「雨はふるふる 城ケ島の磯に
利久鼠の 雨がふる・・・・」
梅雨時になると、必ず浮かぶのがこの歌です。
というととてもロマンチックですが、
実は子供のころの小さな誤解を思い出しては、
笑ってしまうからです。
それは「利休鼠」のくだりを、
子供心に・・鼠が降ってくるはないな・・・
きっと利休鼠という鼠が城が島に住んで居るんだ
だから城が島に降る雨を「利休鼠の雨」というのだろう・・・・
と 一人納得していたことです。
のちになって、それが色の名前だということが分かった時は、
日本人の色を表す表現の豊かさに感心しましたが。
こういう感違いは私はたくさんしています。
まず「七つの子」
~やまの ふ~るすへ行ってみてごらん~
「フ~ルス」てどんな場所かな?とずっと思っていました。
「古巣」だったのね・・
そして「紅葉」
~み~ずのうえにも おるにしき~
「オール錦」ですって・・綺麗ね・・
「織る錦」でした・・
「オール」'(すべて)なんていう表現はモダンだな~なんて、
かなり気にいっていたのですが。
皆さんも子供のころは、経験ありますよね。
ありませんか・・・
話のついでですので、
「利休鼠」という色ですが、
緑色がかった灰色をこのように呼びますね。
それは侘びた色なので利休を連想したとか、
抹茶の緑から利休が思い浮かんだとか・・
色々な説があるようです。
いつかはこんな名前の色の着物を着こなせたらと想うような、
本当に渋い色ですね。
鼠色にも、他に「藤鼠」「柳鼠」・・などまだまだあります。
並べて比べてみれば違いが区別できますが、
一色ずつみたら、みんな「鼠色」と呼んで終わりかしれませんね。
ちなみに日本の伝統色には、「利休茶」「利休色」という色も。
伝統色の名前には利休の名がついたものが幾つもありますが、
それは侘びた色だったり、 抹茶の緑にちなんでいたりします。
「利休鼠」については、
利休の切腹にまつわるいわれなども伝わっているようですね。
花の色一つとっても、微妙な色の違い区別して表現できたら、
きっと楽しいだろうなと思います。