マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

観音裏にある愉悦

2016-08-22 23:31:56 | 東京 浅草

浅草の人混みに疲れたら、浅草寺を裏に抜けて言問通りを北へ。

何にもなさそうな、向こう側に渡ることをお勧めしたい。

柳並木があったりして、ちょっと雰囲気。 豆かんの「梅むら」なんぞもこっちの方にある。







地図を漫然と眺めていて、屋号でびびっと来た「酒や・ぬる燗」。

燗好きの私としてはこれ素通りするわけにはまいりません。

私よりだいぶ若い店主が一人。

この豆腐汁の椀がお通し代わりらしい。 飲み助には汁ものが有難い。

なかなかいい滑り出しだね。




 


すっきりした東京風で、店主は一家言ありそうだが、お勧めの酒聞いても返って来なかった気がする。

帰ってネットを見ると「愛想がない…」と書いてたが、その通り愛想はない。

だが、この年になると無愛想の愛想というのがあるのも判る。

客の自由に放っておいてくれるが、決して無視してるのではなく、常連だけ厚遇する訳ではない。

数多くの酒と、酒を呼ぶ酒肴を揃えていて、注文にはきちんと応えてくれる。






ボケボケになってしまったが、カツオの刺身のつけ醤油。

旨い。これは日本酒でないといけない。


 


秋田の銘酒「まんさくの花」を燗で所望すると、ピタリのつけ具合で出てきた。

 

 


そして、お、ほやの造りがあるぢゃないか…。


こいつばかりは、関西の人間は扱い方を知らないと見え、まともに食えたためしが無い。

これもまた、酒のために生まれてきたような気がする。まずメシには合わんだろう。

最初喰った時は鉄棒舐めてるのか…と思ったが、だんだん好きになった。






藤ジュン、イイ男である。 ぼんぼん育ちだから妙に屈折していないところがいい。

彼がバークリーに留学中、ものわかりのいい親は留守宅でどんちゃん騒ぎの宴会催し、

何度もお邪魔した。 そんな親たちも年々傷んでくる。 介護なんぞの話も飛び出す。

順番とはいうものの、現実はなかなか厳しいものだ。






 
浅草まで行ってるのに、飲み慣れた能勢の銘酒「秋鹿」。

これも燗に申し分ない。

いい店だが、ニイチャンちょいと気取りが激しいなぁ~。

若い頃ならカチンと来てたが、今は微笑ましく、にやにやしてしまった。

まだ肩の辺りに力が入ってる感じがして、それを感じさせるようではまだまだ。

そこの力が抜けりゃ、一段上の素晴らしい居酒屋になるだろう。



 



締めはたのんだのか、自動的に出てきたのか。

しじみ汁、豆腐入り。 双方とも肝臓には有難い。

気持ちよく店を出た頃には、とっぷりと暮れて、もはや午前さま。



 



こういう小ざっぱりした玄関まわりの店が、なかなか関西にはない。





 

浅草寺、深夜。


いい夜だった。






 
でも、浅草に泊まらなけりゃ、こんな景色見られなかったよ。

もっとも酔って、安宿のベンチに、座ったまんま朝方まで寝てしまった。


 

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