ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

「日本の青空」

2007年06月05日 | 日本の課題
 皆さん、「日本の青空」という映画をご覧下さい。

 現在、全国各地で上映されていますが、一般の映画館ではなく、自主上映という形で、各地で「上映実行委員会」が出来て、見せたい、見て欲しい映画として、上映されているのです。

 私達の町、京田辺市でも今月の末日の6月30日(土)に、朝10:30~と、午後14:00~の2回、中央公民館で上映されようとしています。

 私は京都映画センターが主催した同志社大学今出川の「寒梅館」で、早速鑑賞してきました。

 とってもいい映画でした。「日本国憲法誕生の真相」が、「60年を経て、いま明らかに!」と映画の宣伝チラシに書いてあるとおりでした。

 安倍首相は、自著「美しい国へ」の中で、1946年11月に出来て、1947年5月に施行された「日本国憲法」、つまり現行憲法は、占領軍に押し付けられた憲法だから、改正する必要の時が来たと言っている。

 しかし、果たして現行憲法は、戦後のGHQを中心とした米国の押し付けだったのだろうか。

 その背景に、この映画の主人公である、「鈴木安蔵」という憲法学者がいて、彼を中心とした民間の憲法草案がGHQの強い支持を受けて、内閣が取り上げて、国会で可決して制定に至ったという事実が、この映画の主軸である。

 田丸麻紀が演ずる小さな出版会社の編集見習い記者が、雑誌の特集記事として、「戦後の日本国憲法の成立の背景」を取材することになり、男女同権の基本的な憲法の理念を書いたベアテ女史や旧知のエピソードではない、スクープ的人物の存在として、「鈴木安蔵」に出会ったのである。

 彼は、憲兵に逮捕され投獄された経験があるが、戦後の憲法制定期に、大いに用いられて、現行憲法の基礎を創り上げた男なのである。

 女性の参政権を認めれば女性は戦争を望まないとする妻の言葉を力に、軍事条項を書かない「空白の条項」が「戦争の放棄」と「軍隊を持たない」とする第九条の精神へとなっていく過程が克明に描かれていた。

 今、露骨に「憲法改正」を訴えて、「国民投票法」をも強行採決した、安倍内閣であるが、憲法制定当時の内閣が準備した憲法改正案(松本案)は、天皇制にこだわった国体護持案であったのだが、鈴木らの草案で、天皇は国民の象徴的存在としたのである。

 国民主権の現行憲法の誕生の背景に、鈴木安蔵が主導した「憲法研究会」があり、GHQをもうならせた「日本国憲法」の基礎が提起されていたという事実は、私たちにとっても大きな力であり、九条だけではなく、「日本国憲法」を大切に守って行く、今後の力強い背景の一つとなることを確信した。

 ぜひ、語り継げる「憲法誕生の背景」を「日本の青空」でご覧下さい。おすすめします。
 
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