。突きささらず倒れてしまうこともあり、 . . . 本文を読む
(承前。43はこちら)
前項で述べたとおり、(44)の「風雪の群像」は、盛り込むべき要素が多すぎる上、現在「美術ペン」誌で吉崎元章さんがこの作品をめぐる論考を連載中ということもあり、後に回すことにして、常盤公園の残りの作品を順番に取り上げていきます。
さて、2本の平たい板のような形状が支え合っているような、シンプルで重厚な石の作品は、高さ2.4メートルもあります。
日本の団体公募展の中で . . . 本文を読む
(承前)
こちらで予告したように、旭川の野外彫刻シリーズを再開します。ただし、「44 風雪の群像」は後回しにします。
常盤公園の力作が続きます。このシリーズのひとつのヤマといえそうです。
こちらによると、オシップ・ザッキンは1890年ロシア生まれ。
ロンドンやパリの美術学校で学んだあと、キュビスムの彫刻家として目されました。
黒人彫刻にも影響を受けています。
1921年にフランス . . . 本文を読む
「街角と道端のアート」のカテゴリーもこれが574本目となりますが、野外彫刻をめぐる旅はまだまだ終わりません。
そして、このカテゴリーの記事には、公共施設の壁面を飾っている絵画の紹介なども含んでいます。
各種資料を見たり、実際に街を歩いて作品を探したりしているうちに、あらためて
「野外彫刻ってどこまでが入るんだろう」
ということが気になってきます。
屋外に立っている立体物すべてが野外彫刻と . . . 本文を読む
(承前)
道の駅に向かう途中、左手の学校の校庭に白いモノが見えました。
なにやら野外彫刻のようなので、道の駅に車を止めて、見に行くことにしました。歩いて4、5分です。
地図ではまだ「滝上中」となっていますが、今年春に旧滝上高校舎に移転しており、解体を待つばかりになっています。
野球部(3町村の中学校3校の合同チーム)の活躍をたたえる看板が取り付けられていますが、もちろん人の気配 . . . 本文を読む
(承前)
道の駅「香りの里たきのうえ」のわきに立っています。
作者名もタイトルもありませんが、滝上町のマスコットキャラクター「ピコロ」の像です。
ピコロの制定は1990年ですから、全国の「ゆるキャラ」ブームよりもはるかに先がけて登場したということになります。
「童話村」を掲げてまちおこしに取り組む町らしい、かわいらしいキャラクターですね。
台座には「簡易保険融資施設」とあります。 . . . 本文を読む