ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

「父の日」の別れ。

2007年06月17日 | ファミリーイベント
 今日は「父の日」である。五月第二日曜日の「母の日」と比較すると、どうも影が薄い。

 でも昼過ぎに孫達を連れた娘が我が家にやってきて、「父の日」のプレゼントを私に手渡してくれたのは、ありがたいことである。

 夕刻、私にとっては長年の「宝物」でもあった、秘蔵のレコードとの、寂しい「別れ」が待っていた。

 というのは、1960年代後半からの自分のレコードコレクションを片付けるついでに売却することにしたからである。

 夕方、広島からわざわざ中古レコードのバイヤーで、私より少し若い男性がやってきて、600枚ほどあった私の古いレコードをチェックして、ダンボール箱に8箱、一箱に平均50枚としても四百枚ものレコードを買い取って、宅配便で持ち帰ったのである。

 実を言うと、私自身が71年から当時のURCレコードと呼ばれる、レコード会社でしばらく仕事をし、その当時のフォーク、ロック系の日本盤と、好きで買い集めた洋盤など多種多様のレコードを所有していたからである。

 大阪の実家を皮切りに、東京に移住し再び関西に帰って、京都南部に自分の家を購入し住むに至るまで4回の引越しを経験したので、その度大量のレコードを箱に積めて引っ越してきたのである。

 そんな際に家人に言わせれば、だいぶ処分したとのことでシングルレコードや記憶に多少でも残っているいくつかのレコードは、既に今はなかった。

 でも、中古レコードの買取歴20年に及ぶという、広島からやってきた彼によって選別されたレコードは、それなりに売買価値のあるものもあったようである。

 一枚は「林亭」と呼ばれるLP盤で、帯と呼ばれるレコードジャケットに巻いてあるの紙はないものだが、2万円の価値があると、彼は喜んでいた。

 他にも、とっても価値のあるものも数点あったようだが、なにせ40年近く経っているものもあって、ほとんどのレコードに「帯」がないのである。

 彼は、これだけの中古レコードの掘り出し物で帯があったら、とんでもない値がつくのだが、と溜息混じりに一枚一枚のレコードをチェックしながら語るのである。

 レコードジャケットの「帯」にそれほど価値があるとは考えても見なかった。

 彼は、とんでもない希少価値のレコードで一枚中古で200万円近くするものもあるが、「帯がない」と、たった1万円の価値にしかならないものもあると言うのである。

 誰も、「売るために」レコードを買ったりコレクションする人はいないので、そんなことはつゆ知らず、整理したりストックするために、帯は邪魔だと破って捨ててしまう場合が多いのである。

 いずれにせよ、昔のレコードやアーチストに関わる談義をしながら、ダンボール箱に詰められて行った、「僕のレコード」との「別れ」は、ちょっと寂しい儀式となった。

 これが「父の日の別れ」であった。

 
コメント (1)
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