クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

12-06 No.11-2

2012年06月12日 18時17分54秒 | Weblog
<APARTE>
AP 036 2枚組 ¥3560
F.クープラン(1668-1733):クラヴサン曲集
[CD1]
《クラヴサン曲集 第2巻》第7組曲
メヌトゥ嬢/子供の時代-ミューザの誕生、幼年期、思春期、逸楽/バスク風
/シャーゼ/気ばらし
《クラヴサン曲集 第2巻》第8組曲
ラファエル(女流画家)アルマンド -オーゾニエーヌ(女流詩人)
/クーラント 第1,2番/サラバンド(風変わり)/ガヴォット/ロンドー
/ジグ/パッサカリア/モラン嬢
[CD2]
《クラヴサン曲集 第4巻》第25組曲
空想にふける女/神秘的な女/モンフランベール夫人/勝利したミューズ
/さまよう亡霊たち
《クラヴサン曲集 第4巻》第26組曲
病み上がりの女/ガヴォット/ソフィ/とげのある女/パントマイム
《クラヴサン曲集 第4巻》第27組曲
アルマンド~上品な女/けしの実/中国風/頓智
ブランディーヌ・ヴェルレ(チェンバロ/1751年製アンリ・エムシュ
(フレデリク・アース・コレクション)
録音:2011年11月12-16日/サン・レミ・ドゥ・フラン・ヴァレ教会(ベルギー)
ジャケットのヴェルレの肖像:H.クレイグ・ハンナによる
フランスが生んだ根強い人気の名クラヴサン奏者ブランディーヌ・ヴェルレ、
待望の新録音の登場です!ヴェルレのF.クープランといえば、1976-80年にか
けて全曲録音されたアストレの名盤(近年XRCD化(JMXR.24510)もされ話題とな
りました)が有名ですが、今回、アンリ・エムシュの銘器を奏でての新録音と
なりました。
1942年生まれのヴェルレ。間もなく70歳となる現在も、ますます磨かれた知性
と信念に満ちた演奏を展開しています。彼女ならではの絶妙なテンポ設定も、
節度ある美しい装飾、絶妙なアーティキュレーションや間の取り方など、すべ
てが最上級に活きるためのものであることにすぐ気づかされます。フランス・
バロック演奏のひとつの真の姿がここにある、といっても過言ではないでしょ
う。ヴェルレのライフワークともいえるF.クープランとその作品に対する、
最上級の敬意と真摯な愛情に満ちた演奏です。
録音は、アンブロワズィ・レーベルなどでも長年エンジニアを務めている名人
ニコラス・バルトロメーが担当。楽器がフルに鳴り響いている様子、ヴェルレ
のニュアンスを楽器がもらさずキャッチしている様子がわかる優秀録音です。
ブックレットにはヴェルレ女史がF.クープランに宛てて書いたメッセージが収
められており、こちらも興味津々です。
ヴェルレは1942年、パリに生まれました。マルセル・ド・ラクール(パリ国立
高等音楽院にチェンバロ科を設立した人物)にチェンバロを師事、1963年にミュ
ンヘン国際コンクールのチェンバロ部門で満場一致の第1 位と特別賞を受賞し
ました。その後ユゲット・ドレフュスのもとでさらに研鑽を積むほか、ルッ
ジェーロ・ジェルリン(1899-1983、ランドフスカの弟子)やラルフ・カークパ
トリック(1911-1984、N. ブーランジェにピアノを、ランドフスカにチェンバ
ロを師事。D. スカルラッティ作品のK 番号の頭文字でおなじみ)らの薫陶も受
けていました。70年代からフィリップスに、90年代からはアストレでレコー
ディングを行いました。実に約30年以上ぶりとなるフランソワ・クープランの
新録音となる当盤、注目です!




<harmonia mundi>
HMC 902106 ¥2450
シューベルト:弦楽五重奏曲 ハ長調 D956
アルカント・カルテット〔アンティエ・ヴァイトハース(1st Vn)、
ダニエル・ゼペック(2nd Vn)、
タベア・ツィンマーマン(Vla)、ジャン=ギアン・ケラス(Vc)〕
オリヴィエ・マロン(第2チェロ)
録音:2010年12月13-16日
ケラス率いる豪華メンバーによるアルカント・カルテット、待望の新譜はシュ
ーベルトの最高傑作、弦楽五重奏曲。ケラスの高弟オリヴィエ・マロンを第2
チェロに迎え、心に刺さる冴えまくった名演を展開しています。
第1楽章冒頭、心に突き刺さるような、研ぎ澄まされたハーモニーから、この
演奏のただならぬ凄味を感じます。シューベルト独特の、うつろいゆく気分、
哀しみと喜びが共存するような表情をもらさずとらえており、圧巻。続く第2
楽章では極限の集中と柔和な表情のバランスに、彼らの冴えたセンスが光りま
す。第3楽章スケルツォの一気呵成に聴かせる絶妙に軽快なテンポ設定はさす
がです。5人の音色が風のように駆け抜けます。終楽章は聴きもの。執拗に繰
り返されるシンコペーションのリズムが浮き彫りにするシューベルトの心の闇、
そして終幕の駆け上がるパッセージと最後の和音は何とも悲痛な叫びのように、
聴き手の心に刺さってきます。この作品の意外性を存分に聴かせると共に、
シューベルトの心の闇にもくまなく光を当てた、注目の演奏といえるでしょう。
第2チェロを担当するオリヴィエ・マロンも、エッジの効いた音色で本質にズ
バっと切り込むアルカント・カルテットの面々の音色に見事に融け込んで、時
に甘く時に悲痛に、美しい低音を響かせています。レコード・アカデミー賞
(銅賞)を二年連続で受賞するなど、日本で、そして世界中でもますます高い評
価を得ているカルテットの、危険といってしまえるかもしれないくらいに鋭く
心に刺さる演奏に、心して向き合いたい一枚です。




<haenssler>
=SWR MUSIC=
93 288 ¥2250
シューベルト:
・交響曲第5番変ロ長調D 485
・交響曲第4番ハ短調D 417「悲劇的」
SWRシュトゥットガルト放送交響楽団
サー・ロジャー・ノリントン(指揮)
録音:2011年11月5日-8日シュトゥットガルト、
SWRフンクシュトゥーディオ(セッション・デジタル)
「ピリオド・アプローチの雄」として知られる巨匠ノリントンが、現在、名誉
指揮者のポストにあるシュトゥットガルト放送響を指揮して、シューベルトの
交響曲をレコーディング。交響曲第4番と第5番は、13年間にも亘る首席指揮者
を勇退して間もない2011年11月にセッション収録されたものです。
これまでにもノリントンはシューベルトの交響曲をレコーディングしており、
ピリオド楽器使用のオケ、ロンドン・クラシカル・プレイヤーズと、1988年9、
10月に「グレイト」を、1989年3月に第5番と「未完成」を、1990年5月に第4番
と第6番を、いずれもセッション録音しているほか、2001年にシュトゥットガル
ト放送響と「グレイト」をライヴ録音、2002年に首席指揮者時代のカメラータ
・ザルツブルクと第3番と「未完成」をライヴ録音しています。
このようにノリントンにとって、交響曲第4番は11年ぶり、交響曲第5番は12年
ぶりのいずれも再録音ということになりますが、前回との比較では新録音は7-
10パーセント程度全曲の演奏時間が拡大しており、細部への目配りとともに、
よりスケールゆたかな歌へとシフトした表現を展開しているものとおもわれま
す。ノリントンといえば、NHK交響楽団を指揮した2012年4月の来日も好評で、
旺盛な表現意欲と健在ぶりを広く示していましたが、お気に入りのシューベル
トを取り上げたここでの内容は、かつての手兵との良好な関係を伝えるもので、
なによりファンにとっては嬉しい一枚といえるでしょう。




<Grand Slam>
-平成の盤鬼 平林直哉のレーベル-
GS 2080 ¥2250
(1)ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14a
(2)ドビュッシー:交響詩「海」
ルイ・フレスティエ(指揮)、セント・ソリ管弦楽団
録音:(1)1957年4月8、9日、パリ、サル・ワグラム、(ステレオ)
(2)1955年9月25日、パリ、サル・アポロ、(モノラル)
使用音源: (1)Omegatape(U.S.A.)ST 3013(オープンリール・テープ、
19センチ、2トラック)
(2)Le Club Francais du Disque(France)55(LP)
■制作者より
フレスティエ指揮の幻想交響曲はLP時代に国内では発売されず、半ば幻と化し
ていましたが、熱心なファンの間では「ミュンシュ/パリ管(EMI)」に匹敵す
る名演と言われ続けてきました。演奏は速いテンポでぐんぐん突き進むのと
(総演奏時間は世界最短?)、現代のフランスの団体からはもはや聴くことの出
来ない明るくしゃれた音色(特に管楽器)が聴きものです。また、第5楽章のコ
ーダはミュンシュ/パリ管のライヴ(Altus)が登場するまでは、史上最速との
評判でした。その幻想交響曲をセミ・プロ仕様の19センチ、2トラックのオープ
ンリール・テープより復刻しました。また、「海」はモノラル録音ですが、こ
ちらは世界初CD化です(CDRは除く)。これも幻想交響曲同様、手際の良いテン
ポと、オーケストラの独特の色彩が魅力です。こちらは初期LPからの復刻です。
■解説書の内容
この幻想交響曲と「海」は「クラブ・フランス」と呼ばれる通販専門のレーベ
ルによって録音、販売されていました。また、セント・ソリ管弦楽団はこのレ
ーベルの録音専用(?)オーケストラだったようですが、従来この周辺の事情に
関してはまとまった記載はありませんでした。しかし、それについては現在判
明している範囲で、可能な限り詳細に記しました。(以上、平林 直哉)




<Profil>
PH 12034 2枚組 ¥4250
メンデルスゾーン:オラトリオ「エリヤ」(全曲)
クリスティーネ・ヴォルフ(S)、ブリッタ・シュヴァルツ(A)、
マルクス・シェーファー(T)、クラウス・メルテンス(Bs)
ドリス・ハーゲル(指揮)
、カペラ・ヴァイルブルゲンシス(オリジナル楽器使用)、
ヴァイルブルク・シュロス教会合唱団
録音:2011年11月
巨匠アーノンクールの下でピリオド奏法の実践を学んだドリス・ハーゲル率い
るカペラ・ヴァイルブルゲンシスが、メンデルスゾーンのオラトリオ「エリヤ」
を全曲収録した新譜をリリース!メンデルスゾーン晩年の大作であり、「聖パ
ウロ」と共に彼の「二大オラトリオ」とも称される傑作です。殉教の物語であ
る「聖パウロ」に比べると、異国からもたらされた新興宗教との闘争と勝利を
題材とする「エリヤ」の音楽は劇的で重厚な響きに満ち溢れたもの。合唱とオ
ーケストラが織りなす猛々しく荘厳なハーモニーと、小編成のアンサンブルの
上でソリストたちが歌いあげる室内楽的なハーモニーの対比が素晴らしく、メ
ンデルスゾーンの多彩な表現力に魅せられる作品といえましょう。モーツァル
ト・アルバム(PH10036)で美声を披露した名手メルテンスは、「聖パウロ」に
引き続き今回もバスを担当。ベルリン古楽アカデミーやムジカ・アンティクヮ
・ケルンといった名門からの信頼も厚いヴォルフは、シュヴァルツと共に柔ら
かくも輝かしい歌声を聴かせてくれます。テノールは、ヤーコプス、クイケン、
コープマンなど数々の巨匠と共演する名手シェーファー。ドイツ古楽界に活躍
するソリスト達と、カペラ・ヴァイルブルゲンシス&合唱団の明晰かつ鮮烈な
演奏に聴き入る一枚です。「聖パウロ」(PH 09008)に引き続き、「エリヤ」の
収録も終えたハーゲル&カペラ・ヴァイルブルゲンシス。これは、今後、オラ
トリオ三部作の最後を飾る「キリスト」(未完)の収録にも期待がかかりましょ
う!




<IDIS>
IDIS 6647 2枚組 ¥3300
ベッリーニ:「ノルマ」-清き女神
マリア・カラス(S)
フランチェスコ・モリナーリ・プラデッリ(指)
RAIトリノ交響楽団/1949年3月7日、トリノ
トゥリオ・セラフィン(指)
コロン劇場管弦楽団/1949年7月9日、ブエノスアイレス
グイード・ピッコ(指)
ベジャス・アルテス宮管弦楽団/1950年5月、メキシコシティ
ヴィットーリオ・グイ(指)
コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
/1952年11月18日、コヴェントガーデン王立歌劇場
アントニーノ・ヴォットー(指)
トリエステ・ジュゼッペ・ヴェルディ劇場管弦楽団
/1953年11月19日、トリエステ
トゥリオ・セラフィン(指)
ミラノ・スカラ座管弦楽団/1954年4-5月、ミラノ
トゥリオ・セラフィン(指)
RAIローマ管弦楽団/1955年6月29日、ローマ
アントニーノ・ヴォットー(指)
ミラノ・スカラ座管弦楽団/1955年12月7日、ミラノ
ガブリエーレ・サンティーニ(指)ローマ歌劇場管弦楽団
/1958年1月2日、ローマ
ジョルジュ・セバスチャン(指)
パリ・オペラ座管弦楽団/1958年12月19日、パリ
ひたすらマリア・カラスの歌ったベッリーニ「ノルマ」の“清き女神”を集め
た酔狂なCDです。1949年のトリノの録音は、放送用リサイタルの録音。あまり
盤のない珍しい録音です。同年、ブエノスアイレスでのものは、アルゼンチン
独立記念演奏会のライヴ録音。1954年のものは、EMIの全曲録音から。1958年
のローマのものは、第1幕の後突如キャンセルして大スキャンダルとなったそ
のライヴ録音。同年パリのものは、オペラ座でのリサイタルのライヴ録音。そ
の他は全曲公演からのライヴ録音です。CD2枚ドップリとカラスの魅力に浸り
ましょう!

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