ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

人生は駅伝ではない。

2005年02月20日 | 地域の話題

 わが町の冬の恒例行事、市民駅伝が今朝行われた。

 27回目の開催で、女性チーム、学生チーム、一般チームと計34チームが出場し、6区間18.1kmをたすきでリレーし、1時間余で最初にゴールインしたのは、女性チームであった。

 何も女性上位の時代で、駅伝でも女性が男性軍を寄せ付けず勝利したわけではない。男性主体の一般や若い学生チームのスタートより、女性だけのチームは15分早くスタートしていたワケで、2位から4位は全て後からスタートした男性チームであった。

 トップでゴールインした女性チームは、1時間10分程度のタイムで、2位でゴールした男性チームは、ほぼ1時間というスピードであった。

 実は私も10数年前40代初めに職場の仲間等と共に、この駅伝にエントリーして一番手として約3.7キロを走った経験がある。見た目より結構起伏がある住宅街の車道や歩道を走るのだが、最初の小学校のスタート地点から、学生や若い参加者に煽られて、自分のペースで走ろうと心に決めていたのに、いざスタートとなるとツイツイ無理して一緒のペース、いやハイペースで飛び出してしまい、途中メロメロになった記憶がある。

 たった4キロ弱だったが、途中の沿道に多くの地域の住民や知人、友人達が応援に出てくれていたので、本当は溌剌と順位はどうであれ、自分らしく元気に走る様を見せたいと思ったのだが、全く本番では後半意識はあるが、足元がふらつき思う様に走れない、もどかしさの中で、ともかく2番手のランナーにたすきを渡さなければ続かない!「駅伝」を成就させるためだけに、朦朧とする精神を振り絞って第一中継地点までやつと辛うじてたどり着いたのである。

 途中何度も、後ろから近づいて来るランナーの足音に、何とか抜かされまいと思ったり、少しは持ちこたえて併走したいと思ったり、それなりの強い意志だけはあるのだが、何せ体が言うことを聞かないのであった。

 私が参加した年の駅伝で、わがチームが何位だったかは全く覚えていないのだが、さぞかし私の第一走者としての走りが、20数チームの中でビリから数えた方が早い位置だったので、その後の仲間5人の走りが、素晴らしかったとしても、せいぜい中ぐらいの順位とタイムに終わったことだと思っている。

 私が言い出しべぇで仲間を誘って参加した駅伝だったが、数ヶ月間の早朝の私的な練習や経験が全く役立なかったばかりか、第一走者として不甲斐ない順位で、第二走者の仲間にたすきを渡さざるを得なかった悔しさと残念な気持ちは、今も鮮明に記憶に残っている。「ごめんなさい」である。

 「駅伝」は世界中で日本が生んだ陸上競技として、日本語そのままで「EKIDEN」として認識されているスポーツだが、私の拙い経験から言うと、ほんと日本的スポーツであり、団体競技としてのチームワークと言えば聴こえは言いが、ひとりことりの責任、能力、順位などが仲間や組織から問われる、大変シビアなスポーツでもあると言えるのではないだろうか。

 今日も参加した34チーム全てのスタートから途中経過や状況、そして結果は知る由もないのだが、いろいろなドラマと言うか、エピソードやハプニングもあったのではないだろうかと推察できる。

 誰もがチームや他のメンバーに迷惑をかけたくもないし、出来れば負担を少なくできるようにと、一生懸命走ったと思われるが、自分ひとりのマラソンや長距離走ならば、途中調子が悪くなったり、いつものリズムで快走できない場合でも、悔しくても自分の責任と考えで納得したり、止めたりすることも可能だが、「駅伝」ではそうは行かない。チームやみんなのために、しんどくても調子が悪くても次の中継点までは必死で何が何でもタスキを渡す迄走らねばならない。

 日本では正月のニューイヤー駅伝に始まり、箱根、大学対抗、都道府県対抗、高校、女子、国際など多種多様な「駅伝」が全国各地で開催されており、最近では小学生による地域駅伝まで華やかに行われるようになってきている。

 「マラソン」はよく人生に例えられることが多いが、この「駅伝」は人生に例えることは出来ない陸上スポーツであり、あまり対抗意識を助長した特にアマチュアの競技としては、ほどほどにして愉しんだ方がいいのではないかと思っている。

 自分らしい自分の人生を、自分の健康状態や志向、趣向などと相談しながら、じっくりと歩いたり、走ったり、そんな健康のための走り方が、自分の人生とだぶることはあっても、決して「駅伝」という仲間にたすきを繋ぐ走りでは、かえって自分の人生や健康を損ねる場合もあるのではと、観客、応援の一人として、感じたのである。

 日本的な団体の和や組織のための自分を目的とした「駅伝」にならないことを願いつつ、冬のスポーツ、「EKIDEN」を今朝も見守ったのである。

 
 
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