ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

芸術の秋らしい。

2007年10月28日 | 地域の話題
 毎年今頃開催されている「京田辺芸術家協会展」を観に、移動有機八百屋の営業中に市役所横のコミュニティホールへ立ち寄りました。

 昼休みの昼食を自宅でとって、2時からの会場でのギャラリートークに間に合うようにと、少し早めに出かけました。

 会場には、日本画、洋画、書、彫刻、写真、陶器などの作品が並んでいて、ひとつひとつ、じっくりと鑑賞したいところだが、会場の中央部に椅子席が設置され、正面にゲストスピーカーたちが座るテーブルが既に用意されていて、遠慮気味に鑑賞をしました。

 作品の多様さと創作に関わられた作者のご苦労とセンス、また創作の発想など、いろいろと思いをめぐらせていると、各人の人生観と芸術、創作意欲のエネルギーまで伝わってきそうに感じました。

 昨日の「ギャラリートーク」は、書の藤本玲舟さんの司会で、洋画の田代和子さん、日本画の林孝二さん、そして写真の山本賢二さんの三人が、「制作にかける想い」をテーマに語られました。

 洋画の田代さんは干支がネズミで来年84歳というご高齢ですが、全くお歳を感じさせない感覚と画風で、「風神、雷神」をテーマにした、とっても力強く、また童心を感じさせる楽しい作品を出展されていて、幼い頃から路上に「蝋石で絵を描いていた」とおっしゃっていました。

 日本画の林さんは父上も日本画の画家で、幼い頃から自然の中で遊びながら、小学校の卒業文集では、「画家になる」と書くほど、自然な流れの中で画家を志して、今はモノトーンの大樹をテーマにした作品を数々描かれていました。

 写真の山本さんは山歩きが好きなお父さんの影響で、「山登り」が好きになり、どんなカメラでも、しっかりと季節と自然を捉えた写真を撮れるんだとの確信をもって、多くの写真仲間と共に身近な風俗、自然、山、樹木を撮影されています。

 芸術家協会という硬い名称とは違って、各々が自由闊達に自分流の作品作りへの強い情熱を持ちつつ、日常生活の合間を有効に使っての作品作りを続けていることに、ほんとうに敬意を表さずにはいられない感じでした。

 田代さんの作品には、相変わらずの童心や夢が満ち溢れていますし、林さんの作品のモノトーンの中には、深い人間の心象現象が隠されているような気がしました。

 たまたま、ギャラリートークの後半に司会者が突然、私を名指しで質問を求められたので、とっさに「林さんの作品の中に「女」という文字が隠されているのが気になってしかたがありません」と、とんでもないことを言ってしまいました。

 日本画としての深い白黒の表現と画法の大作なのに、私は観た瞬間から、中央部の枝の形が、漢字の「女」という文字の形として見えてしまって、他の樹木の枝や幹も、動脈、静脈、毛細血管のように見えたのです。

 「絵」や芸術作品を創作される芸術家の想いとは裏腹に、全く次元の違う見え方や心象に気づくことも、「芸術の秋」の楽しみ方なのかもしれませんね。
 
コメント (1)
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