高槻市で愛用するのはサンドイッチ専門店「ピコリ」。
歯が折れそうなほど固い、フランスパンに生ハムなんぞを挟むカスクートだって悪くないが、
柔らかい食パンにフィリングを挟む、日本のサンドイッチはときに癒される味。
土佐堀の「ビクトリー」、茨木の「大黒屋」、四条大宮「マルキ」なんかの変わらないのがいいな。
ピコリのフィッシュカツサンド、ツナ玉子キュウリのサンドイッチ。
ふにゃっとして、まっすぐ立たない柳腰。
私らの中学時代、昼食時のパンは購買部という場所で売っており、
カツサンドを食わんがために走ったさ。
なので、カツサンドには人一倍思い入れが強い。
ステーキ屋のビフカツサンドなど、そりゃ美味いだろうが、3千円とかになってしまうと、
余りに非日常すぎて、美味いと感じるものも感じなくなる。
日常的に食べる駄蕎麦がうまいのと同様、駄カツサンドこそがうまい。
ここにもたびたび登場する親爺が不調を訴え、実家にたびたび通った、この秋。
友人に美味いパン屋と美味いコーヒーの在り処を聞き出した。
昔はそんなものなかった。今もない田舎だろうとタカをくくっていたら、
それなりにあるもんである。
まずは上野芝の「ブランジェリー・サンテ」。
今どきのオシャレで垢ぬけたパンではないけれど、
小さい店で実直に作ってらっしゃる気がした。
実家のガランとした部屋で、ひとり食うのも悪くない。
もう一軒教わった、深井の「パン工房KAWA」。 余りにでかい店で驚いた。
一画には、イートイン用の椅子がいくつかある。
ここは、焼き立てのナポリピッツァが食べられる。
サイズこそ20cmと小ぶりだが、マルゲリータ420円。
この値段でそこで食べられるなら、悪くない。
ただ、無料のコーヒーを小型の紙コップで出すなど、ケチくさい。
堺の傍若無人な客にはこうでもしなきゃ、バケツで汲みに来たりするのだろうか。
でも、どんなパン職人をもしのぎ、美味しかったサンドイッチが
中学の同級生が作って、届けてくれた手製のサンドイッチ。
美味いコーヒー欠乏症だったボクに、コーヒー入れて届けるよと言ってくれ、
届いたら、サンドイッチが付いて来た。
それがなかなかプロ仕様で、家庭の主婦のレベルではなかった。
うちのおかんも幼稚園の遠足の弁当などに、サンドイッチを得意技にしたのを思い出した。
P子の親切が沁みた…ちょっと疲れてる時だったので、思わず涙ぐみそうになった。
胃袋を攻められると、我ながらほんまに弱い。