ガリバー通信

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大相撲の危機。

2011年07月21日 | プロスポーツ
 大関「魁皇」が今場所11日目の相撲を取らずして「引退」を発表し、13年あまりに及ぶ現役力士としての「お相撲さん」をやめることとなった。

 何とか今場所に賭ける思いで出場し、初日から三日間は白星が得られず大丈夫かと心配したが、四日目に初日が出て、元横綱千代の富士の持つ生涯勝利数1045と並び、翌日新記録となる1046勝目をあげて、今場所の千秋楽まで何とか勝ち越しまで頑張ればと思っていたが、7日目に1047勝目をあげたが、その後は連敗続きで7敗となった一昨日に、気力と体力の限界を感じて、「引退」を表明した。

 「やり残したことはない。最高の相撲人生だった」と、昨日の名古屋場所開催地の近くのホテルでの「引退記者会見」では、魁皇は語ったそうだが、大関在位が最長だったことはよく辛抱し頑張った証ではあるが、本心としては「横綱」へのチャンスもあっただろうけれど、成れなかったという無念さと、ここ数年の日本相撲協会の続けての「不祥事」で、大混乱を招き、先場所は「技量場所」としてなんとか土俵に上れたが、先々場所は「八百長相撲問題」の全面的解決のために「本場所中止」という前代未聞の悲しい事態をも経験したのだから、時間がないという高齢に差し掛かっていた「魁皇」にとっては、「言いたいことは山ほど」あったのではないかと推察されるのである。

 確かに記者会見での「魁皇」の晴れ晴れとした笑顔と「記録に目標を置いていて、達成後は負けても悔しさがなくなった」という気持ちと、「ここが最後の引き際だと思った」と言う言葉は真実だろうと思われるが、やはり相撲ファンの多くは、彼のなしえなかった「横綱」と「大相撲人気」の回復の兆しが見えぬ現状の中での「引退」に寂しさを感じている。

 「大関魁皇」の引退で、またもや日本の国技とさえ言われている「大相撲」の「横綱」と「大関」に、ひとりも「日本人」がいなくなり、益々「相撲人気」に陰りが出てくるのは間違いなく、今場所も辛うじて「魁皇人気」でお客さんが名古屋市体育館に足を運んでいたとはいえ、連日テレビ中継されている画像からは、客席の半分も入場者がないという実態が続いていて、今後の「相撲人気」が回復する兆しすら感じられないのである。

 「魁皇」引退の大相撲名古屋場所で、唯一の希望はと言えば、東の関脇「琴奨菊」が「大関」への昇進を決められるかだけであり、昨日の横綱「白鵬」との一戦に、約4年間19連敗して一度も勝てなかった「琴奨菊」がようやく粘り勝ちし、「大関」への可能性を残したので、大勢の相撲ファンも日本相撲協会も、なんとか「琴奨菊」には頑張ってもらって、最低限の規定である3場所で33勝という基準をクリアしてもらって、晴れて「魁皇」に代わって唯一の日本人大関の誕生を実現させたいと思っている。

 たまたま「琴奨菊」も、魁皇と同じ福岡県の出身で、「魁皇」の背中を見ながら安心して相撲をとっていたのだが、こけからは「自分が頑張らないと」という自覚もようやく生まれているようで、昨日の「白鵬」を破った一戦は、ぐぐっと「大関」への階段を近づけたと言っても過言ではなかろう。

本日、12日目も「琴奨菊」は、モンゴル出身の「鶴竜」を寄り切りで下し10勝目をあけたので、後3日間の取り組みを最低2勝1敗で凌げば、現在の相撲人気の低落と相撲協会の危機であるので、何としてでも「琴奨菊」の「大関」への推挙がなされるものだろうと確信しているのである。

 ついでに、いくら磐石の横綱「白鵬」とは言え、8場所連続優勝などという形になれば、これも「相撲人気」に違った意味で「影」が出来るので、今場所は同じモンゴル出身とはいえ、小兵の「日馬富士」が幸い好調で現在12勝全勝でトップを走っているので、何とか千秋楽まで全勝をキープして、たとえ千秋楽結びの一番で「白鵬」に本割で負けたとしても、優勝決定戦で横綱を破って、大関「日馬富士」が優勝するという形を期待して、どうにか相撲人気を少しでも持続させて、今後の若手や日本人力士に期待して、大変革も含めて「相撲協会」の奮起を期待したいところである。

 
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