ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

九電のやらせメール

2011年07月08日 | とんでもない!
 またもや、とんでもないことが秘密裏に当たり前の如く行われていたことが発覚した。

 九州電力が玄海原子力発電所の再稼動についての公開討論会という形での番組に際して、前もって傘下の下請け子会社の社員らに宛てた社内メールで、一般の市民を装って、原発の推進、必要性についての賛成の立場からのメールを、各々の家庭のPCから送ってほしいとの伝達、もしくは業務ろ命令の様な「やらせメール」を依頼していたことが発覚したのである。

 九電だけでなく、電力会社各社の隠蔽体質とでもいうべき情報隠しにとどまらず、福島原発の事故の収拾のメドも立っていない最中に、何とか原発の安全性と稼動を推進したいと思う上層部の思惑からか、なんとも幼稚ともいえるような依頼をしていたのだが、あぁ、やっぱりとでも言うべきか、とんでもないと言うべきか呆れた事態が明白になり、政府はやむを得ず「リスクテスト」という徹底的な検査を行い約半年経てから稼動すべきかの判断をするという方針を急遽打ち出して。地元玄海町の町長などは、国に振り回された格好で困惑しているという。

 また海江田経済産業相は、今回の九電玄海原発の再稼動について要請し、いったんは了承を得たことから、全く予期せぬ事態になり、政府見解も含めいい加減な判断であったとの批判もあって、与党からの責任追及に対して、いずれ責任をとって辞職するべきとの個人的見解を述べるに至り、菅首相と同様に「やめる予定の大臣」のひとりに加わってしまったのである。

 しかし、今回の九電の「原発推進に対する賛成メール」の依頼には、驚くまでもない過去の日本の大企業だけでなく、政府、内閣での失態や前例を思い出すのは私だけではあるまい。

 一番記憶に残っているのが、教育基本法をめぐる、いわゆるタウンミィーテイングと称する文部科学省が主催した全国各地で行われた、市民参加の形をとっただけの「公聴会」であるが、事前に参加者の希望者をチェックした上で、政府に都合の悪い反対意見や問題提起をする人は除外して、「やらせ公聴会」を行ったことであるが、問題になり京都では裁判にまでなったのだが、結論はなかなかはっきりとは断定されていない。

 しかるに、いつの時代にも為政者や経営者にとって都合の良い市民や有権者、またし株主や社員がいてくれた方が「助かる」とか「都合がいい」という発想が権力を行使したりするお偉い方々には、知らず知らずの内に当たり前の「愛国心」や「愛社精神」の様になってしまって、それが確信的な犯罪行為に近い「やらせ」をもたらしてしまうものなのだろう。

 今回の九電の「やらせメール」問題は、あくまで氷山の一角であって、全国各地で福島原発事故以来は、大幅に増えた「反原発」の講演会や映画界、シンポジウムなどであるが、まだまだその背景には、表立っては「反原発」を語ったり、表明できない人々が悶々としていると思われてならない。

 素直に「原子力の安全性」なんて、人間の人智を尽くしても100%ありえないし、科学技術の推進の過程とは言え、地球や自然界に大きなリスクを半永久的にもたらすであろう、原子力の廃棄物や半減期の長年にわたる放射能汚染の危惧に対して、誰も私が責任を取るとは言えない将来に向けての膨大かつ危険な放出物はどうにもならないのである。
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