ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

敬老の日。

2009年09月22日 | 感じたこと
 ここ数日を今年は「シルバーウイーク」と称して、高速道路の千円割引を口実に全国津々浦々で「渋滞」が生じていると行楽や旅行ばかりが報道されているが、もともと、この九月は「敬老の日」と「秋分の日」というちゃんとした「祝日」があったのだ。

 一連のゴールデンウイークもそうだが、「国民の祝日法」なるものを勝手に改正して、連休を作って経済的効果を狙うという安手の大売出しのような施策で、結局国民の多くは「何の日」とか、意味をかみ締めたり記念したりという感覚が遠のいているようである。

 決して文句を言っているのではないが、この「敬老の日」の意味は、これからもっと高齢化社会になる日本社会の現実にとっては重要かつ、将来を憂う人たちと共に、国民全てが真剣に考えねばならない課題ではないだろうか。

 確かに「年金問題」や「高齢者の雇用」の問題も大きな政治課題であり、新たな民主党政権による再検討ならびに可能な限りの改革を期待したいところだが、人は金のみで生きるわけではなく、生きがいや幸せを感じる日々が大切なのである。

 私の母も超高齢者の一人で、日常は有料老人ホームの自分の居住空間で過ごしていて、朝、昼、夕の食事はもとより、部屋の掃除、お風呂の介助、おやつタイムやレクレーションと、施設の職員の方々のお世話になっている。

 私自身は、仕事の休みの日を利用して、一週間から二週間に一度は大阪の母を訪ねることにしているのだが、今日は娘と孫の男の子二人と共に夫婦で、母を訪ねた。

 いつものようにロビーのテレビの前で寛いでいた老いた母は、私たちの訪問に目を細めて喜んでくれ、特に幼いひ孫たちの訪問には喜びを顔中にあらわせていたようであった。

 そういえば、老人福祉施設においての、特に認知症のお年寄りたちに対する「アニマルセラピー」と称される、犬や猫を連れて行っての「癒しの時間」を定期的にスケジュールに入れている施設があると聞いていた。

 かわいいアニマルたちの訪問で、お年寄りたちが和むことは大いに結構だと思うのだが、犬や猫が嫌いなお年よりもおられるはずで、必ずしも万人に「セラピー効果」があるとは言い難い。

 今日、何気なくひ孫たちの行動や言動を見聞きして、喜んでいた老いた母を見ていたのだが、施設の他のお年よりも、間違いなく目を細めて嬉しそうに見守っておられたことを目撃したのであった。

 「チャイルドセラピー」とは、別の意味で行われている、自己啓発的行為であったりもするらしいが、何気ないお年寄りたちの空間に明るく元気な幼い子どもたちが加わるだけで、どんなにか高齢者の心に「和みと癒し」を与えることができるかと痛切に感じたのである。

 これからの超高齢化社会にあって、地域社会においても、施設においても、ぜひ普通の人間関係としての、子どもたちのいる空間をお年寄りたちにも感じられる機会、すなわち「チャイルドセラピー」を意識した活動やイベントを企画してみては如何だろうかと提案したい。
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