<MIRARE>
MIR 137 ¥2500
「トムキンズ氏の《価値のレッスンLessons of Worthe》」
-バード、ブル、トムキンズ、タイスのチェンバロ音楽
イ調の作品
ジョン・ブル:半音階的パヴァン、半音階的ガリアード / トムキンズ:奉献唱
ト調の作品
不詳(トマス・トムキンズ?):
ロビン・フッド / バード:ウィリアム・ピーター卿のパヴァン、
ウィリアム・ピーター卿のガリアード / タリス:あなたは幸いな方
/ トムキンズ:初心者のための「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラで」
二調の作品
ブル:イン・ノミネ / トムキンズ:グラウンド MB40 /
ブル:ファンタジア MB11
ベルトラン・キュイエ(チェンバロ)
録音:2010年10月28-31日、クセイ城
ベルトラン・キュイエは1978年ナント生まれ。チェンバロ奏者の母ジョスリン
に手ほどきを受け、その後ルセとピエール・アンタイに学びました。ニケ指揮
コンセール・スピリチュエル、クリスティ指揮レザール・フロリサンとオペラ
で共演するほか、レ・バス・レウニー、ラ・レヴーズの通奏低音奏者兼ソリス
トとしても活躍するフランス古楽界の期待のサラブレッドです。期待のMIRARE
第二弾はイギリス・ルネサンスの作曲家トムキンズによる同時代の巨匠達と自
作からなるアンソロジー。この曲集にはトムキンズ自身による収録曲への評価
がコメントとして遺されており、彼と当時の音楽界の「価値観」をうかがい知
ることができる貴重な資料でもあります。キュイエは三台のチェンバロの世界
・・・まろやかで憂いのあるイングリッシュ(イ調の作品:トラック1-3)、開放
的なイタリアン(ト調の作品:トラック4-8)、オルガンとチェンバロによる音色
と対位法の絡みが楽しいクラヴィオルガン(ニ調の作品)・・・を鮮やかな技巧
で描き分け、アルバム全体をあたかも物語のように聴かせ、その手腕には才能
のきらめきが実感できます。
<PRAGA DIGITALS>
PRDDSD 250287(SACD-Hybrid) ¥2780
ハイドン:弦楽四重奏曲第77番ハ長調作品76の3「皇帝」
モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465「不協和音」
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第6番変ロ長調作品18-6
ツェムリンスキー弦楽四重奏団
フランチシェク・ソウチェク、ペトル・ストジージェク(Vn)
ペトル・ホルマン(Va)ウラジミール・フォルチン(Vc)
録音:2011年1月30-31日(ハイドン、モーツァルト)、
3月9-10日(ベートーヴェン)
プラハ、マルチネク・スタジオ(デジタル・セッション)
ターリヒ、プラハ、コチアンSQの指導を受け、その伝統を受け継ぐツェムリン
スキー弦楽四重奏団は今や自他ともに認めるチェコを代表するカルテット。作
曲家、指揮者、教育者として16年間かの地の音楽文化の発展に貢献したツェム
リンスキーをグループ名に戴いています。2010年ボルドー室内楽コンクール1位
をはじめ多くの国際賞を獲得。四人の際立ったテクニック、知的なプログラミ
ング、チェコ伝統のアンサンブルの精神により、すでに最も信頼に値するカル
テットと評価されています。今回のアルバムでは、弦楽四重奏曲というジャン
ルを確立したハイドン、言葉のないオペラの世界を創造したモーツァルト、室
内楽という枠を超える表現力のベートーヴェン・・・という今日に至るまでこ
のジャンルの規範である傑作群を、少しも気負うことなく自然体で演奏してい
るのがかえって新鮮。聴き手を瞬時に幸せにする安心印の演奏といえるでしょ
う。
<SUPRAPHON>
=チェコ・オペラ お宝シリーズ=
SU 4069 2枚組 ¥2980
スメタナ:歌劇「秘密」全曲
カレル・カラシュ(B マリナ)プジェミスル・コチー(Br カリナ)
シュチェパーンカ・シュチェパーノヴァー(A ローザ)
シュテファ・ペトロヴァー(S ブラジェンカ)イヴォ・ジーデク(Tヴィート)
ヴラディミール・イェデナーツティーク(Bs ボニファーツ)
オルドジフ・コヴァージ(T 歌手スクジヴァーネク)
ヨゼフ・クジカヴァ(B 大工の棟梁)
プラハ国立劇場合唱団、ヤルミル・ブルクハウザー(合唱指揮)
ヤロスラフ・クロムプホルツ(指揮) プラハ国立劇場管弦楽団
録音:1953年2月15-22日、プラハ、ドモヴィナ・スタジオ
(セッション・モノラル)
2011年オリジナル・マスターテープからのデジタルマスタリング
「秘密」は、スメタナが晩年に女流作家エリシュカ・クラースノホルスカーの
台本により作曲した三作のオペラ三作のうち「接吻」に続く二作目(1878)。舞
台は19世紀、ベズジェズ山に程近い小さな町ビエラー。誤解からかつては結婚
できなかった恋人が20年の歳月を経てお互いの掛け替えのなさ知り、ついに結
婚に至るというヒューマンな3幕のコミック・オペラ。同時期に作曲していた
交響詩《わが祖国》の「ボエミアのボヘミアの森と草原から」を思い出させる
ミステリアスな序曲から、様式化された民謡や舞曲、農作業や鶯の鳴き声の模
倣した写実的な表現、夢に現れる妖精の踊りや巡礼の行列、個性の際立った登
場人物の描写まで、まさに円熟期スメタナの熟練の技が堪能できます。録音は
モノラルながら大変聴きやすいもの。名匠クロムプホルツ率いるアンサンブル
も万全です。現在唯一の現役盤(1983年録音コシュラー盤は現在廃盤)
<EURO ARTS>
20 66728(DVD-Video) ¥2180
原語:独
ドキュメンタリー「シューマンのポートレイト」
第1部:美しき5月(1828-1840)
第2部:孤独に身を委ねる者は(1841-1854)
演奏(抜粋)
シューマン:交響曲第1-4番/バーンスタイン(指)ウィーン・フィル
蝶々 Op.2/ウラディーミル・アシュケナージ(P)
交響的練習曲Op.13、幻想曲Op.17、クライスレリアーナOp.16、
子どもの情景Op.15/アンドラーシュ・シフ(P)
謝肉祭Op.9/ゲルハルト・オピッツ(P)
リーダークライスOp.39/ヘルマン・プライ(B)、レオナルド・ホーカンソン(P)
ピアノ五重奏Op.44/タカーチ弦楽四重団、コチシュ(P)
ピアノ協奏曲/バレンボイム(P)チェリビダッケ(指)ミュンヘン・フィル 他
語り手:マイケル・トレーガー(ロベルト・シューマン)、
ゾフィ・フォン・ケッセル(クララ・シューマン)、ヨアヒム・ヘップナー
監督:ミヒャエル・フュール
制作:2004年
音楽都市ミュンヘンの貴重な映像を発売するシリーズ「メトロポリタン・ミュ
ンヘン」の第2弾は、「シューマンのポートレイト」。2011年は昨年の生誕200
年に引き続き、シューマンの没後155周年であります。
シューマンがヴィークにピアノを習い始め、クララと出会った1828年から死の
1856年までの人生記を通してシューマンの人間性、音楽性を紐解いていきます。
エルンスト・ブルガーの著書に記された、手紙、写真、画像、版画、自筆譜な
どの貴重な資料を軸に、アシュケナージ、シフ、オピッツ、コチシュ、プライ、
ルービンシュタイン、デュメイ、ブロンフマン、バレンボイム、チェリビダッ
ケ、バーンスタインによる演奏を織り交ぜた見応えのある映像となっています。
シューマンの数々の名作が生まれた背景と作品の魅力を深く掘り下げること
できる内容です。
<CAvi-music>
4260085531813 ¥2450
ブラームス:
ヴィオラ・ソナタ第1番ヘ短調Op.120-1、
ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調Op.120-2
シューマン:おとぎの絵本Op.113
レイチェル・ロバーツ(Va)ラルス・フォークト(P)
録音:2010年5月カンマームジークザール、ケルン
室内楽を中心に活動している女性ヴィオラ奏者レイチェル・ロバーツとドイツ
の中堅ピアニスト、ラルス・フォークトによるブラームスのソナタ。
ブラームス最後の室内楽作品である作品120のソナタ。クラリネット・ソナタ
として作曲され、ブラームス自身によってヴィオラ・ソナタへ編曲されていま
す。ブラームス最晩年の作品ですが、晩年の作風にみられるような重厚さより
も、軽快で無邪気な音楽で親しみやすい作品です。第1番は憂いを感じつつも、
牧歌的な明るさを持つ曲。一方第2番は、愛らしい旋律で始まり、激しく活動
的な主題を持つ第2楽章を経て、精巧で抒情漂わせる変奏曲で終わる効果的な
曲。カップリングはシューマン晩年の作品「おとぎの絵本」。4つの小品から
なり、哀愁に満ちたシューマンらしい曲です。
シュパヌンゲン音楽祭などで度々共演しているレイチェル・ロバーツとラルス
・フォークトのぴったりと合った音楽性が、ヴィオラ特有の重厚感ある渋さ際
立つ音色だけではなく、ヴィオラの表現の幅広さを引き出し、新たなヴィオラ
の魅力に気付かせてくれる内容に仕上がっています。
4260085532247 ¥2450
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第3番変ホ短調Op.30
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲ホ短調第2番 Op.6
クリスティアン・テツラフ(Vn)アンティエ・ヴァイトハース(Vn)
タチアナ・マスレンコ(Va)グスタフ・リヴィニウス(Vc)
ラルス・フォーク(P)ターニャ・テツラフ(Vc)
録音:2010年6月8日ライヴ シュパヌンゲン音楽祭
4260085532254 ¥2450
J.S.バッハ:フーガの技法BWV1080-コントラプンクトゥス(弦楽四重奏版)
ベートーヴェン:
弦楽四重奏第15番イ短調Op.132、チェロ・ソナタ第1番ヘ長調Op.5/1
クリスティアン・テツラフ(Vn)アンティエ・ヴァイトハース(Vn)
レイチェル・ロバーツ(Va)
タチアナ・マスレンコ(Va)グスタフ・リヴィニウス(Vc)
ラルス・フォーク(P)ターニャ・テツラフ(Vc)アーロン・ピルサン(P)
録音:2010年6月13日ライヴ シュパヌンゲン音楽祭
ドイツはケルン近郊の丘陵地帯の街ハイムバッハで毎夏開かれているシュパヌ
ンゲン音楽祭。
2010年の音楽祭はベートーヴェンとロシアの作曲家たちに焦点を当てたプログ
ラムでした。
1枚目(4260085532247)はチャイコフスキーの番号付きの弦楽四重奏曲3つのう
ち、最も室内楽的魅力が感じされる第3番。冒頭のチェロの悲痛な旋律が印象
的なショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第2番。友人であった作家のソレル
ティンスキー氏の死を悼んで作曲されました。音楽祭常連のメンバーたちによ
る説得力のある演奏は聴衆を惹きつけ、この音楽祭ならではの一体感と強い感
情の起伏を感じさせる演奏です。
2枚目(4260085532254)は音楽祭のメインプログラムであるベートーヴェン。シ
ンプルかつ立体的な編成である弦楽四重奏によるフーガの技法(コントラプン
クトゥス?)も収録。精緻なアンサンブルと個々のパートの絶妙なバランスに
より、理想的な対位法音楽に到達しています。
エネルギーに満ちた音楽で後期の多楽章構成の作品ベートーヴェン:弦楽四重
奏第15番。感情を抑え、気品と透明感に溢れた演奏は、作品の真髄をじっくり
とあぶり出していくよう。またチェロ・ソナタでピアノを演奏する若干16歳の
オーストリア出身のピアニスト、アーロン・ピルサンにも注目。シュパヌンゲ
ン音楽祭には2度目の出演。その音楽的才能を主宰者ラルス・フォークトが惚
れ込み再度オファーしたそうです。
ラルス・フォークトの手腕を発揮した毎年意欲的なプログラムと、確かな実力
を持った音楽家が集まり、刺激的な演奏を繰り広げるシュパヌンゲン音楽祭。
室内楽の最先端をいく彼らの今後の活動にも注目です。
<Grand Slam>
-平成の盤鬼 平林直哉のレーベル-
GS 2050 ¥2250
ステレオ
(1)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
(2)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン)
フリッツ・ライナー(指揮)、シカゴ交響楽団
録音:(1)1957年4月19日、(2)1955年2月21、22日、
シカゴ、オーケストラ・ホール
使用音源:RCA(U.S.A.)(1)DCS-64, (2)ECS-4
(オープンリール・テープ、19センチ、2トラック)
■制作者より
メンデルスゾーン&ベートーヴェン(GS 2057)に続く、ハイフェッツのオープ
ンリール・テープ復刻の第2弾です。前作GS 2057ではメンデルスゾーンのみ
4トラック・テープからの復刻でしたが、今回のチャイコフスキー&ブラーム
スは2曲ともにセミ・プロ仕様の2トラック・テープを素材としています。ハイ
フェッツの音は「固い、冷たい」とよく言われますが、その印象を大きく変え
てくれるのがこの復刻盤です。
■解説書の内容
現在、多方面で活躍中のヴァイオリニスト、漆原朝子さんに「ハイフェッツの
こと」を寄稿していただきました。ヴァイオリニストならではの、たいへんに
興味深いエッセイです。(以上、平林直哉)
<ludi musici>
LM 005 3枚組 ¥4450
カヴァッリ:「ロジンダ」
エマヌエラ・ガッリ(S ネレア)
フランチェスカ・ロンバルディ・マッズッリ(S ロジンダ)
櫻田 亮(T クリトフォンテ)
ニコラ・エバウ(Br ティサンドロ,プルトーネ,メアンドロ)
フルヴィオ・ベッティーニ(Br ルディオーネ)
シルヴィア・ヴァイエンテ(S プロセルピーナ,アウリッラ)
ミレーナ・ストルティ(Ms チレーナ)
ロベルト・ロマニーノ(CT ヴァフリッロ)
マイク・フェントロス(指)
アンサンブル・ラ・スフェラ・アルモニオーサ
録音:2008年8月13-16日、フィンランド、ヴァンター
17世紀のヴェネツィアでのオペラの興隆を大いに引っ張ったのがフランチェス
コ・カヴァッリ(1602―1676)でした。カヴァッリはモンテヴェルディの弟子で、
その様式を受け継ぎつつ、1637年にヴェネツィアで一般に公開された劇場がで
きるや、大衆受けする作風も得て、たいへんな人気を博しました。今日でも30
近いオペラが伝えられているにもかかわらず、上演はまだあまり多くありませ
ん。「ロジンダ」は1651年にヴェネツィアで初演され、1653年にはかなり手を
加えられて上演されました。物語は、魔法の泉の水を飲んでしまったため愛し
合ってしまったカップルに、それぞれの元の恋人、さらに彼らに関係する人々、
本筋にはほとんど関係ない人々まで混ざっての変化に富んだもの。3時間に迫
る長さですが、気楽に楽しむことができます。
2008年の蘇演の一環として行われた録音で、ネレアにはヴェネシアーナのメン
バーとして知られるエマヌエラ・ガッリ、クリトフォンテには日本が誇るバロ
ック・テノール、櫻田 亮が加わっています。タイトルロールのフランチェス
カ・ロンバルディ・マッズッリはミラノ出身のソプラノ。バロック音楽からモ
ーツァルトあたりを得意としています。フルヴィオ・ベッティーニは、2009年
の北とぴあでのグルック「思いがけないめぐり会い」に出演、今年11月にはモ
ーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」でも出演予定。
残された作品数が多い割には録音が乏しいカヴァッリ、新録音は大歓迎です!
ハードカバーのブックタイプで、200ページを越える冊子には、英仏独の解説
と伊英対訳、そして様々な絵画のカラー写真が多数収録されて、豪華です。
<CARUS>
83.365 10枚組 ¥7080
ラインベルガー(1839-1901):ピアノ作品全集
イェルク・ハイゼルマン
サンドラ・ハイゼルマン(デュオ作品のみ※)
紙ジャケット+紙ボックスによる装丁です。
ルイス・ケントナー(Louis Kentner)、イリーナ・エーデルシュタイン
(Irina Edelstein)、ミェチスワフ・ホルショススキー(Mieczyslaw
Horszowski)、ボザール・トリオにピアノや室内楽を学び、作曲も行う若き
イェルク・ハイゼルマンの演奏によるアルバムです。
ラインベルガーは一般的にオルガンや合唱作品の作曲家として知られていま
す。彼が残した多くのピアノ曲は今では学習用の教材として一部に知られて
いるのみで、今回の発売はラインベルガー再評価、再認識の一端を担う貴重
な発売となります。保守的な作風による、美しく楽しい、聴きやすい44作品
です。
Recorded between 1990 and 2004, published between 1990 and 2004 by
Prezioso Adamek Tontrager-Verlag.
MIR 137 ¥2500
「トムキンズ氏の《価値のレッスンLessons of Worthe》」
-バード、ブル、トムキンズ、タイスのチェンバロ音楽
イ調の作品
ジョン・ブル:半音階的パヴァン、半音階的ガリアード / トムキンズ:奉献唱
ト調の作品
不詳(トマス・トムキンズ?):
ロビン・フッド / バード:ウィリアム・ピーター卿のパヴァン、
ウィリアム・ピーター卿のガリアード / タリス:あなたは幸いな方
/ トムキンズ:初心者のための「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラで」
二調の作品
ブル:イン・ノミネ / トムキンズ:グラウンド MB40 /
ブル:ファンタジア MB11
ベルトラン・キュイエ(チェンバロ)
録音:2010年10月28-31日、クセイ城
ベルトラン・キュイエは1978年ナント生まれ。チェンバロ奏者の母ジョスリン
に手ほどきを受け、その後ルセとピエール・アンタイに学びました。ニケ指揮
コンセール・スピリチュエル、クリスティ指揮レザール・フロリサンとオペラ
で共演するほか、レ・バス・レウニー、ラ・レヴーズの通奏低音奏者兼ソリス
トとしても活躍するフランス古楽界の期待のサラブレッドです。期待のMIRARE
第二弾はイギリス・ルネサンスの作曲家トムキンズによる同時代の巨匠達と自
作からなるアンソロジー。この曲集にはトムキンズ自身による収録曲への評価
がコメントとして遺されており、彼と当時の音楽界の「価値観」をうかがい知
ることができる貴重な資料でもあります。キュイエは三台のチェンバロの世界
・・・まろやかで憂いのあるイングリッシュ(イ調の作品:トラック1-3)、開放
的なイタリアン(ト調の作品:トラック4-8)、オルガンとチェンバロによる音色
と対位法の絡みが楽しいクラヴィオルガン(ニ調の作品)・・・を鮮やかな技巧
で描き分け、アルバム全体をあたかも物語のように聴かせ、その手腕には才能
のきらめきが実感できます。
<PRAGA DIGITALS>
PRDDSD 250287(SACD-Hybrid) ¥2780
ハイドン:弦楽四重奏曲第77番ハ長調作品76の3「皇帝」
モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465「不協和音」
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第6番変ロ長調作品18-6
ツェムリンスキー弦楽四重奏団
フランチシェク・ソウチェク、ペトル・ストジージェク(Vn)
ペトル・ホルマン(Va)ウラジミール・フォルチン(Vc)
録音:2011年1月30-31日(ハイドン、モーツァルト)、
3月9-10日(ベートーヴェン)
プラハ、マルチネク・スタジオ(デジタル・セッション)
ターリヒ、プラハ、コチアンSQの指導を受け、その伝統を受け継ぐツェムリン
スキー弦楽四重奏団は今や自他ともに認めるチェコを代表するカルテット。作
曲家、指揮者、教育者として16年間かの地の音楽文化の発展に貢献したツェム
リンスキーをグループ名に戴いています。2010年ボルドー室内楽コンクール1位
をはじめ多くの国際賞を獲得。四人の際立ったテクニック、知的なプログラミ
ング、チェコ伝統のアンサンブルの精神により、すでに最も信頼に値するカル
テットと評価されています。今回のアルバムでは、弦楽四重奏曲というジャン
ルを確立したハイドン、言葉のないオペラの世界を創造したモーツァルト、室
内楽という枠を超える表現力のベートーヴェン・・・という今日に至るまでこ
のジャンルの規範である傑作群を、少しも気負うことなく自然体で演奏してい
るのがかえって新鮮。聴き手を瞬時に幸せにする安心印の演奏といえるでしょ
う。
<SUPRAPHON>
=チェコ・オペラ お宝シリーズ=
SU 4069 2枚組 ¥2980
スメタナ:歌劇「秘密」全曲
カレル・カラシュ(B マリナ)プジェミスル・コチー(Br カリナ)
シュチェパーンカ・シュチェパーノヴァー(A ローザ)
シュテファ・ペトロヴァー(S ブラジェンカ)イヴォ・ジーデク(Tヴィート)
ヴラディミール・イェデナーツティーク(Bs ボニファーツ)
オルドジフ・コヴァージ(T 歌手スクジヴァーネク)
ヨゼフ・クジカヴァ(B 大工の棟梁)
プラハ国立劇場合唱団、ヤルミル・ブルクハウザー(合唱指揮)
ヤロスラフ・クロムプホルツ(指揮) プラハ国立劇場管弦楽団
録音:1953年2月15-22日、プラハ、ドモヴィナ・スタジオ
(セッション・モノラル)
2011年オリジナル・マスターテープからのデジタルマスタリング
「秘密」は、スメタナが晩年に女流作家エリシュカ・クラースノホルスカーの
台本により作曲した三作のオペラ三作のうち「接吻」に続く二作目(1878)。舞
台は19世紀、ベズジェズ山に程近い小さな町ビエラー。誤解からかつては結婚
できなかった恋人が20年の歳月を経てお互いの掛け替えのなさ知り、ついに結
婚に至るというヒューマンな3幕のコミック・オペラ。同時期に作曲していた
交響詩《わが祖国》の「ボエミアのボヘミアの森と草原から」を思い出させる
ミステリアスな序曲から、様式化された民謡や舞曲、農作業や鶯の鳴き声の模
倣した写実的な表現、夢に現れる妖精の踊りや巡礼の行列、個性の際立った登
場人物の描写まで、まさに円熟期スメタナの熟練の技が堪能できます。録音は
モノラルながら大変聴きやすいもの。名匠クロムプホルツ率いるアンサンブル
も万全です。現在唯一の現役盤(1983年録音コシュラー盤は現在廃盤)
<EURO ARTS>
20 66728(DVD-Video) ¥2180
原語:独
ドキュメンタリー「シューマンのポートレイト」
第1部:美しき5月(1828-1840)
第2部:孤独に身を委ねる者は(1841-1854)
演奏(抜粋)
シューマン:交響曲第1-4番/バーンスタイン(指)ウィーン・フィル
蝶々 Op.2/ウラディーミル・アシュケナージ(P)
交響的練習曲Op.13、幻想曲Op.17、クライスレリアーナOp.16、
子どもの情景Op.15/アンドラーシュ・シフ(P)
謝肉祭Op.9/ゲルハルト・オピッツ(P)
リーダークライスOp.39/ヘルマン・プライ(B)、レオナルド・ホーカンソン(P)
ピアノ五重奏Op.44/タカーチ弦楽四重団、コチシュ(P)
ピアノ協奏曲/バレンボイム(P)チェリビダッケ(指)ミュンヘン・フィル 他
語り手:マイケル・トレーガー(ロベルト・シューマン)、
ゾフィ・フォン・ケッセル(クララ・シューマン)、ヨアヒム・ヘップナー
監督:ミヒャエル・フュール
制作:2004年
音楽都市ミュンヘンの貴重な映像を発売するシリーズ「メトロポリタン・ミュ
ンヘン」の第2弾は、「シューマンのポートレイト」。2011年は昨年の生誕200
年に引き続き、シューマンの没後155周年であります。
シューマンがヴィークにピアノを習い始め、クララと出会った1828年から死の
1856年までの人生記を通してシューマンの人間性、音楽性を紐解いていきます。
エルンスト・ブルガーの著書に記された、手紙、写真、画像、版画、自筆譜な
どの貴重な資料を軸に、アシュケナージ、シフ、オピッツ、コチシュ、プライ、
ルービンシュタイン、デュメイ、ブロンフマン、バレンボイム、チェリビダッ
ケ、バーンスタインによる演奏を織り交ぜた見応えのある映像となっています。
シューマンの数々の名作が生まれた背景と作品の魅力を深く掘り下げること
できる内容です。
<CAvi-music>
4260085531813 ¥2450
ブラームス:
ヴィオラ・ソナタ第1番ヘ短調Op.120-1、
ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調Op.120-2
シューマン:おとぎの絵本Op.113
レイチェル・ロバーツ(Va)ラルス・フォークト(P)
録音:2010年5月カンマームジークザール、ケルン
室内楽を中心に活動している女性ヴィオラ奏者レイチェル・ロバーツとドイツ
の中堅ピアニスト、ラルス・フォークトによるブラームスのソナタ。
ブラームス最後の室内楽作品である作品120のソナタ。クラリネット・ソナタ
として作曲され、ブラームス自身によってヴィオラ・ソナタへ編曲されていま
す。ブラームス最晩年の作品ですが、晩年の作風にみられるような重厚さより
も、軽快で無邪気な音楽で親しみやすい作品です。第1番は憂いを感じつつも、
牧歌的な明るさを持つ曲。一方第2番は、愛らしい旋律で始まり、激しく活動
的な主題を持つ第2楽章を経て、精巧で抒情漂わせる変奏曲で終わる効果的な
曲。カップリングはシューマン晩年の作品「おとぎの絵本」。4つの小品から
なり、哀愁に満ちたシューマンらしい曲です。
シュパヌンゲン音楽祭などで度々共演しているレイチェル・ロバーツとラルス
・フォークトのぴったりと合った音楽性が、ヴィオラ特有の重厚感ある渋さ際
立つ音色だけではなく、ヴィオラの表現の幅広さを引き出し、新たなヴィオラ
の魅力に気付かせてくれる内容に仕上がっています。
4260085532247 ¥2450
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第3番変ホ短調Op.30
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲ホ短調第2番 Op.6
クリスティアン・テツラフ(Vn)アンティエ・ヴァイトハース(Vn)
タチアナ・マスレンコ(Va)グスタフ・リヴィニウス(Vc)
ラルス・フォーク(P)ターニャ・テツラフ(Vc)
録音:2010年6月8日ライヴ シュパヌンゲン音楽祭
4260085532254 ¥2450
J.S.バッハ:フーガの技法BWV1080-コントラプンクトゥス(弦楽四重奏版)
ベートーヴェン:
弦楽四重奏第15番イ短調Op.132、チェロ・ソナタ第1番ヘ長調Op.5/1
クリスティアン・テツラフ(Vn)アンティエ・ヴァイトハース(Vn)
レイチェル・ロバーツ(Va)
タチアナ・マスレンコ(Va)グスタフ・リヴィニウス(Vc)
ラルス・フォーク(P)ターニャ・テツラフ(Vc)アーロン・ピルサン(P)
録音:2010年6月13日ライヴ シュパヌンゲン音楽祭
ドイツはケルン近郊の丘陵地帯の街ハイムバッハで毎夏開かれているシュパヌ
ンゲン音楽祭。
2010年の音楽祭はベートーヴェンとロシアの作曲家たちに焦点を当てたプログ
ラムでした。
1枚目(4260085532247)はチャイコフスキーの番号付きの弦楽四重奏曲3つのう
ち、最も室内楽的魅力が感じされる第3番。冒頭のチェロの悲痛な旋律が印象
的なショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第2番。友人であった作家のソレル
ティンスキー氏の死を悼んで作曲されました。音楽祭常連のメンバーたちによ
る説得力のある演奏は聴衆を惹きつけ、この音楽祭ならではの一体感と強い感
情の起伏を感じさせる演奏です。
2枚目(4260085532254)は音楽祭のメインプログラムであるベートーヴェン。シ
ンプルかつ立体的な編成である弦楽四重奏によるフーガの技法(コントラプン
クトゥス?)も収録。精緻なアンサンブルと個々のパートの絶妙なバランスに
より、理想的な対位法音楽に到達しています。
エネルギーに満ちた音楽で後期の多楽章構成の作品ベートーヴェン:弦楽四重
奏第15番。感情を抑え、気品と透明感に溢れた演奏は、作品の真髄をじっくり
とあぶり出していくよう。またチェロ・ソナタでピアノを演奏する若干16歳の
オーストリア出身のピアニスト、アーロン・ピルサンにも注目。シュパヌンゲ
ン音楽祭には2度目の出演。その音楽的才能を主宰者ラルス・フォークトが惚
れ込み再度オファーしたそうです。
ラルス・フォークトの手腕を発揮した毎年意欲的なプログラムと、確かな実力
を持った音楽家が集まり、刺激的な演奏を繰り広げるシュパヌンゲン音楽祭。
室内楽の最先端をいく彼らの今後の活動にも注目です。
<Grand Slam>
-平成の盤鬼 平林直哉のレーベル-
GS 2050 ¥2250
ステレオ
(1)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
(2)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン)
フリッツ・ライナー(指揮)、シカゴ交響楽団
録音:(1)1957年4月19日、(2)1955年2月21、22日、
シカゴ、オーケストラ・ホール
使用音源:RCA(U.S.A.)(1)DCS-64, (2)ECS-4
(オープンリール・テープ、19センチ、2トラック)
■制作者より
メンデルスゾーン&ベートーヴェン(GS 2057)に続く、ハイフェッツのオープ
ンリール・テープ復刻の第2弾です。前作GS 2057ではメンデルスゾーンのみ
4トラック・テープからの復刻でしたが、今回のチャイコフスキー&ブラーム
スは2曲ともにセミ・プロ仕様の2トラック・テープを素材としています。ハイ
フェッツの音は「固い、冷たい」とよく言われますが、その印象を大きく変え
てくれるのがこの復刻盤です。
■解説書の内容
現在、多方面で活躍中のヴァイオリニスト、漆原朝子さんに「ハイフェッツの
こと」を寄稿していただきました。ヴァイオリニストならではの、たいへんに
興味深いエッセイです。(以上、平林直哉)
<ludi musici>
LM 005 3枚組 ¥4450
カヴァッリ:「ロジンダ」
エマヌエラ・ガッリ(S ネレア)
フランチェスカ・ロンバルディ・マッズッリ(S ロジンダ)
櫻田 亮(T クリトフォンテ)
ニコラ・エバウ(Br ティサンドロ,プルトーネ,メアンドロ)
フルヴィオ・ベッティーニ(Br ルディオーネ)
シルヴィア・ヴァイエンテ(S プロセルピーナ,アウリッラ)
ミレーナ・ストルティ(Ms チレーナ)
ロベルト・ロマニーノ(CT ヴァフリッロ)
マイク・フェントロス(指)
アンサンブル・ラ・スフェラ・アルモニオーサ
録音:2008年8月13-16日、フィンランド、ヴァンター
17世紀のヴェネツィアでのオペラの興隆を大いに引っ張ったのがフランチェス
コ・カヴァッリ(1602―1676)でした。カヴァッリはモンテヴェルディの弟子で、
その様式を受け継ぎつつ、1637年にヴェネツィアで一般に公開された劇場がで
きるや、大衆受けする作風も得て、たいへんな人気を博しました。今日でも30
近いオペラが伝えられているにもかかわらず、上演はまだあまり多くありませ
ん。「ロジンダ」は1651年にヴェネツィアで初演され、1653年にはかなり手を
加えられて上演されました。物語は、魔法の泉の水を飲んでしまったため愛し
合ってしまったカップルに、それぞれの元の恋人、さらに彼らに関係する人々、
本筋にはほとんど関係ない人々まで混ざっての変化に富んだもの。3時間に迫
る長さですが、気楽に楽しむことができます。
2008年の蘇演の一環として行われた録音で、ネレアにはヴェネシアーナのメン
バーとして知られるエマヌエラ・ガッリ、クリトフォンテには日本が誇るバロ
ック・テノール、櫻田 亮が加わっています。タイトルロールのフランチェス
カ・ロンバルディ・マッズッリはミラノ出身のソプラノ。バロック音楽からモ
ーツァルトあたりを得意としています。フルヴィオ・ベッティーニは、2009年
の北とぴあでのグルック「思いがけないめぐり会い」に出演、今年11月にはモ
ーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」でも出演予定。
残された作品数が多い割には録音が乏しいカヴァッリ、新録音は大歓迎です!
ハードカバーのブックタイプで、200ページを越える冊子には、英仏独の解説
と伊英対訳、そして様々な絵画のカラー写真が多数収録されて、豪華です。
<CARUS>
83.365 10枚組 ¥7080
ラインベルガー(1839-1901):ピアノ作品全集
イェルク・ハイゼルマン
サンドラ・ハイゼルマン(デュオ作品のみ※)
紙ジャケット+紙ボックスによる装丁です。
ルイス・ケントナー(Louis Kentner)、イリーナ・エーデルシュタイン
(Irina Edelstein)、ミェチスワフ・ホルショススキー(Mieczyslaw
Horszowski)、ボザール・トリオにピアノや室内楽を学び、作曲も行う若き
イェルク・ハイゼルマンの演奏によるアルバムです。
ラインベルガーは一般的にオルガンや合唱作品の作曲家として知られていま
す。彼が残した多くのピアノ曲は今では学習用の教材として一部に知られて
いるのみで、今回の発売はラインベルガー再評価、再認識の一端を担う貴重
な発売となります。保守的な作風による、美しく楽しい、聴きやすい44作品
です。
Recorded between 1990 and 2004, published between 1990 and 2004 by
Prezioso Adamek Tontrager-Verlag.