クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

10-07 No.29-2

2010年07月27日 17時30分07秒 | Weblog
<CAvi>
4260085 531950 2枚組 \4050
スクリャービン(1872-1915):ピアノ・ソナタ全集(第1番-第10番)
CD1
ソナタ第1番ヘ短調Op.6、ソナタ第4番嬰ヘ長調Op.30、ソナタ第6番Op.62、
ソナタ第9番Op.68、ソナタ第10番Op.70
CD2
ソナタ第2番「幻想ソナタ」嬰ト短調Op.19、ソナタ第5番Op.53、
ソナタ第7番「白ミサ」Op.64、
ソナタ第8番Op.66、ソナタ第3番嬰ヘ短調Op.23
アナトール・ウゴルスキ(P)
録音:2007年11月、2008年10月、2009年5月、7月
バイエルン・スタジオ、ミュンヘン
ロシアの鬼才、アナトール・ウゴルスキの久々の新譜は、スクリャービンのピ
アノ・ソナタ全曲。3年かけて録音され、ウゴルスキのスクリャービンに対す
る思いが結実したアルバムです。
ウゴルスキは1942年シベリア生まれ。現代音楽の積極的な演奏活動により、当
局から活動を制限され、1990年ベルリンへ亡命。一時難民キャンプで生活する
も、その才能が見出され50歳という遅咲きで1992年ドイツ・グラモフォンと契
約。デビュー後ウゴルスキは自在なテンポ設定、自由な表現力を持つ独特の演
奏スタイルで注目されました。近年ウゴルスキはコンサートや録音を控え教育
に専念し、現在はデトモルト音大教授を務めています。
表舞台から遠ざかっていたウゴルスキを再び引き戻したのはスクリャービンで
した。ウゴルスキにとってスクリャービンは特別な作曲家。ピアノ・ソナタは
一部録音がありますが、このアルバムは2007年から2009年にかけて全曲録音さ
れ、ウゴルスキの音楽観がたっぷりと盛り込まれた演奏です。第1番では第1楽
章の甘い主題を非常に濃厚に歌い、第4楽章の葬送行進曲は悲痛さが重くのし
かかるよう、極めて静かに丁寧に作り上げています。またテンポも非常に特徴
的で、第10番のソナタは、ホロヴィッツは12分弱で演奏していますが、ウゴル
スキはなんと16分。スクリャービンの鬼気迫る神秘性に没入した演奏を聴かせ
てくれます。




<AUDITE>
AU 23422 2枚組 \2250
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調Op.2-3
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調Op.27-2「月光」
シューマン:謝肉祭Op.9
J.S.バッハ:イタリア協奏曲 BWV.971
ショパン:
幻想曲 ヘ短調Op.49、夜想曲 変ロ短調Op.9-1、スケルツォ 変ロ短調Op.31
ブラームス:
間奏曲 変ホ短調 Op.118-6、ホ長調 Op.116-4、奇想曲 ロ短調Op.79-1
ソロモン(Pf)(1956年2月 ベルリン)
昨年のフルトヴェングラーBOXで歴史的録音の復刻CDに新たな1ページを開いた
Auditeレーベルが、ベルリンRIAS放送局のオリジナル・アナログ・テープ(テ
ープスピード、76cm/秒)から伝説のピアニスト、ソロモン(1902-1988)の秘蔵
録音を復刻しました。
ソロモンは脂の乗り切っていた1956年 夏、54歳という年に脳梗塞で倒れ51年
から始まったEMIのベートーヴェン・ソナタ全集録音も未完に終わり、その後、
亡くなるまでの32年間、沈黙を強いられました。この録音は病に倒れる数ヶ月
前の絶頂期の彼の貴重な記録です。
吉田秀和著「世界のピアニスト」より
「月光」は非常にゆっくり始まる。いくらアダージョ・ソステヌートといって
も、これほどゆっくりしたのは、ほかにきいたことがない。しかし、これは歩
みではなく、流れである。一つ一つの音の粒の揃っていること。その油をひい
たような滑らかさの中に、内側からの感情の充実のあること。稀代の名演であ
る。今世紀は幾人かのベートーヴェンの名手をもったが、ソロモンは、その中
でも最高級、最上級にしか数えようのないピアニストである。本当に「ベート
ーヴェンらしいベートーヴェン」というものを求めている人はぜひ一度きいて
みられるが良い。




<HUNGAROTON>
HCD 32635 \2080
J.B.ヴァンハル(1739-1813):3つのチェロ協奏曲集
ハ長調 / イ長調 / ハ長調
ペーテル・サボー(Vc & 指揮)
シンフォニエッタ・パノニカ 
マールタ・アーブラハーム(リーダー)
録音:2010年5月25-28日フンガロトン・スタジオ(デジタル・セッション)
ボヘミアに生まれウィーンで活躍したヴァンハルは、ハイドン、モーツァル
ト、ディッタースドルフとともに弦楽四重奏を演奏したことがあり、その際に
チェロを担当していたといいます。
世界初録音となるチェロ協奏曲は、この楽器とヴァンハルとの相性の良さをう
かがわせる内容で、バロック・コンチェルトを思わせる非常に明快なソロ・パ
ートや、極上の緩徐楽章が3曲に共通する特徴。洗練されたスタイルや変化に
富む主題からは、シューバルトが「音楽美論集」(1784)のなかで“ウィーン古
典派きってのすぐれもの”と絶賛したヴァンハルの腕前をはっきりと確かめら
れます。
1963年ルーマニアに生まれたサボーは、1993年以降ブダペスト祝祭管首席奏者
を務めるいっぽう、ソリストとしても活躍する名チェリスト。シンフォニエッ
タ・パノニカは、この録音のために2010年に特別に設立された室内オーケスト
ラ。メンバーは、ハンガリー国立フィル、ブダペスト祝祭管、ハンガリー放送
管といったハンガリーのトップ・オーケストラの器楽奏者たちによって構成さ
れ、芸術監督にはサボーが就任しています。
録音に際して、オーストリアのザイテシュテッテンのベネディクト派修道院
と、プラハのナショナル・ミュージアムにそれぞれ所蔵されている自筆譜に、
サボーが校訂した楽譜を用いています。

HCD 32658 \2080
「悪魔のクラリネット / ブダペスト・クラリネット・クァルテット」
フリジェシュ・ヒダシュ:クラリネット四重奏曲
ゾルターン・コヴァーチュ:ドリーム・ダンス第3番
イヴァーン・マダラース:RE-petition *
ジュラ・フェケテ:クラリネット四重奏曲
ティボル・ブリュナウアー:スケルツォ・ディアボリコ
イェネー・タカーチュ:3本のクラリネットのための5つの小品(Op.112)
ラースロー・ドゥブロヴァイ:クラリネット四重奏曲
ヤーノシュ・ジュライ・ガール:4つのロマンティックな遊戯
ブダペスト・クラリネット・クァルテット
[ヤーノシュ・セペシ、ジェルジ・レー、ラースロー・マイエル、
アーコシュ・パーパイ(Cl)]
オットー・ラーツ(Ob)*
ミハーイ・ゾルターン・ヴァルガ(vib,marim)*
イヴァーン・マダラース(P)*
録音:2010年2月22-24日、3月2日フンガロトン・スタジオ、
2003年-2006年ハンガリー放送
現ハンガリー放送響首席奏者のヤーノシュ・セペシがリーダーを務めるブダペ
スト・クラリネット・クァルテットは、この特殊な編成による室内楽の様式に
聴衆をなじませる目的で1995年に設立されたアンサンブル。メンバー全員が
フェレンツ・リスト音楽院の卒業生で、これまでに4度のアメリカ・ツアーも
敢行ずみという実績を持っています。
ここでクラリネット四重奏という形式のために、現代ハンガリーの作曲家たち
が手掛けた作品の数々は多種多様。ハンガリーの民俗音楽の舞曲や、レントラ
ーなども現われるタカーチュ。変ホ管やバス・クラも使用し、さまざまな特殊
奏法でクラリネットの可能性を模索したドゥブロヴァイ。ファンファーレ風の
主題で開始され、のちにハンガリー民謡に似せた構造をみせるコヴァーチュの
曲は、リズミカルで躍動感あふれる音楽。
“反復”というタイトルのマダラースの曲は29の短い1小節の主題から構成さ
れ、5から15までの範囲で適宜、楽器編成のサイズが変更可能となっています。
しかも個々の動機は、一定の範囲内で任意に繰り返しも可能といった具合。
このほか、セペシの演奏に触発されたフェケテをはじめ、ヒダシュ、ガールの
作品も当アンサンブルのために書かれたもの。さらに、当アンサンブルの委嘱
作となるブリュナウアーでは“悪魔の”と付く演奏至難な内容にも、目の醒め
るようなテクニックとアンサンブルの高い実力を聴かせてくれます。

HCD 32624 \2080
ジェルジ・オルバーン(1947):
太陽の讃歌(1996)
ミサ曲第11番-ベネディクトゥス(1996)
ラズモフスキー・トリロジー(2000)
I.ラズモフスキー伯爵のための舞踏会音楽
II.アルバムの綴り
III.ラズモフスキー伯爵への告別
ジュジャ・アルフェルディ(S) カーロイ・ガール(Vn)
レメーニ・エデ室内管弦楽団
録音:2005年1月ミシュコルツ、ヨーロピアン・ハウス(セッション)
ミサ曲をはじめ、おもに声楽曲を数多く手掛けてきたジェルジ・オルバーン
は1947 年生まれのハンガリー作曲界の重鎮。弦楽オーケストラに乗せて、説
いて聞かせるようなソプラノが印象深い「太陽の讃歌」、「ベネディクトゥ
ス」につづく「ラズモフスキー三部作」は第1部7曲、第2部7曲、第3部5曲とい
う構成で演奏時間50分を越える大曲。
ベートーヴェンの名を連想させずにおかないタイトルを冠したこの作品は、
“作曲の頂点に位置づけられる、シンプルかつ完成された弦楽四重奏”とい
う形態に対して、じっさいに弦楽四重奏曲を4曲書いたオルバーンが自分なり
に試行錯誤を重ねて示した回答。オルバーンの導きだした結論は、短くて、
軽快で、ダンス・ミュージックのような楽章を作曲すること。ここでは、オ
ルバーン曰く、よりしっくりくる弦楽オケ版での演奏となっています。なお、
「太陽の讃歌」はイタリア語歌唱、ミサ曲はラテン語歌唱。




<KII>
KKC 9011(DVD-Video) \4000
字幕:日仏英独
[EuroArts]30 79058
輸入盤・日本語解説書付
ユンディ・リの肖像-若きロマンティスト
ユンディ・リ(ピアノ)、
小澤征爾(指)ベルリン・フィルほか
ユンディ・リのベルリン・フィル・デビューを追ったドキュメンタリーとラ・
ロック・ダンテロン・ピアノ・フェスティバルでのリサイタルを中心に、彼の
芸術と人間像を描くDVD。尊敬する小澤征爾とのプロコフィエフの協奏曲のリ
ハーサルや、中国の家族や母校への取材、中国ツアーの模様など、貴重な映
像も満載。ラ・ロック・ダンテロンのフェスティバルでは、ショパンのスケ
ルツォ全曲を披露しています。

KKC 5100(SACD-Hybrid) \3000
[RCO] RCO 07001
輸入盤・日本語解説書付
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
マリス・ヤンソンス(指)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
[2006年8月28日、11月17日
アムステルダム・コンセルトヘボウでのライヴ]
マーラー演奏に独自の伝統をもつロイヤル・コンセルトヘボウ管からヤンソン
スが驚くほど新鮮な響きを導き出した超名演。ヤンソンス自身、最高のオケと
賞賛を惜しまない名人オケだけに、彼の意図をあますことなく再現、終始釘づ
けにされます。





<ELOQUENTIA>
EL 1022 2枚組 \3250
ヘンデル:「エジプトのイスラエル人」(2部版)
ジュリア・ドイル(S)
マーティーン・グリムソン(S)
ロビン・ブレイズ(CT)
ジェイムズ・オクスリー(T)
ピーター・ハーヴェイ(Bs)
ステファン・マクラウド(Bs)
ピエール・カオ(指)コンチェルト・ケルン,アルシス・ブルゴーニュ
録音:2009年10月,ルクセンブルグ,パリ,ディジョン(ライヴ)
今や古楽界を代表する合唱団、ピエール・カオ率いるアルシス・ブルゴーニュ
と、古楽オーケストラの雄コンチェルト・ケルンが組んで、ヘンデルの傑作
「エジプトのイスラエル人」を録音しました。「エジプトのイスラエル人」
は、1739年に初演された壮大なオラトリオ。旧約聖書の「出エジプト記」に
題材をとった劇的な内容にヘンデルの雄輝な音楽が生きています。ベルギー
人カオは、ドイツ風のゴツゴツしたヘンデルでも、英国風のノーブルなヘン
デルでもない、透明で柔らかく、必要とあらばビシッと力が入るヘンデルを
生み出しています。合唱が大きく活躍する作品ですので、アルシス・ブルゴ
ーニュの優秀なアンサンブルは見事で、またコンチェルト・ケルンも紅海横
断の場面など、非常に熱の入った音楽でカオに応えています。歌手は、カウ
ンターテノールのブレイズやバスのマクラウドのように日本でもおなじみの
人たちに加え、ランカスター出身で今英国の古楽ソプラノの逸材として引っ
張りだこのドイル、オーストラリア出身の若く優れたソプラノ、グリムソン、
さらにガーディナーが重用する二人の歌手、英国のテノールのオクスリーと
バスのハーヴェイと、優れた歌手を揃えています。録音の多い「エジプトの
イスラエル人」のなかでも、卓越した演奏に仕上がっています。なお、再演
時の2部の版を用いています。

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