ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

新しい歴史教科書は「古い」

2005年07月20日 | とんでもない!
 

 とんでもない古い日本の軍部を中心とした戦争遂行者と同様の考えや、明治時代の帝国憲法や教育勅語の復活を目指す、古い体質の連中が模索しつつ、強引に「教科書」採択へ介入している、「新しい歴史教科書」をつくる会の動きが、俄かに活発になってきている。

 群馬県の大田原市の教育委員会が何と教育委員5人全員で、この問題の扶桑社の歴史教科書の採用を決めて全国で大きなうねりの様な、彼らの突破戦術が展開されており、反動的な内容の、しかも第二次世界大戦での、日本の侵略行為の反省や、南京大虐殺、従軍慰安婦などの記述を認めない、無かったことだと主張する、とんでもない内容の教科書を押し付けてきているのである。

 各地の教科書採択が、教育委員会や地域の教育局が担うことになったことに付け込んで、政治的圧力をかけて、意見書などの採択を迫り、挙句の果ては、前述の普通の歴史教科書を採択したのは、公平な教科書採用ではないと、いちゃもんをつけて、彼らの言う「公平」な「古くて反動的な」教科書ねつまり扶桑社の教科書採用を強引に実現させようとしているのである。

 この扶桑社とは、例のゴーマニズム宣言や戦争論の漫画家、小林よしのり氏や東大の右翼教授、藤岡信勝氏などをバックに、とんでもない思想、歴史を現代の子供達に教え込もうとする、意図的集団とフジ、サンケイグループが結託して作成している教科書であり、非常に危険な「戦争を賛美し、再び天皇制の下で世界制覇を目指す日本」を想定する内容である。

 こんな、とんでもない教科書が、一見民主的と思われる、教育委員会の決定で、幼く、歴史の事実や反省を知らない、子供達に強制的に提供され、教えられ続けるとすれば、日本社会は、再び誤った戦争への協力や天皇を元首とする,非民主的国家に逆戻りしてしまう危惧を抱いているのは、私だけではなく、多くの教育現場に立つ教師たちである。

 しかし多くの小中学の児童、生徒を送り出している、一般のご家庭の主婦やお父さん達は、こうした迫り来る現実を知らない人たちが、多くいて、一方的な彼らの運動と「古きよき時代?」を再びと願っている、復古調で、天皇国家を目指す一握りの人たちのエネルギーに、圧倒されようとしているのである。

 サイレンとマジョリティと言われる、物言わぬ大半の常識的一般人は、そんな論争や動きとは、離れた日常的経済活動に、精一杯の毎日を送っているために、こうした大きな教育現場の背景での動きを知る由も無いのである。

 とんでもない!歴史教科書。捏造された日本の近代史を、「新しい歴史教科書」として、教育現場に無理やり採用させようとしている、この反動的動きに対して、心ある学者や教育関係者たちは、危機感を募らせつつ、こうした動きをストップさせるために、ささやかに抵抗しているのである。

 大きなメディア媒体を持つ、フジ、サンケイグループをバックにした、この扶桑社の歴史教科書は、報道の中立性を逸脱した、フジテレビやニッポン放送、そしてサンケイ新聞、読売新聞など、右傾化したマスコミを見方につけて、暴走する一歩手前まできているのである。

 韓国、中国政府の小泉首相の靖国参拝批判などは、序の口であり、日本の今後の教育の根本的な部分での、教科書採択に、暗くて間違った歴史認識の教科書の採用を意図した動向が活発化している方が、私達の将来にとって、大問題なのである。

 「新しい歴史教科書」とは、古い全体主義的、天皇国家を再び招き、賛美しようとする「古い歴史教科書」なのである。

 決して騙されてはいけない。歴史の真実は一つであり、時の政府や権力者にとって都合のいい、歴史を捏造した時代に、間違っても逆戻りさせてはならないのである。
コメント (1)
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