ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

仕事か趣味か?

2012年03月04日 | ちょっと可笑しいよ
 週末の有機八百屋の準備をしていたら、お客さんから携帯に電話がかかってきたので、お宅に伺っての移動八百屋のための訪問時間の変更かと思って話を聞いてみると、若い奥さんが「いただいたジャガイモの品種は何か?」とのお尋ねであった。

 彼女の話では、「とても美味しくてホクホクしていて、特別な品種かと思った」とのことであったのだが、品種は「男爵」という一番ジャガイモでは定番の普通の品種なのだが、長崎産の特別栽培のジャガイモか北海道産の無農薬のジャガイモかのどちらかだったと答えたのだが、ともかく美味しくて電話したのだと言われたので、とても嬉しく思ったのであった。

 翌日も朝から決まったお客さんの家へと販売に出かけたのだが、今度はキャベツが芯まで甘くて大好評だつたとの感想を聞かされて、昨日、今日と有機・無農薬八百屋をやっていて本当に良かったと改めて感じて大変嬉しく思ったのだが、本当はこういったお客さん、つまり消費者の感想や声を生産者である農家の方々に全て聞かせたいという気持ちになったのであった。

 私の場合は、とっても風変わりとでも言うべき「週末だけの移動販売八百屋」というスタイルの食品販売業というのが現在の仕事の形なのだが、1994年9月の創業ということなので、もう18年目という八百屋さんとしてもベテランの域に達している?かもしれない年月だけは経過しているのだが、果たして立派に「仕事だ」と言えるのだろうか。

 八百屋を始めたきっかけについては以前にもブログで書いたと思うのだが、地元の地方議員に当選して議員としての仕事を本業というか生業として生計を立てる形になったのだったが、議会議員の主な集中的な仕事場としての忙しい時期は、たいていは3・6・9・12月の年四回の定例議会が開催される前後であり、それ以外の月日は毎週、毎日出勤したり議会の仕事があるわけではないので、生活者住民の一人として「生活者の声」を聞き、「問題提起」をするきっかけとしても役立つとの思いから始めた面があったので、あまり採算や儲けなどは度外視しての自営だったのである。

 そのためもあって、目標は「赤字だけは出さない!」という経営理念と共に「お客さんにも喜んで貰うと同時に自分の家庭での食卓にも安全で美味しい食材を」という二兎を追う形での「有機・無農薬農産物と無添加食品販売」という自営というスタイルになったのであった。

 しかし、この18年間に及ぶ「やおやガリバー」の毎年の青色申告決算によると、目標通りに「利益が出た」という年は一年目だけであり、それ以降は当然仕入れ代金だけではないが、ガソリン代、水光熱費、電話、FAXなどの連絡費、運送費、そして年末にお届けするお客さんへの感謝のカレンダー代などの諸経費に雑費が支出されるので、ほぼ純利益は無くなってしまう程度の売り上げになっていて、私自身の労働に対する給料とでも言える「儲け」は無いという状況が続いているのだが、私はこれで十分満足しているのである。

 何と言っても自家使用という形で私と家内の二人世帯の食品のたぶん約8割り近くを賄えているだろうし、近くに住む娘家族の食卓にも私の八百屋の残り物とは言え、美味しくて安全な食品が相当量、「仕入れ」という名称で届けられていたり、娘が取りに来たりして活用されていると思うので、目には見得ないお金には換えがたい利益とでも言うべき特典がいっぱい付いているのである。

 その上に、自分自身の仕事としての軽労働?による健康維持や毎週の生活リズムの軸としての週末八百屋に対する準備、発注、その他の雑用などもあるのだが、何よりもお客様との会話や喜んでいただく笑顔や反応に、どれほど私自身が元気や生き涯を感じさせて貰っているかを思えば、仕事というよりも趣味、もしくは道楽と言った方が言いえているのかも知れない。
コメント (1)
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