母が残していったウールの着物があります。
まだ着られるようなのでお稽古で着てみました。
私たちの若いころはウールの着物というのが普段着に流行りました。
今はもう作る人もいないかもしれませんね。
二三日着たある日ふと見ると、
腰の横のあたりがほころびているのに気が付きました。
もう四・五十年も前に仕立てたものですから、
糸も弱くなっていたのでしょう。
稽古途中でしたから、なんとなく袖で隠して、
そのまま最後までやり過ごしましたが。
その晩慌てて繕いました。
長く着なかった着物には気をつけないといけませんね、
他は大丈夫かよく点検して、もう少し着るつもりです。
ところで、四年ほど前に、
別のブログで書いた記事を見つけて持ってきました。
「私は30年以上も前に手に入れた帯を、今も気に入って使っています。
毎年『もうこの帯も今年で終わりかしら』と思いながらも、
次の年になると又出してきてお稽古で使います。
もう汚れていて、外出には恥ずかしいのですが、
お稽古の普段着にはまだ行けそうと。
締めてしまえば、全体的に汚れていても、
あまり気にならないのです。
若いころに紬や、その頃流行ったウールに合わせて締めていました。
今も普段着の紬にはこれが一番締めやすいのです。
どんな着物にも合いますし。
帯は、着物よりも丈夫で長持ちするのですよね。
「この花がここに来なければいけない」という柄ではありませんしね。
体型が変わっても大丈夫!
また来年もきっと締めるでしょう。」
なんとこの記事のこの帯を、
諦めずに今年も、
そのほころびの見つかったウールの着物に締めていますよ。