ガリバー通信

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「卒原発」の機運到来!

2011年07月12日 | 季節の話題
 3・11東北大震災後の福島原発1号基から3号基までのメルトダウンを伴う大事故から約4ヶ月が経つが、被災地復興の諸案件も含む延長国会では、与野党の「原発談義」は続いているが、福島原発の事故処理に「数十年単位の時間がかかる」との菅首相の見解をはじめ、早期収束を願っていた多くの国民、関係者、マスコミの期待を裏切って、とんでもない長期間の収束に要する年月と共に巨額の税金投入が必要であることがようやく見えてきた。

 福島第一原子力発電所の少なくとも上記3基の「廃炉」を前提とした見通しでは、枝野官房長官も11日の記者会見で、「最終的にすべての処理が終わるには一定の年月がかかるだろう」という首相の趣旨だと説明した上、同原発の廃炉までを想定していることを認めたのであった。

 つまり、今回の原発事故の当初想定されていた、収束計画もしくは原発の安全性の確認をした上での再稼動なんて見通しは全く消えうせていて、どのような手段と時間をかければ、周辺地域への放射能汚染をはじめとする影響被害を最低限に抑えられるかという難題に直面しつつ、もう福島原発の再稼動なんてありえないという自然なコンセンサスを持たざるを得ないところに来てしまったのである。

 全国各地にある日本の全54基もの原子力発電所で現在稼動しているものは実際は10数基しかない状態であるにも拘わらず、日本の経済活動や今後の産業活動には「原発は不可欠」という立場をとっている政治家や企業人がまだまだいることは事実だが、全国の都道府県知事の中の女性知事でもある二人の知事が、今日、明日秋田市で行われている全国知事会で「卒原発!」のアッピールをすることとなった。

 いずれも隣の県に原発が立地している山形県の吉村美栄子知事と滋賀県の嘉田由紀子知事で、共同でアッピールし、併せて国に再生可能エネルギー導入のための規制緩和や財政支援を求めるというものである。

 アッピールでは、原子力発電から出る廃棄物処理の困難さや健康や環境へのリスクを勘案すれば、原発への依存度を徐々に少なくし、卒業できるような「卒原発」が望ましいと表明していて、再生エネルギーの導入などの推進を加速させるようにと提言しているのである。

 この具体的なアッピールが女性知事のふたりから始まることに大いなる意義を感じると共に、石原慎太郎東京都知事をはじめとする古い体質の経済優先しか考えていないような男性政治家や知事たちが多い中で、少なくともすぐに「反原発」や「脱原発」という戦いではなくて、「卒原発」という柔らかだが強い意志のアッピールを始めた女性知事にエールを送りたいと思う。

 私の住む京都府も原発銀座と言われる福井県の南に位置していて、約50キロから80キロくらいで、福井の原発が事故を起こすと間違いなく直接的な放射能被害に見舞われる地域なのだが、自分たちの住む地域が危険だというだけでなく、日本の原発が事故を起こせば、日本の全国での生活、経済活動だけでなく、全世界的なあらゆる問題に波及して風評被害や実質的な放射能汚染が広まることは、言うまでもないことが今回の事故でも明らかになっている。

 全国各地で、多種多様な原発に対する問題提起や「反」「脱」「卒」などと冠をつけての「原発」を回避しようとする動きが、徐々にてはあるが間違いなく浸透しつつあることを実感していると思うが、一番対応や自分自身の見解を表明するのが遅いのが政治家や企業の経営者たちだろうと感じていて、一般の市民、国民がいろんな形で「原発のない社会」を願う気持ちを明らかにして行くことで、日本もドイツ、スイス、イタリアに並ぶ「脱原発」を目指す国となれると思うのである。

 今国会を初めとして、民主党政権の危うさや菅直人首相の退陣を求める与野党の論調などが目白押しで、「原発解散」などという菅首相の最後の一手などと言われたりしているが、菅直人首相が市民派的政治家として政界に出てきた時代を思うと、まさに今、彼自身が前記した二人の女性知事のアッピールの如く「卒原発をめざす!」というスローガンを思い切って掲げれば、国民の過半数以上が、今そうした機運の中で考えていると思われるので、首相退陣をしたとしても歴史的に残る「卒原発」の歴代首相のトップになれるのになぁと思っている。

 いずれにせよ時間はかかるが、世界から「原子力」による平和利用や「原爆」ではないとの言い逃れではない、「卒原発」の流れは変えられない21世紀となるであろうことは間違いないのである。
コメント (4)
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