クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

08-10 No.10-2

2008年10月03日 14時18分56秒 | Weblog
<RCA RED SEAL>
88697364652(SACD-Hybrid) 2枚組(1枚分価格) \1780
マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」
デイヴィッド・ジンマン(指揮)
チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
マーラーの全交響曲の中で、タイトルの通り最もドラマティックな作風で知ら
れる第6番。指揮者の見解や使用楽譜によって、楽章の順序やオーケストレー
ションの細部が異なる点もマーラーの交響曲中随一で、既発売盤以上にジンマ
ンの個性的解釈が注目されます。
4管編成の100人を超す大編成のオーケストラは、オーディオファイルのSACDで
のリリースに相応しい。牛の首につけるカウベルが登場したり、巨大な木槌で
ホールの床を叩いたり、と通常の編成をはみ出した楽器も使用されている。音
響効果に優れたトーンハレ・ホールと、優秀な録音スタッフによって、音質面
で既発売盤以上のクオリティが保障されている。最近の純粋なセッション収録
による第6番は比較的珍しい。
【録音】 2007年5月14-16日 チューリヒ・トーンハレ
使用楽譜:カール・ハインツ・フュッスル校訂・全集版(1998年) 

88697368812(SACD-Hybrid) \1780
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」【1874年第1稿版】
ケント・ナガノ(指揮)
バイエルン国立歌劇場管弦楽団
彼自身「自分の故郷はモントリオールとミュンヘン」と語っている通り、
2006/2007年シーズンから音楽総監督を務めるバイエルン国立歌劇場は、彼の
音楽活動の中心の一つで、就任後2シーズンを経て、ますます評価を高めている
このコンビによる初録音。ケント・ナガノは、故ギュンター・ヴァントに私淑
し、ヴァントの演奏会やリハーサルを熱心に聴き、ヴァントとの対話を通して、
ブルックナー作品の指揮に関して先人の智慧を習得しました。すでにブルック
ナー交響曲録音はベルリン・ドイツ管弦楽団との第3&6番(HMF)と第8番
(DVD:Arthaus)があり、いずれもその重量級ながらも明晰さを失わない演奏は、
高い評価を得ています。今回は200年以上の伝統をの息吹を守りつつ、ドイツ
特有の深々とした響きと、歌劇場のオーケストラならではの機能性の高さが結
びついたバイエルン国立歌劇場管弦楽団との録音となります。ケント・ナガノ
は、独創的なブルックナーの筆致が最も生かされてとして、ブルックナーが最
初に構想した第1稿版を使用し(初演時には、この独創的初稿版は聴衆に理解さ
れず不成功に終わり、ブルックナーはその後理解しやすい第2稿版を書いてい
ます)録音を行いました。既に当社が扱っているデニス・ラッセル・デイヴィス
盤(82876604882)やシモーネ・ヤング盤(OC629)でも第1稿版が採用されている
ように、近年この第1稿版が取り上げられる機会が増えてきています。
【録音】 2007年9月、ミュンヘン

88697389972(SACD-Hybrid) \1780
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ノヴァーク版)
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
フランクフルト放送交響楽団
俊英パーヴォ・ヤルヴィのもと、インバル時代の息吹を取り戻した名門フラン
クフルト放送響インバル時代の息吹を取り戻したとしてドイツ国内のみならず
ヨーロッパでは高く評価されている。
父ネーメにならって早くからレコーディングに積極的に取り組んできたパー
ヴォ・ヤルヴィだが、ブルックナーに関しては今回がようやく初めての録音と
なる。ブルックナーの交響曲全曲演奏と録音にあたってパーヴォは、従来のブ
ルックナー演奏につきまとっていた、誤った「伝統」をすべて洗い流し、ブル
ックナーの音楽がハイドン、モーツァルト、ブラームスなどと同じ原則で書か
れた音楽なのだ、という根本に立ち返る。ヴァント/NDR日本公演の「第9」を
ナマ体験し「あらゆる音符が生き生きと意味づけされ、エネルギーに満ち溢れ
た稀有な演奏」と絶賛を惜しまない一方、バーンスタインの「第6」を啓示的
体験と語り、過去の偉大なブルックナー演奏を消化した上で、全く新しい自ら
の解釈を生み出したのである。
ブルックナーの交響曲第7番について、パーヴォは「美しい旋律に溢れ、開放
的で明るく、普段はあまり表に出てこないブルックナーの素顔を見る思いがす
る作品」と語っている。遅めのテンポを基調に細部を緻密に作り上げ透明感の
あるノーブルさを感じさせる第1楽章、2つの主題のコントラストをくっきりと
つけた第2楽章、力まないのに悪魔的な凄みを感じさせる第3楽章、そして明晰
で足どりの軽いフィナーレと、各楽章の持つ特徴をくっきりと描き出している。
また、楽譜については、現代のスタンダードともいえるノーヴァク版を使用し
ているが、楽譜の指示には敏感に反応しつつ、ノーヴァクが各所に復活させた
テンポ変更の指示には必ずしも従わず、第1楽章のコーダでは全くアッチェレ
ランドをかけず雄大な俯瞰を築き上げ、第4楽章第1主題の頻繁なテンポの交代
は無視しているのも、音楽的に妥当な処理といえるだろう。
パーヴォは、フランクフルト放送響について、「インバル時代のマーラーとブ
ルックナー演奏の伝統を再び盛り返したい」と熱く語っており、就任当初から
この2人の作曲家の作品を定期的に取り上げてきている(毎夏のラインガウ音楽
祭のオープニングではマーラーの交響曲を演奏している)。フランクフルトで
初めてブルックナーを演奏した際に、オーケストラとブルックナーとの親和性
を感じ取り、「ブルックナーを演奏するのはフランクフルト放送響しかない」
と確信したという。シンシナティ響やエストニア国立管とは違い、ドイツのオ
ーケストラらしい重厚なソノリティを基本にしつつ、同時代の音楽を積極的に
採り上げてきたことによる機能性を兼ね備えたフランクフルト放送響だからこ
そ実現したパーヴォ・ヤルヴィならではのブルックナー。複数回行なわれる演
奏会と慎重なリテイク・セッションをすべて収録し、その中からパーヴォ自ら
スタジオにこもってテイク決めをして完成させるという入魂のチクルス。
【録音】2006年11月22日-24日、フランクフルト、アルテ・オーパーでのライ
ヴ・レコーディング

88697367932 \1680
ガルッピ:ピアノ・ソナタ集
「Sonata in Sol maggiore(Allegro)"Del Signor Buranello" Levi CF B 130」
「Sonata in Do maggiore」「Sonata in re minore」
「Sonata in Si bemolle maggiore」
「Sonata in do minore」「Sonata in la minore」
「Sonata in Si bemolle maggiore "Sonata a Cimbalo del Sig.r Baldassar
Galuppi" Levi CF C 26」
「Sonata in Si bemolle maggiore "Buranello All.°" Levi CF C 26」
アンドレア・バケッティ(p)
ガルッピはハイドンのおよそ30年前に生まれ、18世紀イタリアを代表する作曲
家、兼チェンバリスト、指揮者、教育者で、これまでのソナタ形式を変えた一
人として重要な位置を占めています。また、オペラ「月の世界」で知られる作
曲家でもあります。チェンバロ作品は85曲を数え、当時の流行を適度に考慮し
た典雅なもの。中にはかなり独創的な作風の曲も含まれており、鍵盤音楽好き
としてはまさに未知の宝の山。すでにいくつかのアルバムもリリースされては
いますが、ここにこの強力新譜が登場したことにより、より一層ファンが増え
るのではないでしょうか?  ここでの演奏は、ピアニストはいわずと知れた
名手バケッティ。彼はベリオもショパンも軽々と演奏してしまう中堅ピアニス
トです。彼の演奏するケルビーニのソナタ集は地味ながらも滋味たっぷり。古
典派好きが泣いてよろこんだという究極のアルバムでした。今回のガルッピも
すばらしい演奏で、マニアだけでなくピアノ学習者の方にも一度は聞いていた
だきたいアルバムです。ピアノも、イタリアのピアノ・メーカー、ファツィオ
リ社製のものを使用しています。
【録音】 2007年 ファツィオリ・コンサート・ホール (イタリア)

88697293432 \1680
フランセス・ボーネ/キャバレー・ソングを歌う
クルト・ワイル:
「J'attends un navire(from "Marie Galante")」「Je ne t'aime pas」
「Johnny」「L'homme qu'il me faut」
「Le grand Lustucru(from "Marie Galante")」
「Le Roi d'Aquitaine(from "Marie Galante")」
「 La fianc?e du pirate(Pirate Jenny)(from "Three Penny Opera")」
「Surabaya Johnny(from "Happy End")」
「 Bilbao Song(from "Happy End")」「Youkali」「Calypso」
「Chant de Barbara(from "Three Penny Opera")」
「Chant de Solomon(from "Three Penny Opera")」
「Complainte de la Seine」
「Complainte de Mackie(Mack the Knife)(from "Three Penny Opera")」
「J'ai peur de l'automne」
ブリテン:「Tell Me the Truth About Love」「Funeral Blues」
マルティヌー:「Trois chansons pour cabaret Red Seven」
フランセス・ボーネ(Ms)  
Antony Gray(Piano)Cameron Sinclair(Percussion)
Dave Bishop(Tenor Saxophone)David Whitson(Trombone)
Frances Andrade(Violin)Ian Laws(Guitar,Banjo,Slide Guitar)
Jane Atkins(Viola)Joe Atkins(Trumpet)Noel Langley(Trumpet)
Peter Whyman(Clarinet) Rolf Wilson(Violin)
Rutledge Turnlund(Bass)Tim Holmes(Alto Saxophone)
Robert Ziegler(Conductor)
イギリスで好評を博しているメゾ・ソプラノ歌手、フランセス・ボーンの初
ソロ・アルバムは、いきなりキャバレー・ソング。 バックの楽器軍は、ロン
ドンの音楽大学の教授やオケの主席だけでなく、ジャズの名演奏者をも含んだ
豪華なものです。ワイルの音楽を歌うためには、独特の声質と歌い方が必要と
いわれます。ただ、それはフェイスフルやレーニャのイメージが強すぎるとも
いえるでしょう。そろそろ「新しいワイル歌手」を時代が迎え入れてもよいの
ではないでしょうか。彼女の強靭でセクシーな声は、たばこの煙がもうもうと
たちこめる昔のキャバレーではなく、今のオシャレなクラブにふさわしいと思
えませんか。
【フランセス・ボーネ】 
ケンブリッジ・トリニティー・カレッジ、ロイヤル音楽アカデミーで声楽を学
ぶ。卒業後、マリナー、ピノック、ノーリントン、ガーディナー、ハリー・ク
リストファーズ、アンドリュー・マンゼ等、様々な指揮者と競演し好評を博す。
特にガーディナーとは多数のコンサートで競演し、「バッハのカンタータ」や
「ウェーバー/オベロン」でも歌っている。彼女はこうしたバロックから古典
派だけでなく、近現代の作品も数多くの演奏会を行っている。 
【録音】 2008年5月  ロンドン、タウンハウス・スタジオ



<DHM(ドイツ・ハルモニア・ムンディ)>
88697397692 \1680
テレマン:ブロックフレーテのための室内楽曲集
1: Trio in F(Altblockfloete, obligate Gambe, Fagott, Cembalo, Orgel,
Laute)
2: Sonate C-Dur(Essercizii Musici)(Altblockflote, Cembalo, Cello)
3: Partita in B(Kleine Kammermusik)(Forthflute, Diskantgambe, Cello,
Harfe, Gitarre, Theorbe, Cembalo)
4: Trio B-Dur(Altblockflote, Laute, evtl. Cello,2Cembali)
5: Fantasie A-Dur(Voiceflute solo)
6: Sonate f-moll(getreuer Musikmeister)(es-Flote, Fagott, Orgel,
Cembalo)
7: Methodische Sonate in e(Sopranblockflote, Harfe(Cunando),
Cembalo, Laute)
8: Trio in d(Altblockflote, Diskantgambe, Cello, Cembalo, Theorbe)
ドロテー・オベルリンガー(Bfl)
& アンサンブル1700   
Vittorio Ghielmi(Gamba)、 Luise Buchberger(Vc)、 Lorenzo Alpert(fg)
Johanna Seitz,(Harfe)、 Andre Henrich(Theorbe, Gitarre)、 
Alexander Puliaev(Cembalo)
Angela Koppenwallner(Cembalo & Orgelpositiv org)
朝日新聞に掲載され話題となっている「イタリアン・ソナタ集(88697115712)」
に続く、オベルリンガーのDHM2枚目のアルバムは、テレマンの作品集。有名な
ソナタや珍しい室内楽作品も含み、様々な通奏低音楽器群も使用しているのも
特徴的です。ガンバの鬼才ヴォットーリオ・ギエルミがディスカント・ガンバ
(ヴァイオリン・サイズのガンバ)として参加しているのも見逃せませんでしょ
う。
【録音】 ケルン, ホンラス福音教会  



<OEHMS CLASSICS>
OC720 \1680
アントニオ・ヴェラチーニ:ソナタ集 Op.1-1, Op2-3
フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ:
ソナタ集 Op1-1, Op2-5, Op2-12
ルディガー・ロッター(バロックVn)ドロテー・オベルリンガー(Bfl)
オルガ・ワッツ(cemb&org)アクセル・ヴォルフ(リュート) 
クリスティン・フォン・デル・ゴルツ(バロックVc)
ミュンヘンの奇才バロック・ヴァイオリン,ルディガー・ロッターの、ヴェラ
チーニの2枚目のアルバム。今回は、ブロックフレーテのドロテー・オベルリ
ンガーも参加してのアルバムとなります。有名なフランチェスコは、叔父のア
ントニオにヴァイオリンを学んだ当時天才的ヴァイオリニストで、タルティー
ニさえも彼をなかなか越せなかったという話も残っています。他のバロック・
ヴァイオリン奏者には見られないものでラインハルト・ゲーベルに学んだロッ
ターの天才的感覚とテクニックは、ヴェラチーニの曲感には最高の奏者ではな
いでしょうか。更にブロックフレーテのための作品は、オベルリンガーが演奏
します。通奏低音チェロには、フライブルク・バロック・オーケストラのチェ
ロのトップ、クリスティン・フォン・デル・ゴルツが参加しています。 
【録音】 2007年12月14-19日 ミュンヘン昇天教会

OC917 2枚組 \3560
ベルリオーズ:オラトリオ「キリストの幼時」(全曲)
エド・リヨン(T)デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(Bs)  
ミレイユ・ドゥルンシュ(Sp)
ウィリアム・ダズリー(Bs) 辻マサシ(T)  ザルツブルク・バッハ合唱団
アイヴォー・ボルトン(指揮) 
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
ベルリオーズの作品の中でもとりわけ異彩を放つこの作品。聴き手によっては
「地味?」と思われる場合もしばしばです。ベルリオーズの作品にしては金管
の咆哮も少ないしオーケストレーションもいまいち・・。そう思ってしまうの
は、ベルリオーズの仕掛けた罠にはまってしまった証拠です。当時の評論家の
酷評に怒りを覚えたベルリオーズは、まるでバロック風の味付けで1つの合唱
曲を書き上げました。それを「パリのバロック作曲家の知られざる作品」とし
て発表し絶賛する評論家たちを煙にまいた彼のこと。どんなに愉快な思いをし
たことでしょう。後に、その偽バロック風の合唱曲を核として「第2部:エジプ
トへの逃避」を書き上げ、順次「第1部:ヘロデ王の夢」と「第3部:サイスへの
到着」を追加。ここにオラトリオ「キリストの幼児」がめでたく完成したので
した。さて、このボルトンの演奏。ハイドンなどでの説得力高い演奏ぶりが反
映された、まことに小気味よいもの。オラトリオ歌いとして定評のあるデイ
ヴィッド・ウィルソン=ジョンソンを中心として、ザルツブルク、ウィーン、
ミュンヘンで活躍する若手歌手を起用し、今までのこの作品のイメージを覆し
てくれるでしょう。
【録音】 2007年12月13日 ザルツブルク 
Haus fuer Mozart(旧ザルツブルク祝祭小劇場)でのライブ,

OC618(SACD-Hybrid) \1780
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.5
ピアノ・ソナタ 第11, 13, 14, 19, 20番
ミヒャエル・コルスティック(p)
今回は中期の傑作「月光」を中心とした5曲を収録。いかにも彼らしいのが19
番と20番。出版が遅くなってしまったため、Op49がついてしまいましたが、実
はもっと以前の作品で、ベートーヴェンがピアノ・ソナタを書き始めた1795年
から1797年頃のものです。当然難易度も低く、現在ではピアノを習い始めた人
が最初に手がけるベートーヴェンの作品としておなじみ。そんな曲でも決して
力を抜かないのがコルスティック。詩情あふれる小品としてこれらの曲の新た
な魅力を描きだすことに成功しています。
【録音】 2007年7月2-4日 ハノーファー・ベートーヴェン・ザール

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