<Ondine>
ODE 1056 \2080
ヨハン・メルヒオル・モルター (1696-1765):
クラリネット協奏曲第1番 イ長調 MWV6:36
クラリネット協奏曲第3番 ト長調 MWV6:38
クラリネット協奏曲第4番 ニ長調 MWV6:39
モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K622*
カリ・クリーク (D管クラリネット、バセットクラリネット*)
アッシ・カルットゥネン (ハープシコード通奏低音 (モルター))
ヨン・ストゥールゴールズ (指) タピオラ・シンフォニエッタ
録音:2004年9月 タピオラ・ホール (エスポー市) (モルター)、
2005年8月 セッロ・ホール (エスポー市)
フィンランドのクラリネット奏者、カリ・クリーク (1960-) は、2004年に来
日し、クラリネット奏者と音楽ファンの間で、一段と評価と人気が高まりま
した。そのクリークがモルターとモーツァルトの協奏曲を録音 ヨハン・メ
ルヒオル・モルターはアイゼナッハの生まれ。約170曲の交響曲 (シンフォニ
ア)、室内楽曲、カンタータのほか、90曲を超す協奏曲を作曲。クラリネット
のための協奏曲 (6曲) は1747年から1750年にかけて書かれました。この楽器
のための協奏曲としてはもっとも初期の作品です。2度ほど訪れたイタリアで
出会ったヴィヴァルディ、アルビノーニ、マルチェッロといったバロック期
の作曲家と、古典時代に移ろうかという時期のふたり、ペルゴレージとサン
マルティーニの影響を受けています。オーケストラなどで使われ、一般的な
A管 (イ管) やB管 (変ロ管) ではなく、D管 (ニ管) クラリネットのために
書かれました。ストラヴィンスキーやシュトラウスも好んで使ったD管は、
かわいらしい音色が特徴。モルターの協奏曲でも、高域の明るい響きが活か
されます。第1番と第4番の緩徐楽章の憂いをおびたメロディ。光の粒をまき
散らすような終曲。ほとんど録音されてこなかったのが不思議なくらい、魅
力的な作品です。クリークはモーツァルトの協奏曲をバセットクラリネット
で演奏しています。モーツァルトは、バセットクラリネットのメランコリッ
クな響きを好んだと言われ、〈皇帝ティートの慈悲〉、〈レクイエム〉など、
晩年の作品で重要な使い方をしています。 クリークの演奏は、軽妙な動き
と、たえず光と影が交差する響きが魅力。彼のモーツァルトは、器用に指は
動くものの、何気なく始まり、何もなく終わってしまう演奏とは次元が違い
ます。表情の豊かさと音楽の推進力が巧みにバランスしているのも、クリー
クの音楽の特色です。ヨン・ストゥールゴールズ指揮タピオラ・シンフォニ
エッタの和声感と、モーツァルトの和声感の美しい調和。素敵なアルバムの
誕生です。
<naive>
ラジオ・フランス・コレクション
V 5031 \1980
ハンス・アイスラー(1898-1962):ドイツ交響曲 作品50
エリアフ・インバル(指)ラジオ・フランス管弦楽団
ゾフィー・コッホ(S)、キャロリン・マズア(A)、
アイケ・ヴィルム・シュルテ(Br)、
ジャン=ルイ・デュポワ&ピエール・ルー(Bs)
録音:2004年11月19日ライヴ
エリアフ・インバルnaive初登場です。曲は、アイスラーの問題作「ドイツ
交響曲」。アイスラーは、ナチに激しく抵抗し、様々な地を亡命しながら生き
た作曲家です。盟友ブレヒトの詩に基づいてつけた音楽の内容はかなり生々し
く、辛い現実を感じさせる作品です。「ドイツ交響曲」は、激しくファシズム
を批判した内容のカンタータと器楽楽章とで構成されています。冒頭のプレ
リュードはヴェーベルンの初期作品を思わせるネットリ系の和声で濃厚に展
開され、つづく作品では、ナチの抑圧への怒りや恐ろしさ、ポツダムでので
きごとなどが歌われていきます。そして作品が進むにつれて、曲の反乱ムー
ドは次第に高まり、より具体的な集団の怒りや叫びが7曲目の「反乱者の鉛の
棺での埋葬」、8曲目の「農民のカンタータ」、そして9曲目の「労働者のカ
ンタータ」で爆発します。作品の最後は、ソプラノと合唱が「絶望して血ま
みれの顔の子供たちを見てください、凍ったタンクから逃げ出して来る子供
たちをみてください。獰猛な狼でさえ隠れ家をもっています。子供たちをあ
たためてあげてください、彼らの手足はかじかんでしまっています。子供た
ちを見てください」と訴え、静かに幕を閉じるというなんとも悲痛な幕切れ。
インバルは実にみごとな指揮ぶりで、曲が終わった後の拍手も収録されてい
ますが、鳴り止む気配がありません。
<Mirare>
MIR 007 \2280
ドメニコ・スカルラッティ:チェンバロ・ソナタ集
ニ短調K.213、ニ長調K.214、ロ短調K.227、ニ長調K.511、ト短調K.8、
ハ短調K.56、ハ短調K.526、ヘ長調K.468、ヘ長調K.525、ヘ短調K.466、
ヘ長調K.366、ヘ長調K.276、ヘ長調K.151、ニ短調K.517、ロ短調K.27、
ト長調K.146
ピエール・アンタイ(cemb)
(2002年バルバストにてフィリップ・ユモーにより製作されたイタリア式クラ
ヴサンを使用)
録音:2005年
新世代の実力派チェンバリストとして世界中で注目されているピエール・アン
タイ。瑞々しく、スケールが大きい情熱的な演奏を聴かせてくれています。
作品に対する真摯な姿勢と、楽器の特性を捕らえた柔軟な解釈が際立ってい
ます。スラルラッティのソナタは、古典派以降の他楽章形式のソナタとは違っ
て、多少の例外はあるものの、ほとんどが単一楽章で単純な二部形式という
構成になっています。両手の交差、アルペッジョや装飾音の使用、急速な連
打、音程の大きな跳躍などの、当時としては非常に新しいテクニックを演奏
に求めています。アンタイの大胆な演奏が映える作品群と言えるでしょう。
MIR 006 \2280
ペルゴレージ:スターバト・マーテル
フィリップ・パロット(指)リチェルカール・コンソート
ヌリア・リアル(S) カルロス・メーナ(C-T)
「スターバト・マーテル」は、十字架上のキリストを見つめる聖母マリアの
悲しみを切々と綴った作品。わずか26歳でこの世を去ったペルゴレージが
その最後に書いた遺作であり最高傑作。Mirare・レーベルにリリースを重ね
ているカルロス・メーナは、スペイン随一のカウンター・テナー。そしてソ
リストとして大活躍中の美貌のソプラノ、ヌリア・リアル。フィリップ・パ
ロット率いるリチェルカーレ・コンソートの奏でる至福の音楽。この作品を
聴くための役者がすべてそろったアルバムです。
MIR 005 \2280
フランソワ・クープラン:
王宮のコンセール第1.2&7番
趣味の融合(新しいコンセール)第14番
ダニエル・キュイエール(指)
アンサンブル・ストラディヴァリア
「王宮のコンセール」は、ヴェルサイユ宮殿で行われていた演奏会のために
作曲され、穏和な気品に満ちた作品です。ダニエル・キュイエール率いるア
ンサンブル・ストラヴァリアは、優美で洗練されたアンサンブルの妙味を聴
かせてくれます。軽やかで愛らしい、いかにもフランス風な感じが良く出て
いる演奏です。
<AMBROISIE>
AMB 9989 2枚組 \3760
CD1:60'25"
CD2:63'34"
フランソワ・クープラン:クラヴサン曲集 第1,3,6&7組曲
ヴィオレーヌ・コチャール(Cemb)
クープランのクラヴサン作品は、情景をありありと呼び覚ますような題名を
もち、調の選択と冒険的な和声法や不協和音によって雰囲気を表現していま
す。ヴィオレーヌ・コチャールの気品溢れる演奏が、ルイ15世時代の典雅を
新鮮に蘇らせます。
<AEON>
AE 0535 2枚組 \4360
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ
テディ・パパヴラミ(Vn)
1971年、アルバニア生まれのパパヴラミのバッハの無伴奏。パパヴラミは素
晴らしい個性の持ち主であり、音楽に打つ込む情熱とスケールで突出した才
能があります。生き生きとした、深みのある音色で、独特な演奏です。シャ
コンヌでは、悲壮感漂う憂いがあります。圧倒的なテクニックによる闊達し
た音楽作りは実に見事。
<BONGIOVANNI>
GB 2390 2枚組 \3760
ポンキエッリ:「リトアニア人」
林康子(S アルドーナ),
オッターヴィオ・ガラヴェンタ(T ワルテル/コッラード),
アレッサンドロ・カッシス(Br アルノルド),他
ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ(指)RAIトリノ放送交響楽団,合唱団
録音:1979年5月
ドニゼッティの「大洪水」(GB 2386)に続く、林康子のイタリアオペラ、
登場!ポンキエッリの「リトアニア人」は、「ジョコンダ」の2年前の1874年
にスカラ座で初演された作品で、原作はリトアニア生まれのポーランドの国
民的詩人アダム・ミツキエヴィチ。物語は、14世紀終り、キリスト教に改宗
したリトアニアと、これに異を唱えたドイツ騎士修道会との争いが背景、リ
トアニア人のワルテルが妻アルドーナと別れて10年、彼はマリエンブルクで
コッラードとう名で騎士修道会の大総長になっています。しかしそれはリト
アニアを勝利に導くための作戦。計画はうまく行きますが、正体のばれた彼
は毒を飲んで死んでしまいます。「アイーダ」と同時期の作品、同じギスラ
ンツォーニが台本ということで、比較するのも面白いでしょう。林がイタリ
ア人を唸らせる熱唱、第3幕のアリアは感動的です!さらに1980年代に藤原歌
劇団にも何度か来演した名テノール、ガラヴェンタ、指揮は大御所ガヴァッ
ツェーニと高水準の演奏です。RAIの公開収録で、良好なステレオ録音、もち
ろんRAIのライセンスを得ての正規発売です!
GB 2388 2枚組 \3760
ボーイト:「ネローネ」
ブルーノ・プレヴェディ(T ネローネ),
アゴスティーノ・フェリン(Bs 魔術師シモン),
イルヴァ・リガブエ(S アステリア),
アレッサンドロ・カッシス(Br ファヌエル,
ドジテーオ),ルツァ・バルダーニ(Ms ルブリア),他
ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ(指)RAIトリノ交響楽団,合唱団
録音:1975年8月23日
アッリーゴ・ボーイト(1842-1918)は、ヴェルディに「オテッロ」、「ファル
スタッフ」、ポンキエッリに「ジョコンダ」の台本を提供したことで有名な
人物。一方作曲家としても「メフィストーフェレ」なんていうユニークな作
品を残しています。この「ネローネ」は、1870年代に着手してから亡くなる
まで作曲を続けたものの、最後の第5幕が欠けたまま未完に終わり、ボーイト
を敬愛したトスカニーニが監修、スカラ座で初演しています。悪名高いロー
マ皇帝ネロの話ですが、ネロは小心者で、彼を取り巻くキリスト教徒と異教
徒の人間模様を描いています。この録音はRAIトリノの収録で、プレヴェディ、
フェリン、リガブエと名歌手が揃い、さらにガヴァッツェーニの指揮と万全。
RAI収録の良好なステレオ録音をライセンスを得ての正規発売です!
GB 2406 2枚組 \3760
パイジェッロ:「星占師気取り」
マウーロ・ウツェーリ(Bs ペトローニオ),
ステファニア・ドンツェッリ(S クラリーチェ),
ティツィアーナ・スパニョレッタ(S カッサンドラ),
ドナート・ディ・ジョイア(Br ジュリアーノ)
ロレンツォ・フィーコ(指)
ジョヴァンニ・パイジェッロ音楽祭管弦楽団,合唱団
録音:2004年11月10日
パイジェッロの「星占師気取り」(あるいは「偽の星占師」とも)は、パイ
ジェッロがサンクト・ペテルブルグで宮廷劇場で働いていた時期(1776-1784)
の作品の一つで、1779年にエルミタージュ劇場で初演され、大成功を収めま
した。自称星占師&哲学者のペトローニオには二人の娘、クラリーチェとカッ
サンドラがいます。本物の哲学者の青年、ジュリアーノがクラリーチェに恋
をし、ギリシャの老哲学者に変装して彼女に近づいて結ばれる、というもの。
エカテリーナ女帝も見たであろう楽しいオペラです。パイジェッロの生地、
南イタリアの港町、ターラントでのパイジェッロ・フェスティヴァルでのラ
イヴ録音。
GB 2394 \1880
カタラーニ:「鎌」
パオラ・ロマーノ(S ゾーラ),カルロ・トリアーニ(T 鎌刈り)
シルヴァーノ・フロンタリーニ(指)
ウクライナ・ドニエプロペトロフスク歌劇場管弦楽団,
ペーザロ・フィルハーモニー合唱団
「鎌」は、「ワリー」でその名を残す夭折の作曲家、アルフレード・カタラ
ーニ(1854-1893)が1875年に発表したオペラ。カタラーニはまだ学生でした。
この作品はオペラの試作。戦いで家族を失った娘ゾーラは、現れた鎌刈の男
を死の使いと思うが、彼は彼女に愛を打明け、二人は通りがかった隊商とと
もに去って行く、という内容。1幕もので大半がソプラノだけのモノ・ドラ
マ風。40分強の長さながら交響的前奏と名づけられた序曲が10分強もあるな
ど、かなり奇妙な作品ですが、オーケストレーションは独創的で、4歳年下で
同じルッカ生まれのプッチーニの憧れだったという話も頷けるところです。
もちろん世界初録音。
GB 2374 \1880
マスカーニ:カンタータ「紡績工場で」
アントーニオ・デ・パルマ(T ベッペ),
ロッセッラ・レドーリャ(S ニネッタ),
マッシミリアーノ・フィケーラ(Br 工場長)
スザンナ・ペシェッティ(指)
ナポリ・イ・ソリスティ管弦楽団,合唱団
録音:2003年4月
「紡績工場で」は、1881年にリヴォルノで初演されたカンタータ。マスカー
ニは当時まだ17歳でした。とは言っても、14章と二つの前奏曲からなる堂々
たる曲です。この作品は紛失したと思われていましたが、近年になって再発
見され、2003年にナポリで蘇演、これはその時の録音です。
GB 2400 2枚組 \3760
ペロージ:「キリストの復活」
マルコ・カマストラ(Br キリスト),
エミーリア・ベルトンチェッロ(S マリア・マッダレーナ),
ルチア・ビーニ(Ms マリア),グイード・トレーボ(Br ピラト),他
アルトゥーロ・サッケッティ(指)
ノヴァラ・カルロ・コッチャ交響楽団,他
録音:2004年10月29日
BONGIOVANNIが力を入れている近代イタリアの宗教音楽家ロレンツォ・ペロー
ジ(1872-1956)のシリーズの新刊。「キリストの復活」は1898初演のオラトリ
オ。題名通り聖書のキリストの復活を、ラテン語で描いています。ペロージ
らしい、穏やかで熱心な信仰心の感じられる音楽で、独特の静かな感動に満
ちています。
<profil>
PH 05022(SACD-Hybrid) 2枚組 \4160
R.シュトラウス:「エレクトラ」
デボラ・ポラスキ(S エレクトラ),
ェリシティ・パルマー(S クリテムネストラ),
アンネ・シュヴァネヴィルムス(クリソテミス),
グレアム・クラーク(T エギスト),
フランツ・グルントヘーバー(Br オレスト),他
セミヨン・ビシュコフ(指)ケルン放送交響楽団,ケルン放送合唱団
録音:2005年
PROFILがドエライ録音をリリース!セミヨン・ビシュコフが、手兵ケルン放
送交響楽団(ケルンWDR交響楽団)を指揮しての「エレクトラ」!タイトルロ
ールには、今エレクトラといったらこの人をおいて他にいないデボラ・ポラ
スキ、迫力と女の情念と優しさとが入り混じった歌はさすがの一言。クリソ
テミスにはここ数年台頭著しいソプラノ、アンネ・シュヴァネヴィルムス。
さらに大ベテラン、フェリシティ・パルマーの不気味なクリテムネストラ、
グレアム・クラーク、フランツ・グルントヘーバーと、今日「エレクトラ」
を上演するに最上の面々が集められています。ビシュコフの指揮は、ネチーッ
と濃密に音楽を練り込み、不気味な緊張感で全編を貫いた見事なもの。
SACD hybridでの発売、オーディオ・マニアも注目!
<claves>
50-2514 2枚組 \4160
R.シュトラウス:「エレクトラ」
ギネス・ジョーンズ(S エレクトラ),
レオニー・リザネク(S クリテムネストラ),
アン・エヴァンス(S クリソテミス),
ヴォルフガング・シェーネ(Br オレスト),
ロナルド・ハミルトン(T エギスト),ほか
ジェフリー・テイト(指)スイス・ロマンド管弦楽団
録音:1990年3月10日
これは凄い!1990年3月10日にジュネーヴ大劇場で行われた、「エレクトラ」
のライヴ録音。なんといってもタイトルロールを、当時ドラマティック・ソプ
ラノの頂点に君臨していたデイム・ギネス・ジョーンズが歌っている!意外
やジョーンズのエレクトラは録音ではこれが初。全身を共鳴させているよう
な彼女の爆発的エネルギーは、録音を通しても絶大で、ゾクゾク来ること間
違いなし!しかもクリテムネストラは、偉大なレオニー・リザネク、もちろ
ん恐ろしいほどの存在感。そしてクリソテミスには、バレンボイムのブリュ
ンヒルデとして知られるデイム・アン・エヴァンズ、瑞々しい声が光ってい
ます。このキャストに負けじと、ジェフリー・テイトがド迫力!スタジオ録
音からは信じられないほど、猛烈に押して押して押しまくって、有無を言わ
せぬ熱気!名門スイス・ロマンドがギリギリいってます。カーテンコール
の大喝采付で、熱気溢れるライヴの醍醐味万点!
スイス・ロマンド放送ESPACE2とのライセンス発売です。
50-2516 \2080
ベルク:ヴァイオリン協奏曲
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲
クリスティアン・フェラス(Vn)
エルネスト・アンセルメ(指)スイス・ロマンド管弦楽団
録音:1957年4月3日(ベルク),1966年10月5日(ストラヴィンスキー)
ヴァイオリン・ファン待望の音源が発掘!
クリスティアン・フェラス(1933-1982)は、1950年代に目覚しい台頭をし、
1960年代にはカラヤンのお気に入りのヴァイオリニストになるほどの高い評
価を得た人ですが、その後アルコール中毒に病み、活動が停滞、そして僅か
49歳で亡くなってしまいました。そのため、こと日本での評価がは今一つ
パッとしないままで終わってしまいましたが、全盛期の素晴らしさは格別で
す。このCDには、1955年と1966年に彼がジュネーヴで演奏した二つの協奏曲
が収録されています。それがベルクとストラヴィンスキーという近代もので
すから、これは興味津々。ことにベルクでの凛とした美感はさすが!しかも
伴奏は、偉大なアンセルメ!オーケストラはもちろんスイス・ロマンドです。
アンセルメが結構とんがったベルクを演奏しているのに驚き。どちらも良質
なモノーラルです。
ODE 1056 \2080
ヨハン・メルヒオル・モルター (1696-1765):
クラリネット協奏曲第1番 イ長調 MWV6:36
クラリネット協奏曲第3番 ト長調 MWV6:38
クラリネット協奏曲第4番 ニ長調 MWV6:39
モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K622*
カリ・クリーク (D管クラリネット、バセットクラリネット*)
アッシ・カルットゥネン (ハープシコード通奏低音 (モルター))
ヨン・ストゥールゴールズ (指) タピオラ・シンフォニエッタ
録音:2004年9月 タピオラ・ホール (エスポー市) (モルター)、
2005年8月 セッロ・ホール (エスポー市)
フィンランドのクラリネット奏者、カリ・クリーク (1960-) は、2004年に来
日し、クラリネット奏者と音楽ファンの間で、一段と評価と人気が高まりま
した。そのクリークがモルターとモーツァルトの協奏曲を録音 ヨハン・メ
ルヒオル・モルターはアイゼナッハの生まれ。約170曲の交響曲 (シンフォニ
ア)、室内楽曲、カンタータのほか、90曲を超す協奏曲を作曲。クラリネット
のための協奏曲 (6曲) は1747年から1750年にかけて書かれました。この楽器
のための協奏曲としてはもっとも初期の作品です。2度ほど訪れたイタリアで
出会ったヴィヴァルディ、アルビノーニ、マルチェッロといったバロック期
の作曲家と、古典時代に移ろうかという時期のふたり、ペルゴレージとサン
マルティーニの影響を受けています。オーケストラなどで使われ、一般的な
A管 (イ管) やB管 (変ロ管) ではなく、D管 (ニ管) クラリネットのために
書かれました。ストラヴィンスキーやシュトラウスも好んで使ったD管は、
かわいらしい音色が特徴。モルターの協奏曲でも、高域の明るい響きが活か
されます。第1番と第4番の緩徐楽章の憂いをおびたメロディ。光の粒をまき
散らすような終曲。ほとんど録音されてこなかったのが不思議なくらい、魅
力的な作品です。クリークはモーツァルトの協奏曲をバセットクラリネット
で演奏しています。モーツァルトは、バセットクラリネットのメランコリッ
クな響きを好んだと言われ、〈皇帝ティートの慈悲〉、〈レクイエム〉など、
晩年の作品で重要な使い方をしています。 クリークの演奏は、軽妙な動き
と、たえず光と影が交差する響きが魅力。彼のモーツァルトは、器用に指は
動くものの、何気なく始まり、何もなく終わってしまう演奏とは次元が違い
ます。表情の豊かさと音楽の推進力が巧みにバランスしているのも、クリー
クの音楽の特色です。ヨン・ストゥールゴールズ指揮タピオラ・シンフォニ
エッタの和声感と、モーツァルトの和声感の美しい調和。素敵なアルバムの
誕生です。
<naive>
ラジオ・フランス・コレクション
V 5031 \1980
ハンス・アイスラー(1898-1962):ドイツ交響曲 作品50
エリアフ・インバル(指)ラジオ・フランス管弦楽団
ゾフィー・コッホ(S)、キャロリン・マズア(A)、
アイケ・ヴィルム・シュルテ(Br)、
ジャン=ルイ・デュポワ&ピエール・ルー(Bs)
録音:2004年11月19日ライヴ
エリアフ・インバルnaive初登場です。曲は、アイスラーの問題作「ドイツ
交響曲」。アイスラーは、ナチに激しく抵抗し、様々な地を亡命しながら生き
た作曲家です。盟友ブレヒトの詩に基づいてつけた音楽の内容はかなり生々し
く、辛い現実を感じさせる作品です。「ドイツ交響曲」は、激しくファシズム
を批判した内容のカンタータと器楽楽章とで構成されています。冒頭のプレ
リュードはヴェーベルンの初期作品を思わせるネットリ系の和声で濃厚に展
開され、つづく作品では、ナチの抑圧への怒りや恐ろしさ、ポツダムでので
きごとなどが歌われていきます。そして作品が進むにつれて、曲の反乱ムー
ドは次第に高まり、より具体的な集団の怒りや叫びが7曲目の「反乱者の鉛の
棺での埋葬」、8曲目の「農民のカンタータ」、そして9曲目の「労働者のカ
ンタータ」で爆発します。作品の最後は、ソプラノと合唱が「絶望して血ま
みれの顔の子供たちを見てください、凍ったタンクから逃げ出して来る子供
たちをみてください。獰猛な狼でさえ隠れ家をもっています。子供たちをあ
たためてあげてください、彼らの手足はかじかんでしまっています。子供た
ちを見てください」と訴え、静かに幕を閉じるというなんとも悲痛な幕切れ。
インバルは実にみごとな指揮ぶりで、曲が終わった後の拍手も収録されてい
ますが、鳴り止む気配がありません。
<Mirare>
MIR 007 \2280
ドメニコ・スカルラッティ:チェンバロ・ソナタ集
ニ短調K.213、ニ長調K.214、ロ短調K.227、ニ長調K.511、ト短調K.8、
ハ短調K.56、ハ短調K.526、ヘ長調K.468、ヘ長調K.525、ヘ短調K.466、
ヘ長調K.366、ヘ長調K.276、ヘ長調K.151、ニ短調K.517、ロ短調K.27、
ト長調K.146
ピエール・アンタイ(cemb)
(2002年バルバストにてフィリップ・ユモーにより製作されたイタリア式クラ
ヴサンを使用)
録音:2005年
新世代の実力派チェンバリストとして世界中で注目されているピエール・アン
タイ。瑞々しく、スケールが大きい情熱的な演奏を聴かせてくれています。
作品に対する真摯な姿勢と、楽器の特性を捕らえた柔軟な解釈が際立ってい
ます。スラルラッティのソナタは、古典派以降の他楽章形式のソナタとは違っ
て、多少の例外はあるものの、ほとんどが単一楽章で単純な二部形式という
構成になっています。両手の交差、アルペッジョや装飾音の使用、急速な連
打、音程の大きな跳躍などの、当時としては非常に新しいテクニックを演奏
に求めています。アンタイの大胆な演奏が映える作品群と言えるでしょう。
MIR 006 \2280
ペルゴレージ:スターバト・マーテル
フィリップ・パロット(指)リチェルカール・コンソート
ヌリア・リアル(S) カルロス・メーナ(C-T)
「スターバト・マーテル」は、十字架上のキリストを見つめる聖母マリアの
悲しみを切々と綴った作品。わずか26歳でこの世を去ったペルゴレージが
その最後に書いた遺作であり最高傑作。Mirare・レーベルにリリースを重ね
ているカルロス・メーナは、スペイン随一のカウンター・テナー。そしてソ
リストとして大活躍中の美貌のソプラノ、ヌリア・リアル。フィリップ・パ
ロット率いるリチェルカーレ・コンソートの奏でる至福の音楽。この作品を
聴くための役者がすべてそろったアルバムです。
MIR 005 \2280
フランソワ・クープラン:
王宮のコンセール第1.2&7番
趣味の融合(新しいコンセール)第14番
ダニエル・キュイエール(指)
アンサンブル・ストラディヴァリア
「王宮のコンセール」は、ヴェルサイユ宮殿で行われていた演奏会のために
作曲され、穏和な気品に満ちた作品です。ダニエル・キュイエール率いるア
ンサンブル・ストラヴァリアは、優美で洗練されたアンサンブルの妙味を聴
かせてくれます。軽やかで愛らしい、いかにもフランス風な感じが良く出て
いる演奏です。
<AMBROISIE>
AMB 9989 2枚組 \3760
CD1:60'25"
CD2:63'34"
フランソワ・クープラン:クラヴサン曲集 第1,3,6&7組曲
ヴィオレーヌ・コチャール(Cemb)
クープランのクラヴサン作品は、情景をありありと呼び覚ますような題名を
もち、調の選択と冒険的な和声法や不協和音によって雰囲気を表現していま
す。ヴィオレーヌ・コチャールの気品溢れる演奏が、ルイ15世時代の典雅を
新鮮に蘇らせます。
<AEON>
AE 0535 2枚組 \4360
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ
テディ・パパヴラミ(Vn)
1971年、アルバニア生まれのパパヴラミのバッハの無伴奏。パパヴラミは素
晴らしい個性の持ち主であり、音楽に打つ込む情熱とスケールで突出した才
能があります。生き生きとした、深みのある音色で、独特な演奏です。シャ
コンヌでは、悲壮感漂う憂いがあります。圧倒的なテクニックによる闊達し
た音楽作りは実に見事。
<BONGIOVANNI>
GB 2390 2枚組 \3760
ポンキエッリ:「リトアニア人」
林康子(S アルドーナ),
オッターヴィオ・ガラヴェンタ(T ワルテル/コッラード),
アレッサンドロ・カッシス(Br アルノルド),他
ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ(指)RAIトリノ放送交響楽団,合唱団
録音:1979年5月
ドニゼッティの「大洪水」(GB 2386)に続く、林康子のイタリアオペラ、
登場!ポンキエッリの「リトアニア人」は、「ジョコンダ」の2年前の1874年
にスカラ座で初演された作品で、原作はリトアニア生まれのポーランドの国
民的詩人アダム・ミツキエヴィチ。物語は、14世紀終り、キリスト教に改宗
したリトアニアと、これに異を唱えたドイツ騎士修道会との争いが背景、リ
トアニア人のワルテルが妻アルドーナと別れて10年、彼はマリエンブルクで
コッラードとう名で騎士修道会の大総長になっています。しかしそれはリト
アニアを勝利に導くための作戦。計画はうまく行きますが、正体のばれた彼
は毒を飲んで死んでしまいます。「アイーダ」と同時期の作品、同じギスラ
ンツォーニが台本ということで、比較するのも面白いでしょう。林がイタリ
ア人を唸らせる熱唱、第3幕のアリアは感動的です!さらに1980年代に藤原歌
劇団にも何度か来演した名テノール、ガラヴェンタ、指揮は大御所ガヴァッ
ツェーニと高水準の演奏です。RAIの公開収録で、良好なステレオ録音、もち
ろんRAIのライセンスを得ての正規発売です!
GB 2388 2枚組 \3760
ボーイト:「ネローネ」
ブルーノ・プレヴェディ(T ネローネ),
アゴスティーノ・フェリン(Bs 魔術師シモン),
イルヴァ・リガブエ(S アステリア),
アレッサンドロ・カッシス(Br ファヌエル,
ドジテーオ),ルツァ・バルダーニ(Ms ルブリア),他
ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ(指)RAIトリノ交響楽団,合唱団
録音:1975年8月23日
アッリーゴ・ボーイト(1842-1918)は、ヴェルディに「オテッロ」、「ファル
スタッフ」、ポンキエッリに「ジョコンダ」の台本を提供したことで有名な
人物。一方作曲家としても「メフィストーフェレ」なんていうユニークな作
品を残しています。この「ネローネ」は、1870年代に着手してから亡くなる
まで作曲を続けたものの、最後の第5幕が欠けたまま未完に終わり、ボーイト
を敬愛したトスカニーニが監修、スカラ座で初演しています。悪名高いロー
マ皇帝ネロの話ですが、ネロは小心者で、彼を取り巻くキリスト教徒と異教
徒の人間模様を描いています。この録音はRAIトリノの収録で、プレヴェディ、
フェリン、リガブエと名歌手が揃い、さらにガヴァッツェーニの指揮と万全。
RAI収録の良好なステレオ録音をライセンスを得ての正規発売です!
GB 2406 2枚組 \3760
パイジェッロ:「星占師気取り」
マウーロ・ウツェーリ(Bs ペトローニオ),
ステファニア・ドンツェッリ(S クラリーチェ),
ティツィアーナ・スパニョレッタ(S カッサンドラ),
ドナート・ディ・ジョイア(Br ジュリアーノ)
ロレンツォ・フィーコ(指)
ジョヴァンニ・パイジェッロ音楽祭管弦楽団,合唱団
録音:2004年11月10日
パイジェッロの「星占師気取り」(あるいは「偽の星占師」とも)は、パイ
ジェッロがサンクト・ペテルブルグで宮廷劇場で働いていた時期(1776-1784)
の作品の一つで、1779年にエルミタージュ劇場で初演され、大成功を収めま
した。自称星占師&哲学者のペトローニオには二人の娘、クラリーチェとカッ
サンドラがいます。本物の哲学者の青年、ジュリアーノがクラリーチェに恋
をし、ギリシャの老哲学者に変装して彼女に近づいて結ばれる、というもの。
エカテリーナ女帝も見たであろう楽しいオペラです。パイジェッロの生地、
南イタリアの港町、ターラントでのパイジェッロ・フェスティヴァルでのラ
イヴ録音。
GB 2394 \1880
カタラーニ:「鎌」
パオラ・ロマーノ(S ゾーラ),カルロ・トリアーニ(T 鎌刈り)
シルヴァーノ・フロンタリーニ(指)
ウクライナ・ドニエプロペトロフスク歌劇場管弦楽団,
ペーザロ・フィルハーモニー合唱団
「鎌」は、「ワリー」でその名を残す夭折の作曲家、アルフレード・カタラ
ーニ(1854-1893)が1875年に発表したオペラ。カタラーニはまだ学生でした。
この作品はオペラの試作。戦いで家族を失った娘ゾーラは、現れた鎌刈の男
を死の使いと思うが、彼は彼女に愛を打明け、二人は通りがかった隊商とと
もに去って行く、という内容。1幕もので大半がソプラノだけのモノ・ドラ
マ風。40分強の長さながら交響的前奏と名づけられた序曲が10分強もあるな
ど、かなり奇妙な作品ですが、オーケストレーションは独創的で、4歳年下で
同じルッカ生まれのプッチーニの憧れだったという話も頷けるところです。
もちろん世界初録音。
GB 2374 \1880
マスカーニ:カンタータ「紡績工場で」
アントーニオ・デ・パルマ(T ベッペ),
ロッセッラ・レドーリャ(S ニネッタ),
マッシミリアーノ・フィケーラ(Br 工場長)
スザンナ・ペシェッティ(指)
ナポリ・イ・ソリスティ管弦楽団,合唱団
録音:2003年4月
「紡績工場で」は、1881年にリヴォルノで初演されたカンタータ。マスカー
ニは当時まだ17歳でした。とは言っても、14章と二つの前奏曲からなる堂々
たる曲です。この作品は紛失したと思われていましたが、近年になって再発
見され、2003年にナポリで蘇演、これはその時の録音です。
GB 2400 2枚組 \3760
ペロージ:「キリストの復活」
マルコ・カマストラ(Br キリスト),
エミーリア・ベルトンチェッロ(S マリア・マッダレーナ),
ルチア・ビーニ(Ms マリア),グイード・トレーボ(Br ピラト),他
アルトゥーロ・サッケッティ(指)
ノヴァラ・カルロ・コッチャ交響楽団,他
録音:2004年10月29日
BONGIOVANNIが力を入れている近代イタリアの宗教音楽家ロレンツォ・ペロー
ジ(1872-1956)のシリーズの新刊。「キリストの復活」は1898初演のオラトリ
オ。題名通り聖書のキリストの復活を、ラテン語で描いています。ペロージ
らしい、穏やかで熱心な信仰心の感じられる音楽で、独特の静かな感動に満
ちています。
<profil>
PH 05022(SACD-Hybrid) 2枚組 \4160
R.シュトラウス:「エレクトラ」
デボラ・ポラスキ(S エレクトラ),
ェリシティ・パルマー(S クリテムネストラ),
アンネ・シュヴァネヴィルムス(クリソテミス),
グレアム・クラーク(T エギスト),
フランツ・グルントヘーバー(Br オレスト),他
セミヨン・ビシュコフ(指)ケルン放送交響楽団,ケルン放送合唱団
録音:2005年
PROFILがドエライ録音をリリース!セミヨン・ビシュコフが、手兵ケルン放
送交響楽団(ケルンWDR交響楽団)を指揮しての「エレクトラ」!タイトルロ
ールには、今エレクトラといったらこの人をおいて他にいないデボラ・ポラ
スキ、迫力と女の情念と優しさとが入り混じった歌はさすがの一言。クリソ
テミスにはここ数年台頭著しいソプラノ、アンネ・シュヴァネヴィルムス。
さらに大ベテラン、フェリシティ・パルマーの不気味なクリテムネストラ、
グレアム・クラーク、フランツ・グルントヘーバーと、今日「エレクトラ」
を上演するに最上の面々が集められています。ビシュコフの指揮は、ネチーッ
と濃密に音楽を練り込み、不気味な緊張感で全編を貫いた見事なもの。
SACD hybridでの発売、オーディオ・マニアも注目!
<claves>
50-2514 2枚組 \4160
R.シュトラウス:「エレクトラ」
ギネス・ジョーンズ(S エレクトラ),
レオニー・リザネク(S クリテムネストラ),
アン・エヴァンス(S クリソテミス),
ヴォルフガング・シェーネ(Br オレスト),
ロナルド・ハミルトン(T エギスト),ほか
ジェフリー・テイト(指)スイス・ロマンド管弦楽団
録音:1990年3月10日
これは凄い!1990年3月10日にジュネーヴ大劇場で行われた、「エレクトラ」
のライヴ録音。なんといってもタイトルロールを、当時ドラマティック・ソプ
ラノの頂点に君臨していたデイム・ギネス・ジョーンズが歌っている!意外
やジョーンズのエレクトラは録音ではこれが初。全身を共鳴させているよう
な彼女の爆発的エネルギーは、録音を通しても絶大で、ゾクゾク来ること間
違いなし!しかもクリテムネストラは、偉大なレオニー・リザネク、もちろ
ん恐ろしいほどの存在感。そしてクリソテミスには、バレンボイムのブリュ
ンヒルデとして知られるデイム・アン・エヴァンズ、瑞々しい声が光ってい
ます。このキャストに負けじと、ジェフリー・テイトがド迫力!スタジオ録
音からは信じられないほど、猛烈に押して押して押しまくって、有無を言わ
せぬ熱気!名門スイス・ロマンドがギリギリいってます。カーテンコール
の大喝采付で、熱気溢れるライヴの醍醐味万点!
スイス・ロマンド放送ESPACE2とのライセンス発売です。
50-2516 \2080
ベルク:ヴァイオリン協奏曲
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲
クリスティアン・フェラス(Vn)
エルネスト・アンセルメ(指)スイス・ロマンド管弦楽団
録音:1957年4月3日(ベルク),1966年10月5日(ストラヴィンスキー)
ヴァイオリン・ファン待望の音源が発掘!
クリスティアン・フェラス(1933-1982)は、1950年代に目覚しい台頭をし、
1960年代にはカラヤンのお気に入りのヴァイオリニストになるほどの高い評
価を得た人ですが、その後アルコール中毒に病み、活動が停滞、そして僅か
49歳で亡くなってしまいました。そのため、こと日本での評価がは今一つ
パッとしないままで終わってしまいましたが、全盛期の素晴らしさは格別で
す。このCDには、1955年と1966年に彼がジュネーヴで演奏した二つの協奏曲
が収録されています。それがベルクとストラヴィンスキーという近代もので
すから、これは興味津々。ことにベルクでの凛とした美感はさすが!しかも
伴奏は、偉大なアンセルメ!オーケストラはもちろんスイス・ロマンドです。
アンセルメが結構とんがったベルクを演奏しているのに驚き。どちらも良質
なモノーラルです。