茫日、新梅田食道街でビール銘柄当てコンテストがあるからと誘われ、エントリーした。
キリン・アサヒ・サッポロ・サントリー4社のビールを当てるというもの。
まずキリンとアサヒのドライは簡単だろうと思ったが、なんのなんの、とたんに判らなくなった。
結局、後者2社銘柄は当たり面目を保ったが、判ったのはほとんど僅かな差しかないということだ。
さて、新梅田食道街の100軒のうち、最古参の一軒がここ「とり平総本店」。
当代のお祖父さんが始めたという店ははや、60年オーバー。
最初から珍しかった合鴨を出す、ちょっと高級路線を歩んだ。
昨今のように塩ではなく、タレ一本やり。
鶏より脂っこいのであるが、さらっとしていてイヤな脂ではないのが合鴨の持ち味。
日本酒で迎え撃つもいいが、店主の中村元信さん、ワインに通じているので
ここではワインを飲むことがままある。
タレと赤の相性もバツグン。
おっと、弟が並びで「中村屋」というワインバーをやっている。
そこでも合鴨の秀逸な酒肴が出される。
どこもかしこも賑わいを見せているが、ここは食道街の端っこにあるため、
あんまり顔が差さないのがよろし。
次々に客にせかされることなく、割合ここでは気持ちがのんびりする。
口直しの大根おろし。
私はしつこくお代わりしてしまう。
備長炭の猛烈な火力の前で、格闘する主人 中村さん。
ここのは炭と鶏との距離が短い。ほとんど接着しそうな勢いで何度も返す。
いつまでもこの場所があってくれることを祈りつつ、有難くいただく。
本心では阪急もJRもこの一角も新しくしたいだろうが、そうはいかない。
人の集まるところ、キレイばかりでは息が詰まる。
体臭のするような手触りのある場があるのも、ひとつの街にとっては大事なことだと思う。
新梅田食道街 とり平総本店
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